東京の空白地点
どこの街にも空白がある。
3代続いた魚屋。
「誠に勝手ながら今月いっぱいで閉店します。長らくのご愛顧、誠にありがとうございました」
帰り道、たまに通る道にあるお店のシャッターにラミネートされた紙が貼ってあった。
私は一度もそこで魚を買ったことはない。
またふとした時にその道を通ったらそこのお店があった場所は更地になっていた。
周りは密集して隙間なく家が隣り合っているのにそこだけぽっかりなくなっている。
そして、更地の端っこには誰かが酒盛りもしたのであろう残骸が転がっている。
缶チューハイとワンカップ。
なぜかそんな空間に親近感を覚えてしまう。
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