The Snuts 最新アルバム『Burn The Empire』について語りたい
あなたはThe Snuts(ザ・スナッツ)というバンドを知っていますか??もし知らない方はこの記事も是非ご覧ください!!「期待の次世代・若手インディー・ロック・バンド The Snuts」
今大注目の彼らの最新アルバム『Burn The Empire』について全曲をメンバーが詳細を説明しています。この記事を読んで、アルバムを聴けば更に隠された魅力にあなたも気が付けるはず!?
アルバム曲について
1「Burn The Empire」
不満の塊から生まれた『Burn The Empire』の爆発的なオープニング・トラックはある種の意思表示であり、アルバムの基調を打ち出す。プロデューサー、Detonate (デトネイト)とClarence Coffee Jr(クラレンス・コフィ・ジュニア)とのスタジオ環境について、ジャック・ コクラン (ヴォーカル)は「不満を声に出すのにとても良い空間だと感じたよ。政治的なことでも、社会的なことでも、そしてアメリカ出身のコフィとロンドン育ちのデトネイトという異なる視点を持つ人がいることもね。この曲を作っている時、国中がイライラしていたんだ。コロナは、みんなが話す人たちの間にあるイライラを呼び起こしたと思うし、その時点で人々は本当に分裂していた。コロナ自体とは関係なくても、その周りで起こっていること全てにね。人々は分裂し、お互いに、そしてシステムに対して怒っていた。この曲は、そんな不満のつぼから生まれたんだ。この曲を書いてすぐに、この曲調にしようと決めた。ごく自然で偶然の産物だったけれど、このアルバムは僕らがクソほど言える場所になるような気がしたんだ。」と語っています。
2「Zuckerpunch」
同アルバム『Burn The Empire』の2曲目は 「Zuckerpunch」。人々の携帯電話への依存度を探求し、画面を通してではなく、目を通して生きることを思い出させてくれる中で、説教臭くなったり退屈にさせたりすることなくできている一曲だ。
「こんなトピックについて話すときの危険性は、純粋にモリッシーみたいになってしまう可能性があることだ。」
とジャック・ コクラン (ヴォーカル)は冗談を言う。だが、「「Zuckerpunch」ではすべてが皮肉だけど、音楽とプロダクションでこれが本物でユニークであることを維持しているんだ。この曲もまた、SNSが健康や人間関係、目標、自尊心にどれだけ悪影響を及ぼすかについて、意見を述べたり、会話のきっかけを作ったりしているだけなんだ。」
さらに彼はこう付け加える。
「この曲をリリースした時に感じたのは、人々はまだこのことについて話す準備ができていないということ。トピックとして、居心地が悪いんだ。」
3「The Rodeo」
冒頭の2曲のヘヴィネスに続いて、The Snutsは「The Rodeo」で基本に忠実なアプローチを取ることにした。この曲には深い意味は付いておらず、The Beatles「Get Back」のドキュメンタリーからインスピレーションを受けて、気まぐれにレコーディングされたものだ。同曲についてジャック・ コクラン (ヴォーカル)はこう説明する。
「「The Rodeo」は、このアルバムのために作った最後の曲だったと思う。アルバムのための話題や会話をしながら、1ヶ月もレコードを作り続けていると、少し疲れてくるんだ。ある朝、朝食にトーストを2枚ほど食べながら、ビートルズの「ゲット・バック」を観たんだ。スタジオにいたから、ずっと見るのを待ってたんだ。そして4人の男が、何の仕掛けもない部屋で一緒に、史上最高の曲を書いているのを見たんだ。だから、ライブハウスに行って、その場で曲を書いてみよう、どんな音でもいいから、楽しもうって思ったんだ。そんな感じで、昔ながらの、子供の頃によくやっていた曲作りが、あっという間に出来上がった。このアルバムにそのエネルギーを持ち込むことができてうれしいよ。」
とコメントしている。
4「13」
「13」は、人生が制御不能に陥り、悲劇的に他人の命を奪ったバンドの友人についての悲痛な作品である。この曲は非常に個人的なものだが、この物語はイギリス全土の町に共通するものであり、人間性を持ってこのテーマにアプローチしている。『Burn The Empire 』がなければ、
「あの曲を書く勇気はなかったと思う」
とジャック・ コクラン (ヴォーカル)は告白していた。
「僕は自分のことをよく書いていたから、それ以上のことを書きたかった。彼は人生のスタートがとても大変だった。人生のスタートが大変なことと、彼のように人生のスタートが本当にクソ難しいこととの間には違いがあると思うし、無視する方が楽だから、大変な人がいることを認めようというのは、もう過去の話だと思う。 犯罪率を見ても、ある地域に住んでいて極貧の生活を送っている人は悪者扱いされることがある。イギリスでも世界でも、若い人たちが殺し合うような事件が絶えない。この曲の意味は、なぜそれが起こっているのか、なぜそれが許されるのか、その根源に目を向ける必要があるからだ。」
と情感豊かに付け加えている。
5「Knuckles」
涙を誘う「13」に続き、The Snutsは愛への賛歌である多幸感溢れる「Knuckles」で、ひとときの安らぎを与えてくれる。この曲をアルバムに収録したのは意図的なもので、ジャック・ コクラン (ヴォーカル)は
「僕にとって、このアルバムのバランスが全てなんだ」
と語っている。
「音楽というものを、他の目的に使うことができるのは、とても素晴らしいことだと思う。音楽が僕にとってどんな意味を持つか、とても長い間語り合うことができる。でも、そこにあるものは解釈の余地があることを確認しなければならない。この曲と一緒に歌うのもいいし、ライブで流すのもいいし、太陽が出てる時に車の中でかけるのもいい。この曲はそういう雰囲気なんだ。」
6「End Of The Road’ ft. Rachel Chinorouri」
「End Of The Road」でジャック・ コクラン (ヴォーカル)はインディー界の新星レイチェル・チノロウリと共にボーカルを担当する。このコラボレーションはSNSを通じて実現し、チノロウリはその後、バンドに初めて会うためにアビー・ロードを訪れ、そこでお互いの背景を知ってから、歌詞を共同で書き、二人のボーカルを録音していた。
「ジョニ・ミッチェルのような女性ボーカリストの大ファンだし、ステイヴスやローラ・マーリングを聴いて育った」
とジャック・ コクラン (ヴォーカル)は明かしている。
「女性ボーカルには、男性ボーカルにはできない何かがあるといつも思っていて、その精神は、この曲ではうまく表現できていなかったと思う。別のバースを書いてあったけど、彼女のエネルギーとパーソナリティはこの曲にぴったりだったんだ。」
7「Pigeons In New York」
次はジャック・ コクラン (ヴォーカル)のお気に入りの曲、「Pigeons In New York」だ。この曲は、私たち全員が同じページに立つことを求める爆発的な叫びであり、私たちを分断するよりも私たちを結びつけるものの方が多いということを痛烈に思い出させるものである。このタイトルは、プロデューサーであるコフィとデトネイトとの会話から生まれたものだ。彼らはスコットランド出身の当ロックバンドとは全く異なる世界から来ているもの、同じように世界を見ている。
「スタジオに入ると、みんな朝食を食べたり、コーヒーやタバコを吸ったりして、誰かが気さくに話し始めるんだ。今回、コフィとデトネイトは、常に黒人というレッテルを貼られ、それが何を意味するのか、何の脈絡もなく語られるのはどのようなことなのか、ということを話し合った。コフィは自分の文化や家族の伝統について話して、逆に僕たちは黒人家族が2組ほどいる小さな町から来たけど、本当に心地よい会話だった。」
とジャック・ コクラン (ヴォーカル)は言う。
「人生で初めて、人種や文化に関する会話をすることに抵抗がなった。社会として、常にレッテルを貼ったりステレオタイプ化するのではなく、オープンにしてお互いについて学ぶことが本当に重要だと思うよ。」
当初、同曲はウディ・ガスリーやボブ・ディランに倣ったアコースティックな曲としてスタートしたが、バンドのプロデューサーの助けにより、アルバムの中心的な役割を果たす壮大な楽曲に仕上がっている。
8「Hallelujah Moment」
「Hallelujah Moment」は、新たな道を歩み始めたThe Snutsがバンドの最もポップな要素を捉え、人生を価値あるものにする喜びの瞬間を祝福する魂の一片を提供するものである。
「これはデモから始まったんだ。もし僕らのレコードが変だと思うなら、僕らのデモを聴くべきだよ」
とジャック・ コクラン (ヴォーカル)は笑う。
「ソウルフルなハウスチューンのようなもので、何が起こっているのかわからないものだった。数ヵ月後に新鮮な耳で再確認したんだけど、レコードのバランスを取ることを強く意識したんだ。常にシリアスな男にはなりたくないし、少しは楽しみたい。ライブに来る人たちには、世の中がどう動いているのかを分析するためではなく、楽しむために来てほしいんだ。この曲は、ガールフレンドと一緒に車でどこかにドライブしているときの、どうでもいいような、でもすべてがうまくいっているような、そんな感覚を歌っていて、僕はよくそう感じるし、そういう最高にハッピーな瞬間を認めることが重要だと思うから、大好きな曲なんだ。人生は激しいから、そんな時はそんな気持ちを認めてあげないとね。」
9「Cosmic Electronica」
「Cosmic Electronica」は、まさにタイトルが示す通り、4人組のインディーバンドというよりも、ファットボーイ・スリムの楽曲のような印象を受ける。この曲は、The Snutsが最も実験的であることを示す陶酔の波を提供しており、彼らはその独創性から報酬を得ているが、ジャック・ コクラン (ヴォーカル)はそれをバンドメンバーの創造性のおかげであると述べている。
「正直なところ、最初にこの曲を作り始めたときは、かなり抵抗があったんだ」
と彼は告白する。
「正直、作り始めた当初はかなり抵抗があったんだ。 休みの時間は、ケミカル・ブラザーズや ゴリラズをたくさん聴いていたよ。ある時スタジオで僕とコフィが話している間、他のやつらとデトネイトが別のコーナーで騒々しいビートを作っていた。俺は「あそこで何が起こってるんだ?あのクソどもは正気を失ってる」と思ったよ」と冗談交じりに語っている。
「AIが会話を聞いているとか、そういうテクノロジーが人類に与える影響とかの話から、僕とコフィの歌詞が生まれたんだ。この曲で本当に好きなのは、他のやつらが音楽的に輝く機会であり、それこそが素の彼らだっていうこと。」
10「Yesterday」
「Yesterday」はこのアルバムの中で最も生々しい瞬間であり、「Cosmic Electronica」とは対照的に、コクラン一人で奏でるアコースティック・ギター、そして幼い頃の夢を叶えたにもかかわらず不自由な日々を送る彼の姿に、すべてを重ね合わせるような曲である。
「「Yesterday」は、気分が乗らないときに書いた曲なんだけど、ツアー中にプレッシャーがかかるとよくそうなることがあるんだ」
と、彼は認めている。
「これができるのはとても光栄なことだけど、クソほど情けない時もあるし、ステージに立つと、そこにいるべきじゃないような気がしてくる。この曲はまさに偽者症候群について書いた曲さ。」
彼はこう続ける。「スタジオにいるときでさえ、「どうしてこんなところにいるんだ?」って思うんだ。世界で最高のプロデューサー二人と一緒にいて、バンドは素晴らしいし、このアルバムを作る素晴らしい機会に恵まれて、前作はうまくいって、チケットも売れているのに、「どうしてこんなところにいるんだ?」って思うんだ。それで、一人で部屋に入って、「何が起ころうがクソ喰らえ、今の俺の脳には処理できないことが多すぎる」って感じで、基本に立ち返ったんだ。」
11「Blah Blah Blah」
「Blah Blah Blah」で爆発的なフィニッシュを終える『Burn The Empire』。これはタブロイド紙に自分の考えを決めさせず、独立して考えることを思い出させるものだ。ありがたいことに、この曲は私のあらすじから想像するよりもずっとロックンロールに仕上がっていた。音楽的な観点からこの曲についてコクランは、
「あの曲はミュージカルのようだと思う。長い間聴いていると、このレコードはそういう音楽的な側面を持っていると思うし、一つのテンポや雰囲気ではないんだ」
と歌詞について話しながら、こう付け加えている。
「ある日、スコットランドのサン紙があることを言うと、イギリスのサン紙が逆のことを言うという、マスメディアの操作について話していたんだ。デイリー・メール紙のデタラメな記事のおかげで、人々はより人種差別的で、より同性愛嫌悪的になってきている。今、議論できるのは過激派だけで、合理的な意見は聞かれなくなった。まったくもってナンセンスだよ。」
最後に。。。
The Snutsの最新アルバムについて、より知ることはできましたでしょうか?この note を見て、このバンドを好きになってアルバムをたくさん聴こうと思った!という方がいらっしゃいましたらとても嬉しいです✨
更に彼らは今年の夏に開催される Summer Sonic 2023 にも出演します!
来日公演もお楽しみに☀
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