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(小)中学生からウエリフを始めてほしい理由

 相変わらずマイナースポーツに分類されることが多いウエイトリフティングだが、競技力向上の観点から年少の時期からウエリフを始める地域も増えてきた・・・印象。親御さんは子供がウエリフを始めるのに抵抗を感じている人もまだまだ多い。むしろ小さい頃からウエリフを始めた方がいい理由を考えてみる。

 まず抵抗を感じる理由だがそもそも危険なスポーツと思われているのが一番強いかなと思う。実際に重たいものに触るスポーツなので、怪我は怪我でもそれが大きな怪我になるリスクは確かにある。足の甲や頭にバーベルが落ちれば大変な怪我になるだろう。心配に思うのは当たり前だ。
 また考えられるのは筋トレを中心に練習を行う印象を持たれていること。小さい頃から過剰に筋肉をつけると背が伸びなくなるみたいな誤情報は徐々に払拭されつつあるけど、まだまだ信じている人は多い印象。

 こんなところだろうか。

 これらの抵抗感を払拭できるかはわからないが、理由を挙げていく。

怪我のリスクを減らせる

 まずは怪我について。ウエイトリフティングを続けていればどこかで怪我や体に不調をきたすことは多い。筋肉は日々成長していき見た目でもわかることができる。しかし関節や骨は見た目で成長や消耗を見ることはできず、感覚でしかわからない。重量の負荷が徐々に溜まっていく箇所でもある。と、これは長年ウエリフを続けた人の怪我であって、軽い重量しか扱わない初心者には起こらない種類の怪我だ。

 では初心者の怪我とはどういったものか。それは挙げることだけに意識を持っていかれた無茶なフォームによる怪我だ。ウエリフのフォームは個人差はあれど共通して体にかかる負担を少なくして(言い換えればできるだけ軽く)挙上するのが原則だ。初心者はまずは自己のフォームを形成するところからウエリフの練習は始まる。この時半端に力がある場合、力任せに挙上してしまうパターンがよく見られる。それも最初のうちは重量を増やしていくのが楽しくて、フォームを無視してでも重い重量を挙げたがる。これが怪我につながるのだ。

 小中学生からウエリフを始める地域も多くなったとはいえ、ほとんどの選手は高校から競技をすることになる。個人差はもちろんあるが中学で部活動を経験して、力がついている高校生はたくさんいる。このような選手は逸材であると同時に育成を間違えば大きな怪我ですぐに引退・・・というケースもある。

 では小中学生はどうか。これも個人差はあれどまだほとんど体が出来上がっていない選手がほとんどだ。そのような選手は無理やり力で挙げることは難しいので、正しいフォームを自然と身につけることができる。
 小中学生から正しいフォームを身につけることは実は怪我のリスクを減らしている。これがひとつ目の理由だ。

フォーム形成に集中できる

 自己のフォームが形成されれば重い重量を持っても怪我のリスクは少なくなる。これは前の項目でも言った通りだがフォーム形成は一朝一夕で完成するものではない。ある程度形になってきてからもバーベルの軌道修正、重心の移動など修正作業は山ほどある。個人差はあるが数年、もしくは完成後も競技人生をかけて模索していくものだろう。

 先も書いたが高校生から競技を始めることが多いため高校生はフォームを形成しながら、大会で記録を残すために補強種目(肉体強化)も行わなければならない。筋トレだけやっても強くはなれないのだ。これは従来通りの方法なのでこの育成方針になにも間違いはない。最初から高校で引退を考えているならまだしも、これから先のキャリアを考えるなら大会で実績を残すことは必要不可欠だからだ。

 しかし小中学生からウエリフを始めるならどうか。莫大な時間をフォーム形成に充てることができる。選手によっては中学生のうちに自己のフォームを形成することも可能だろう。フォーム完成後はもちろん修正を加えつつ、補強種目に大きな時間を割くことができる。つまりメリハリを持った育成が可能になる(小中学生→フォーム形成メイン、高校生→補強種目メイン)。だいぶ極端な例だが。これがふたつ目の理由だ。

 小学生でも全国規模の大会?発表会?、中学生は全国大会がある。しかしここの記録で大学や企業が積極的に選手を欲しがることはほとんどない(高校、大学で通用するレベルならともかく)。一番アピールすべきなのは高校生のインターハイや国体などの全国規模の大会になるだろう。

 少しプロフェッショナルな見方になってしまった。実際にこの大学、企業に行きたい、プロになりたいと思う中高生はどれだけいるのだろうか。プロ野球選手、プロサッカー選手になりたい子供はたくさんいるのにプロウエイトリフターになりたいと思う子は少ない(いる?)。マイナースポーツのさみしいところやね。

まとめ

 以上が個人的に思う小中学生からウエリフを始めた方がいい理由。漠然と「なにをするのも早い方がいい」とは簡単に言えるけどそれで納得する人が少ないのが現実。当たり前のことでも振り返って整理していくのが大切だね。このNoteもそういう側面が強いかも。

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