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海鮮塩バターラーメン、タモさんのもやし炒め載せ

件の保護ねこにまつわるあれやこれやで、今週は月曜からまともに台所に立てていない。その副反応で、ついに手に震えが出始めた。

拙宅に遊びに来てくださる方々はとうにご存知の通り、私は日頃大したもんを作ってはおりません、というか作れません。トップページの自己紹介欄で申告しているとおり、意識低い系のごはんを日々シコシコと作っているだけだ。けれど、目をギラつかせて入手してきたお買い得食材をいかに無駄なく使って食欲を満たすか、というその作業は、自分で思っている以上に私の精神的支柱であるらしい。台所に立ってなんか刻んだり、煮たり、焼いたり、つまみ食いしたり……そういう一連の作業は不思議と心が落ち着くし、その作業の果てに本日の一品が完成した時には、それが例え「映えってなにそれたべれるの?」的な仕上がりだったとしても、なかなかの自己満足感が得られる。日々をすこやかに過ごすために、この自己満足感ってかなり重要ではないでしょうか。

そういうひとときを過ごせない日が3日も続くとどうなるか。私はたちまち落ち着きを失い、手が震えはじめる。野菜不足感に苛まれ、なんだか身体のあちこちがかゆくなってくる。プラシーボ効果かな?そして何より恐ろしいのは、冷蔵庫の中に待機している食材たちのコンディションが日々劣化してゆくこと。あれはまだ大丈夫、でもあいつはそろそろヤバイ……ああっ、あそこにあんなのもいたんだっけ!買って何日経った?もう虫の息じゃないのか?早く、早くなんとかしないと……!


久しぶりに大帝国ロピアで見つけた、一袋9円のもやしをなんとかしないと……!!


というわけで前置きが長くなりましたが、今夜の晩ごはん、海鮮塩バターラーメン。敬愛する凄腕料理人のお一人、おてだまさんが紹介なさっていた、タモさんのもやし炒めをのっけてみまーす!おてだまさんは味噌ラーでしたが、私は最推しの塩ラーにしました。


パンダちゃんもいいけどねこさん丼もかわゆいですねえ(*´ω`)デレデレ

おうちラーメンでもやし炒めを作ると、なんでかいっつも味がボケる。薄い顔の人間が作ってるからかよ、ちくしょう……等と長年嘆いてきたけれど、なんとこのレシピで作ると、お店みたいなもやしが楽しめるらしい。これはぜひ作ってみたい!と思った矢先、飛び込んできた衝撃の一文。


時間があればヒゲとります 手で両端ポキポキ取れるよ〜


ついにこの時が来たか……



ええ、お料理の達人ならばきっと、朝起きてまずカーテンを開けるかのようにごく自然なふるまいとして、この作業をサラリと、いやポキリとこなされることでしょう。

けれども私はめんどく星人。もやしのひげなんて生まれてこのかた取ったことはない。でもおてだまさんは取っていらっしゃる。あまつさえ、コメント欄にて「ぜひこの食感知ってほしいな」っておっしゃってる。やらなければなるまい。ワカナ、女を見せるところだぜ!


そんでまあ、実際やってみたらすごく楽しかった。パキポキ簡単に取れるのが気持ちよくて妙にハマる。山椒の実を枝から外していた時の「あれ、実ってこの丸い方だっけ……?」みたいなゲシュタルト崩壊も起きないし、牛すじとか豚バラ煮込んでる時のアク取りに近しい悦びを感じた。これ脳にいい作業なんじゃないのかな。ただ、いかんせん対象の頭数が多いので、台所で立ったままやらない方がいいですね。地味に腰にキます。


きれいになったもやしは、洗って水気を切っておく。鶏がらスープの素少量を、同じく少量の水で溶かし、日本酒・塩・こしょうと合わせたものを作っておく。あとはもやしをオリーブ油(!)で強気の強火でガーッと炒めて、最後に鶏がらスープだれをさっと回しかけて、10秒くらい炒めたら火から下ろす。火加減はとにかく強気で、あまり時間をかけずスピーディーに仕上げるのがコツだそうです。調味料の最後入れってのも重要なんだろうな。

市販の塩ラーメンスープは規程量のお湯で溶かし、塩水に入れて解凍した冷凍シーフードミックスを投入。Twitterのまとめかなんかで、「シーフードミックスを塩水で解凍するとぷりぷりになる」という情報を見かけたので、さっそく実験。シーフードミックスはあまり煮立てないように、沸いたスープの中に落としたらすぐ火を止めておく。

もやしと一緒に買ってきたほうれん草は、さっと湯がいてから冷水に放ってアク抜きし、水気を絞って適当にカットしておく。これで具材の準備完了。

あとは中華麺をちょっと硬めに茹でて丼にぶちこみ、具材を適当に並べてスープを注いで、最後にバターを落としたらできあがり。


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塩バターにはどうしても欲しいコーン缶も参加させました。それにしても私がラーメン作ると、なんでいつも麺が埋没するのかな。そういう呪いにも侵されているのかな。


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スープの海で泳ぐパンダちゃん、今夜もかわゆいねぇ(*´ω`)デレデレ


さて、さっそく今夜の影の主役であるもやし炒めからいただいてみると……うおおお、めちゃくちゃおいしい!歯ざわりシャッキシャキな上に、鶏がらスープの味付けがばっちり決まっている。いつもの、私の顔面さながらのようなボケ感は全くない。そして、もやしとオリーブ油ってこんなに合うんだなあとびっくり!今までごま油で炒めてばかりだったのだけれど、それと比べるとオイルのクセが控えめなので、もやしと調味料の味がより引き立つ感じ。そしてこの食感……やはり古来より先人たちが伝承してきた儀式には、相応の意味と価値があるってことですね。もぐもぐしてる時にひげの存在を感じるか否かで、こんなにも味わいが変わるとは……!今後は手間を惜しまず、積極的にひげ取りの儀を執り行ってゆきたい所存。脳にもよさそうだし、何より歯に挟まるストレスがない。

塩水で解凍実験したシーフードミックスにも、これまたびっくり!すんげーぷりっぷりでやんの!魚介類の旨みもしっかり感じられる。今までは自然解凍するか、凍ったまま鍋にぶちこんで煮たりしてきて、いい出汁は出るんだけど身が縮んじゃうのが残念だった。今夜は身までしっかりおいしい!スープにちゃんと海鮮出汁も滲み出ているから、いつもの市販スープが全く別物みたいに奥深い味になっている。そして、海の香りをたっぷり含んだ塩味スープにバターとコーン……最高の組み合わせですね。スープの塩気にバターのまろやかさとコクが、コーンの甘みが、大変によく似合う。やっぱり入れてよかったなー。ほうれん草の青くささもいいアクセントになって、とてもいいおうちラーメンになった。ごちそうさまでした。おてだまさん、ありがとうございました!


もやしもほうれん草もコーンも残ってるから、近日中にもう1回作って食べよ。今夜はもやしに加え、冷凍シーフードミックスについても新たな学びを得たな。うちの冷蔵庫にだいたいいつも入ってる食材なので、とてもうれしい。

タモさんのもやし炒めは、お酒のアテにも絶対間違いなし!なおいしさだったので、また絶対作りたい。オリーブ油炒めだから、コンソメなんかも合いそうだなあ。にんにくもちょっと入れたりして……。キャベツとにらを入れるいつもの野菜炒めも、このレシピで作ったら化けそうな気がする。やるっきゃないな!ひげ取りがんばろー!

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