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自家製パンチェッタで豆入りミネストローネ

今夜は自家製パンチェッタを使ってのメニュー第3弾。ベーコンの替わりにパンチェッタを使って、定番スープ・ミネストローネを作ってみようという試み。


パンチェッタとして作られたにも関わらず、時にはプチ・サレ呼ばわりされているマイパンチェッタ。アイデンティティが崩壊していないか少々心配ではあるが、いい加減な製造者に当たってしまった食材の運命(デェステニィー)と思って諦めてもらいたい。大丈夫、呼び名がどれだけコロコロ変わろうとも、君のおいしさは不変だから。


ミネストローネの具材については諸説あると思うけれど、自分で作る時必ず入れるのは、玉ねぎ・にんじん・キャベツ・トマト(生もしくは缶詰)・にんにく。これになすが入ったり、ズッキーニが入ったり、きのこが入ったり、じゃがいもが入ったり……と、その時々にかわいい顔と値段をしている野菜を参加させている。あと、高値でない限りなるべく入れたいのはセロリ!セロリって、生で食べるのはあまり得意ではないのだけれど、ミネストローネに入るとめちゃくちゃおいしくなるから不思議だ。セロリが入ると、スープ全体にちょっとピリッとした辛さが出る……ような気がするんだけど、これ自分だけですかね?

作り方はいちいち明記するのも恥ずかしい手抜き製法だけれど、私はこう見えても正直者なので、ありのままを書きます。玉ねぎとにんじんは1cm角くらいのさいの目切り、セロリはそれよりもう少し小さめの粗みじん切りにして、切れた傍から大鍋にボンボン入れていく。そう、私のミネストローネは「炒める」という工程を全面的にシカトして作る。火の通りやすさを考慮して順番に具材を火にかけるのもガンスルー。理由?もちろん、めんどうくさいから。ベーコ……じゃなかった、パンチェッタは1cm角くらい、にんにくはみじん切り、キャベツは大きめのざく切りにして、これもバサバサ入れる。冷凍庫に保存してあったひよこ豆も入れる(解凍なぞいたしませんよ)。最後にトマト缶を1缶……がいつもの分量だけれど、今回は思うところあって、たっぷり2缶分投入。缶をゆすいだ水も入れて、コンソメキューブをひとつ落としたら仕込み完了。蓋をして火にかける。

いつもならば、まず中強火でガンガン煽ってアクを取り、その後弱火でコトコト……というパターンなのだけれど、今回はごくごく弱火にかけた。蓋をしてあとはガスコンロにお任せし、この間に久しぶりのリングフィットアドベンチャーにいそしむ。

小一時間後、10日ほどサボっていた罪を全身全霊で悔い改めている私の鼻先に、かぐわしい香りが漂ってきた。ヨレヨレと台所に向かうと、いい感じにしんなりした野菜たちが真っ赤なスープの中でくつくつ煮えている。よしよし、では味見を。

おお、濃厚なトマト味の中にも、パンチェッタからのいい出汁が感じられる。……だけど、ちょっと塩気が強すぎる。やはりパンチェッタは少し塩抜きしてから入れた方がよかったかな。まあやっちまったもんは仕方ないので、リカバリーと称して水気を切ったコーン缶を追加。火力を中強火に上げて沸騰させ、浮いてきたアクをていねいに除去。アクを取り終えたら、白ワインを適量、乾燥ハーブ軍団(バジル・タイム・オレガノ)をたっぷり加え、再び弱火にしてもう15分程度煮込む。最後に塩こしょうで味を整えて火を止めてできあがり。スープ皿にたっぷりよそって、てっぺんにお好みのチーズをトッピングしてからいただきます。


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今夜のトッピングはカッテージチーズで。一目瞭然でしょうが、ジルに対して具材の量がかなり多くなるよう、水分とか調整しました。「食べるスープ」ってやつであります。

たっぷり使ったトマトを主軸に、各種野菜の旨みがしっかりと染み出した汁物の味については、今さらいちいち申し上げるまでもありますまい……今宵もどちゃくそのめちゃんこにおいしゅございます!ベーコンを使った時とはまた違う、パンチェッタの野性味あふれる出汁がとてもいい!心配していた塩加減も、途中でぶちこんだコーン缶のおかげで、いい塩梅に落ち着いている。っていうかこのコーン缶の甘みがやけにいい仕事ぶりだな?トマト味って、ややもすると「やけに酸っぱい割に味がいまひとつボケている」みたいになりがちなのだけれど、酸味をうまいこと和らげつつ、甘みを程よく添えてくれている。ミネストローネにコーン缶て邪道かなと一瞬躊躇したけれど、入れて正解だったな。

1時間以上煮込んだにも関わらず、パンチェッタにはまだしっかりと歯ごたえが残っているのにもびっくり。時間をかけて熟成させたお肉ってすごいんですな。煮込んだ後の食感としては、ベーコンよりこっちの方が好きかも。当然豆との相性も抜群で、ひよこ豆のほっこりした食感、独特の香り(豆くささ?)と一緒に味わうと最高。カッテージチーズのさっぱりした酸味も、いいバイプレーヤーぶりだった。野菜尽くしだしノンオイルだから、たっぷり食べてももたれないのもうれしい。ああ、おいしかった!ごちそうさまでした。


汁物を作る時の常として、今回もあと3食分くらいは賄えそうな量ができあがった。ま、後日アレンジして食べたいメニューもあったので、わざとトマト缶多めで濃厚にして多めに作ったんだけどな、グッフフ。ということで、しばらくミネストローネ三昧を楽しもうと思います。


これはあくまで個人的な見解なのだけれど、このミネストローネ、下手な化粧品よりよほど美肌効果が高いと思っている。いや日頃お高い化粧品なんて一切使っておりませんけども、まあともかく……。真冬なんかに乾燥しすぎたお肌が、ナイフみたいに尖っては触るものみな傷つけそうにバッチバチにそそけだってるような時、このスープを3日間食べ続けるとてきめんに効きます。風邪ひきかけてる時にもいいし、お腹の調子が悪い時にもいい。自分にとっては大好物であると同時に、お守りのようなスープです。

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