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創業融資制度の使う順番

スタートアップの融資による資金調達を支援するINQの若林( @wakaba_office )です。いつもありがとうございます。

さて、今回のnoteでは「創業融資を使う順番」についてお伝えします。

このnoteは若林によるポッドキャスト「INQ若林のDebt and Alive」をテキストコンテンツとして再編集したものです。ポッドキャストでは、起業家の方や起業準備中の方に向けて、デットファイナンスに関するTipsやノウハウを毎回5分程度にまとめてお送りしていますので、ぜひフォローしてください。

INQでは年間200件以上のスタートアップの融資を支援しています。
融資の相談を受ける中で「利用する創業融資の順番がもったいない」と感じるケースが少なくありません。

そこで今回は、損をしない創業融資を利用する順番についてお伝えしたいと思います。

起業から2期以内に使える主な融資にはいくつか種類がありますが、全国で使える制度のうち、主要なものは以下の2つです。

✅日本政策金融公庫(以下、公庫)の新創業融資
✅保証協会付き融資

創業融資を利用するのであれば、

①公庫の新創業融資
↓↓↓↓↓↓↓
②保証協会付き融資

の順番で使うことをおすすめします。

この記事では、なぜこの順番で創業融資を利用するのか、その理由を説明します。

新創業融資から取り組むべき理由
①「創業期の起業家への融資に積極的」

創業融資を利用するのであれば、まずは公庫の新創業融資から着手しましょう。

理由は以下の2つです。

✅創業期の起業家への融資に積極的
✅代表者の連帯保証が無い

理由の1つ目は「創業期の起業家への融資に積極的」です。
公庫は、国が出資する政府系の金融機関です。

起業率を高めて、産業の新陳代謝を活性化しようという政府の意向を反映しています。

そのため、民間の金融機関が取り組みにくいような創業期の事業者に対しても、積極的に融資をしています。

新創業融資から取り組むべき理由
②「代表者の連帯保証が無い」

公庫の新創業融資から取り組むべき理由の2つ目は「代表者の連帯保証が無い」です。

新創業融資以外にも無担保・無保証人で利用できる融資制度はありますが、2022年9月27日現在、公庫の新創業融資制度以外の融資制度では代表者の連帯保証(*1)が付くのが一般的です。

しかし、公庫の新創業融資については代表者の連帯保証は原則付かない(経営者保証免除特例制度)ので、連帯保証が付く融資制度に比べてリスクが低いといえるでしょう。

*1) 代表者個人が会社の連帯保証人となること(保証債務を負うこと)。企業が倒産して融資の返済ができなくなった場合は、代表者個人が企業に代わって返済することを求められる(保証債務の履行を求められる)。

公庫の次に保証協会付き融資を利用するべき理由①「公庫よりも時間がかかる」

公庫の新創業融資の次は、保証協会付き融資を利用しましょう。

保証協会付き融資とは、民間金融機関が企業に融資する際に、信用保証協会が保証人になって行われる融資です。

万が一金融機関からの貸付け融資が返済されなくなってしまった場合、 その一部または全部を信用保証協会が肩代わりしてくれる仕組みになっています。

信用保証協会の保証が付くことによって、金融機関側は貸しやすくなり、企業側は借りやすくなります。

公庫の新創業融資の後に保証協会付き融資を利用するべき理由は、以下の2つです。

✅公庫よりも時間がかかる
✅代表者の連帯保証が付く

理由の1つ目は「公庫よりも時間がかかる」です。

保証協会付き融資は、公庫の新創業融資よりも時間がかかる傾向にあります。

保証協会付き融資を利用する際は民間金融機関と信用保証協会の他、場合によっては区市町村の担当者との面談も必要になるなど、踏むべきステップも多くなります。

関わる人物が多くなるため、面談の日程調整などに時間がかかってしまうケースもあります。 

このように保証協会付き融資は、公庫の新創業融資よりも比較的時間がかかることが多いという風にいわれているため、新創業融資の後に利用することをおすすめします。

また、統計データがあるわけではありませんが、私の肌感覚として公庫よりも審査が厳しいかな〜と感じることが多い印象です。

公庫の次に保証協会付き融資を利用するべき理由②「代表者の連帯保証が付く」

理由の2つ目は「代表者の連帯保証が付く」です。
前述の通りですが、公庫の新創業融資以外の制度、たとえば保証協会付き融資には代表者の連帯保証が付きます。 
2023年3月までの間に、創業5期未満の会社に対して保証協会付き融資の代表者の連帯保証が不要になる見込みですが、時期は未定です。
 
このnoteの執筆時点では、代表者の連帯保証が付きますので、創業融資を利用する際は公庫の新創業融資から取り組むべきといえるでしょう。

まとめ

今回のnoteでは「創業融資の順番」についてお伝えしました。以下に内容をまとめます。

創業融資を利用する際は、以下の順番がおすすめです。

1.公庫の新創業融資
2.保証協会付き融資

公庫の新創業融資から利用するべき理由は次の2つです。

✅ 創業期の起業家への融資に積極的
✅ 代表者の連帯保証が無い

新創業融資の後に保証協会付き融資を利用するべき理由は次の2つです。

✅公庫よりも時間がかかる
✅代表者の連帯保証が付く

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