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広告費の分割・後払いサービス「AD YELL」を展開する株式会社バンカブルの髙瀬さんと対談 #1 バンカブル設立の背景とAD YELLについて

スタートアップの融資を支援しているINQの若林( @wakaba_office )です。

今回から全3回にわたって、私のPodcast株式会社バンカブルの代表取締役である髙瀬 大輔(たかせ・だいすけ)さんをゲストに迎え、同社の広告費分割・後払い(BNPL)サービス「AD YELL(アドエール)」や、会社設立の背景について聞いた内容をお伝えします。

それぞれのテーマは次の通り。

  1. バンカブル設立の背景とAD YELLについて

  2. AD YELLの強みとは?

  3. AD YELL PROとバンカブルの今後の展望について

このnoteでは第1回目の「バンカブル設立の背景とAD YELLについて」をお届けします。

髙瀬 大輔さん プロフィール
不動産デベロッパー、リノベーション会社にて営業・マーケティング業務に携わった後、2008年よりオプトにてメディアプランニング、広告運用に従事。その後、トレーディングデスク、インハウスコンサルティング事業を手掛ける株式会社ハートラスの代表取締役、取締役CSMOを歴任。現在は株式会社バンカブルの代表取締役を務め、広告費の分割・後払いサービス「AD YELL」を展開中。

このnoteは若林によるPodcast「INQ若林のDebt&Alive」をテキストコンテンツとして再編集したものです。Podcastでは、起業家の方や起業準備中の方に向けて、デットファイナンスに関するTipsやノウハウを毎回5分程度にまとめてお送りしていますので、ぜひフォローしてください。

広告費の分割・後払いサービス「AD YELL」とは?

若林:まずは株式会社バンカブルが展開する「AD YELL(アドエール)」について教えてください。

髙瀬さん:広告費の分割・後払いサービスで、広告を出稿する企業様を中心に利用いただいています。

例えば、自社サービスの広告を出稿するために広告代理店に発注するとします。使用した広告費が100万円であれば代理店から請求書が届き、翌月に支払うのが一般的です。

また、代理店を通さずにGoogle 広告やYahoo!広告に出稿したい場合は、法人のクレジットカードを管理画面に登録して、都度決済をすることになります。

若林:どちらのパターンでも、基本的にはまず広告費を支払う必要があるということですね。

髙瀬さん:その通りです。そして広告が掲載されてから商品やサービスを購入してもらうまでには、一定期間のタイムラグが発生してしまいます。

若林:売れる見込みがあったとしても、広告費を先払いしているため、手元資金が枯渇してしまう可能性がありますね。

髙瀬さん:AD YELLを利用いただくと、広告代理店などに先払いしなければいけない広告費を、まず弊社が立て替えます。

若林:広告費の支払いによってキャッシュアウト(*1)していた分を立て替えてもらえれば、企業側の負担はかなり減りそうですね。

*1) 商品の仕入や設備の投資、借入金の返済などの企業活動により、企業の現金が減少すること

髙瀬さん:はい。そして立て替えた費用を、基本的には4分割で返済していただく、というサービス設計になっています。手数料は広告費用を100とした場合3.0です。

若林:なるほど。広告費の分割・後払いサービスの仕組みが分かりました。需要のありそうなサービスだと感じたのですが、現在の状況を教えてもらえますか。

髙瀬さん:ありがとうございます。実績としてはサービスを正式ローンチした2022年の春から年末にかけて、合計で約80億円弱の広告費をサポートしてきました。

若林:初年度で80億円は凄いですね。PMF(*2)している感覚はありますか。

*2) プロダクトマーケットフィットの略で、提供しているプロダクトやサービスがマーケットのニーズに合っている状態のこと

髙瀬さん:想定よりも需要があることが分かりましたし、PMFしていると言っていいと思います。

広告に携わる中で感じた課題がサービス構想のきっかけになった

若林:AD YELLの詳細や顧客企業の特徴については、次回詳しくお聞きします。その前に、髙瀬さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

髙瀬さん:プロフィールにもありますように、不動産のデベロッパーやリノベーション・スタートアップの立ち上げメンバー、広告代理店、コンサルティング会社の経営など、さまざまな仕事を経験してきました。

若林:いろいろな業種を経験されてますね。現在の金融系サービスを立ち上げるきっかけが気になりました。

髙瀬さん:実は最初の不動産系の2社に関しては、営業部所属でキャリアをスタートしたのですが、広告マーケティングを担当する職種に異動になり、その後はずっと広告関連の職種でキャリアを積んできました。

若林:そうだったんですね。広告関連の業務を担当する中で、AD YELLの立ち上げのきっかけになるような原体験はありましたか。

髙瀬さん:そうですね。特に2社目のスタートアップは資金がなかったわけではないのですが、5〜10万円規模の比較的少ない金額の広告投資でも、慎重になるような状況でした。

若林:なかなかシビアですね。もうちょっと予算があれば事業を伸ばせるのに、と思わなかったですか。

髙瀬さん:今思い返すと、広告費の投資をもっと円滑にできれば、成長を加速させられたはずだと感じています。このやり切れなかった感覚が心の奥底にずっと残っていたのが、サービス立ち上げの原点になっていると思います。

若林:広告代理店の立場になってからはどうでしたか。

髙瀬さん:代理店側としても、顧客の広告出稿をお手伝いしたいのに与信の関係上、十分な支援ができなかった経験があって……。これもサービス立ち上げに繋がる原体験といえると思います。

若林:顧客が十分な資金を持っていたとしても、受発注の関係である以上は与信の範囲に収める必要がありますからね。成長のために一歩踏み込めないのはもどかしいですね。

グループの方向性と新たな出会いが重なり、バンカブルを設立

若林:サービス立ち上げにつながる原体験から、株式会社バンカブル設立に至る経緯を教えてください。

髙瀬さん:実は株式会社バンカブルは、私がゼロから立ち上げたスタートアップではなく、株式会社デジタルホールディングスの新規事業の一環として設立された会社になります。

設立のきっかけの1つは、グループ内にいる金融系のバックボーンを持つ人物と出会ったことです。たまたま会って話したところ、彼が持っていたサービス構想と私の原体験がうまくマッチしたんです。

デジタルホールディングスとしても新規事業の立ち上げを検討していた時期でもあり、いろいろなことが重なってバンカブルの設立に至りました。

若林:通常のスタートアップと違って持株会社の資本力があるのは強みになりそうですね。デジタルホールディングス以外には、どのようなステークホルダーがいるのでしょうか。

髙瀬さん:株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループと協働し、事業を推進しています。一例として三菱UFJニコスと連携し、法人向けのクレジット発行スキームも整えております。

若林:金融系サービスを提供する上では資金力や信頼性が重視されるので、顧客も安心できそうです。

まとめ

株式会社バンカブルの髙瀬さんをゲストに迎え、同社の提供する広告費分割・後払いサービス「AD YELL」について聞きました。

髙瀬さんの経験とグループ内の人物との出会い、そしてホールディングスの意向がマッチして新規事業立ち上げに至ったという、スタートアップとしてはユニークな設立背景でした。

次回は「AD YELLを利用しているのはどんな企業?」というテーマで、AD YELLの具体的なユースケースについて聞いた内容をお届けします。

AD YELLの申し込みや相談は、髙瀬さんのTwitterAD YELLのサービスサイトから可能です。

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