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いくつかのセレナーデ 13 絶交

絶交

「彼」について、彼女はボクの知らないヒトだと言った。
もしも知っているヒトだったら「絶交」するとボクは言った。
戎橋筋商店街の食堂で、彼女は本当のことを話した。
「絶交」という言葉が、ボクの口から反射的にこぼれた。
彼女の顔が悲しげに曇った。
一番つらかったのはキミだろう、嘘をつくことができない人だから。
そうボクは言った。
彼女の顔に、少し憂いを帯びた笑みが広がった。
ボクたちは「仲直り」した。

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