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いくつかのセレナーデ 6 束縛という形

束縛という形

彼女のことをボクは、束縛しないようにしたかった。
しっかりと自分を持っている人。だから、
彼女の素振りにどこかよそよそしいところがあっても、
問い質さなかった。
彼女が、思わせぶりなことや、不安気な言葉を口にしても、
ただ微笑んで「大丈夫だよ」としか言わなかった。
二人の間には、幸せな時が流れていた。いや、
流れている、と信じ込んでいたボクには、
気付くことができなかった。
「愛の表現には、束縛という形も必要だ」ということを。

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