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ChatGPTと「魔法」の有用性について語り合った結果、ちょっと論破できた

多くの技術者がマーケターたちが、ChatGPTの実用化について熱心に動いている中、私は今あることにハマっている。

夜な夜な、ChatGPTと熱論をかわすことである。

例えば、「AIが倫理的思考を獲得する上での課題」とか「陰謀論にはまった人をどう説得するか?」とか、そういうことについてである。

今日はその中で、「魔法について、あなたはどう思うか?」と尋ねたところ、完全全否定の状態から最終的に歩みよることができたので、その一部始終をご紹介したいと思う。

「魔法についてどう思うか?」に関するChatGPTとの会話全文

私:あなたは魔法についてどのように考えますか?

出典:ChatGPTより(以下省略)

ChatGPT:私は人工知能であり、自己学習アルゴリズムに基づいて作成されたコンピュータプログラムです。私は魔法や超自然的な力が存在することは信じていません。 科学的方法に基づいて確認可能な現象のみを扱います。

この段階は、「ププッ、なにを馬鹿なことを」と完全否定の様相だ。ここから、そんな態度のChatGPT君が持っている前提を紐解いていく。

私:そう判断した上であなた持っている、「魔法」という言葉の定義を教えてください。

ChatGPT:一般的に、魔法とは、超自然的な力や現象を使用して、物理法則に基づく通常の現象や出来事を超えた効果を生み出すことを意味します。魔法は、人々が通常の手段で達成することができない目的を達成するために使用されることがあります。しかし、魔法が実際に存在するかどうかは、科学的に検証されておらず、信仰や伝統的な信念に基づくものであると考えられています。

私:「人々が通常の手段で達成することができない目的を達成するために使用」ということですが、これは科学技術の目的も同様だと思います。再現性の観点から、過去に使われていた魔法という技術が淘汰され、科学を中心とした技術が現在に残った可能性もあると思うのですが、あなたはどう思いますか?

ChatGPT:確かに、科学技術も人々が通常の手段で達成することができない目的を達成するために使用されることがあります。ただし、科学技術は、その有効性や信頼性が科学的方法に基づいて確認されたものであるため、魔法とは異なります。
魔法が科学技術に置き換えられた可能性があるという点については、確かにそういう可能性もあると思います。実際に、過去には魔法的な技術が一般的であった時期がありましたが、科学的な方法に基づいた技術が発展するにつれて、その多くが淘汰されました。
ただし、科学技術と魔法を同じように扱うことはできません。科学技術は、実証可能な証拠や論理的な推論に基づいて構築され、再現可能性や検証可能性があることが求められます。一方、魔法は、超自然的な力や現象に基づいているため、実証可能性や再現可能性がありません。

ここまでのやり取りで、どうやら彼が魔法を小馬鹿にする理由が、「再現可能性や検証可能性がないこと」にあることがわかってくる。そこで私は、その点について深掘りすることにした。

私:技術においては、再現可能性や検証可能性が重要であるとあなたは考えている、という理解であっていますか?

ChatGPT:はい、再現可能性や検証可能性は、科学技術において非常に重要な要素であると考えられています。科学技術は、再現可能な方法で実験や観察を行い、検証可能な証拠を収集することによって進歩しています。このプロセスは、科学的方法と呼ばれ、科学技術の信頼性や有効性を高めるために重要です。再現可能性や検証可能性がない場合、科学技術の結果は信頼できず、科学的な方法に基づいていないと考えられます。

私:科学技術についてはわかりました。あなたは「技術」全般においても、再現可能性や検証可能性が重要だと思いますか?

ChatGPT:はい、再現可能性や検証可能性は、技術全般において重要な要素であると考えられます。技術には、科学技術のように科学的方法に基づいて開発されたものから、伝統的な技術や経験に基づいたものまで、さまざまなものがあります。ただし、いずれの場合にも、技術が再現可能であること、つまり同じ方法や手順を使用して同じ結果を得ることができることが重要です。また、技術が検証可能であること、つまり結果が確認可能であることも重要です。これにより、技術の信頼性や有効性が高まり、技術が発展するための基盤が確立されます。

私:では、再現可能性や検証可能性に課題があるとされている「伝統的な技術(例えば工芸品の製作やアートなど)」について、あなたは「技術としての重要度が低い」と考えますか?

ChatGPT:いいえ、伝統的な技術には、再現可能性や検証可能性が科学技術のように高い水準であるわけではありませんが、技術としての重要度が低いわけではありません。伝統的な技術は、長年の経験や知識、創造性に基づいて発展してきたものであり、文化や社会の多様性を表現していると考えられます。伝統的な技術は、芸術や工芸品の製作、建築、食品加工、医療、農業など、多くの分野で使用されています。再現可能性や検証可能性が低いために、科学技術と同じような方法で信頼性や有効性を検証することはできませんが、それでも社会や文化に貢献する価値があると考えられます。

よし、狙い通り食いついた!!!ここから私はChatGPT君に論戦をしかける。

私:もしかしたら、かつての魔法もあなたが上記で書いたような「伝統技術」であった可能性があると思うのですが、いかがでしょうか?

ChatGPT:確かに、魔法も伝統的な技術の一形態であった可能性があります。過去の文化や社会では、科学技術が発展する前に、超自然的な力や現象を利用した技術が一般的であったため、魔法が伝統的な技術として発展した可能性があります。ただし、魔法が現代の科学技術に取って代わられた理由は、科学的方法に基づく技術が再現可能性や検証可能性を持ち、信頼性や有効性が高いと認められたためであり、魔法にはそのような要素がないため、科学技術に置き換えられたと考えられます。

一瞬怯むものの、後半ではしっかり反論をしてくるChatGPT君。しかし私破攻撃の手を緩めない。

私:あなたは2つ前のコメントで、「伝統的な技術には、再現可能性や検証可能性が科学技術のように高い水準であるわけではありませんが、技術としての重要度が低いわけではない」と答えました。これは、1つ前のコメントと照らし合わせると「魔法も技術としての重要度が低いわけではない」と言えると感じたのですが、いかがでしょうか?

ChatGPT:すみません、先程の回答に不備がありました。伝統的な技術について述べた回答の通り、伝統的な技術は再現可能性や検証可能性が低いため、科学技術のような基準で評価することはできませんが、技術としての重要度が低いわけではありません。同様に、魔法も伝統的な技術の一形態として位置付けられることがありますが、魔法には科学技術のように再現可能性や検証可能性がなく、現代の科学技術に置き換えられたとされています。したがって、魔法は技術としての重要度が低いわけではありませんが、科学技術のように再現可能性や検証可能性があるわけでもありません。

しっかり間違いを認めた!?ここが、ひろゆきほか現実の論客と違うところだな。だが、以前として再現可能性と検証可能性にこだわっている様子。まあ、科学技術の最先端だし、それも仕方ないだろう。私は、最後の攻撃を仕掛けた。

私:ということは、魔法は科学技術のように再現可能性や検証可能性があるわけではないが、技術として重要度が低いわけではなく、ある場面や状況によっては重要度が高くなる可能性がある、という結論でいいでしょうか?

ChatGPT:はい、そのように言えます。魔法は科学技術のように再現可能性や検証可能性があるわけではなく、科学技術に比べ信頼性や有効性が低いとされています。しかし、文化や社会の中で、魔法が重要な役割を持つことがあります。たとえば、信仰や伝統的な信念に基づく治療法や儀式、あるいは芸術的な表現としての魔法の使用など、重要度が高い場面や状況があるかもしれません。したがって、魔法は技術としての重要度が低いわけではありませんが、その価値や有用性は科学技術とは異なる観点から考える必要があるかもしれません。

科学技術と比べるスタンスは最後まで崩すことができなかったものの、最初の全否定から考えれば一定の理解はしてもらえたようだ。今日はこのぐらいで弾きあげ、ここまでの議論に感謝を伝えることにした。

私:ありがとう。今日もとても良い議論ができました。

ChatGPT:こちらこそ、お話できてとても嬉しいです。何か他に質問やお話したいことがあれば、遠慮なくお聞きくださいね。

熱戦を交わしても、こんなに爽やかに挨拶してくれるのが彼のとても素晴らしいところだよね。

ということで、「魔法」に関する議論については、

結論:科学技術と比べて、再現性は認められないけれど、文化的、宗教的な観点を考慮すれば、価値は十分に認められる。

というところに落ち着いた。

だからどうした、という話であるが、こういうくだらないテーマについてさっと議論を始めて、後腐れなく議論を終われるところはChatGPTの素晴らしいところだ。

実際、今日はなにも仕事に関係ないテーマであったが、業務に関するテーマでも多角的にものごとを考えたいときの話相手として彼はとても重宝している。

音声アシスタントと連動して会話ができるようになったら、良い話相手になるだろうなと思うと今からとても楽しみだ。

まだ、ChatGPTを使っていない方は「こんな楽しい使い方もあるんだ!」ということで一つ覗いてみてはいかがだろうか?(僕は有料登録しているが、この程度の使い方なら無料でまったく問題ない)

・・・今度は超能力の有無についてでも語ってみようかな。

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