【下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる】?≪自衛隊ばなし≫
🔫少し解説します
🎯←200メートル→🔫
自衛隊のライフル射撃「訓練」では【的】と射手
(射撃を行う人)の距離は200メートルです。
細かい計算式は省きますが、照準が1度ずれると
100メートルで1.7メートル誤差が生じます。
🎯← 100メートル→ ↖1.7m・・🔫
200メートルだと3.4メートルズレます。
🎯← 200メートル→ ↖3.4m・・・・🔫
照準がイエティーなみの巨人に当たっているなら
【身体のどこかに当たる】かもしれません。
わずか1度でもそのズレは大きなものになります。
射撃訓練も仕事の一部としてで演練を続ける自衛官
=プロフェッショナルにとって死活問題です。
🔫射撃精度・・・天国or地獄
ウクライナ紛争に従事するロシア、ウクライナ
双方の兵士には射撃の精度はまさに【死に直結】
する事態です。
そんでもって・・・1年に一回か二回だけ射撃
する小生のような元オンボロ自衛官にとって1度
のズレは大きいのかといえば・・・・
そうでもありません。
【ガクびき】※というちょっとした操作ミスで誤差は簡単に発生します・・・3度や4度は!
退官前数年間は【幹部自衛官もどき】として拳銃
射撃しか訓練していなかったため、ライフルを最後に撃ったのは10年以上前です
訓練用の弾でも射撃の反動は驚くほど強力で射撃後数時間は余韻が残っていました。
また滅多にやらない訓練なので、射手や周囲の警戒
にあたる隊員も緊張感たっぷりのカチコチ状態でまさしくカオスです。
🔫海上自衛隊の【小銃射撃】
海上自衛隊では『射撃員』という専門職種がいます。
しかし彼らは【小銃射撃】が専門ではありません。
小銃を専門は一部の隊員だけです。
【普通の海自隊員】にとって【射撃訓練】は
『特殊な行事』と位置づけられています。
アフリカで一緒に勤務した陸上自衛隊員は銃の扱い
に慣れ射撃も大変うまい
『どうすれば銃身をブレさせずに射撃できるのか』
若年隊員の頃から
『これでもか!』と叩き込まれます。
※昔は本当に叩かれて覚えていたそうです。
一方の海上自衛隊員は小銃に対し苦手意識が強い!
しかし【イザ鎌倉】となった時
『私は海自なのでライフルは詳しくありません』
といっても許してもらえないでしょう。
上手くはないにせよ、自衛隊員として最低限の知識
と技量が必要です。
練度を保つため『年一回は射撃訓練訓練』と
法規で決まっています。
でも・・年に一回しかハンドルを握らない運転者は
『ペーパードライバー』です。
海自隊員の大半は【ペーパースナイパー】です。
※スナイパーというより射撃経験者のレベルです!
入隊教育や各職種の学校では、結構な時間を割いて
『銃の分解整備・操作法・射撃』を訓練します。
銃に関する技量を習得するという実技面だけでなく
『お前たちが扱う武器はひとたび使用法を誤ると
どれほど危険な道具なのか』
知らしめるという意味を含んでいるのです。
🔫【ペーパースナイパー❓】
しかし『ペーパードライバー』と同じで1年に一回
の射撃訓練では、
新隊員の頃射撃が比較的得意であった小生も・・・
寄る年波と老眼には勝てません。
銃弾はほとんどが的の円内より外側に散らばって
・・・・中心には当たりません。
拳銃は・・・射距離たった30メートルで!
で・・・ありながら・・・ライフルよりもっと
当たりません。
悲しいほど【的はずれ】
🔫【下手な鉄砲は数撃っても当たらない】
期間を限って集中的に射撃すると訓練効果は絶大だ
というデータも存在しま・・・
どこで読んだか忘れました。
『昔取った篠塚』は
往年の名内野手の感をプレーヤーとして思いせるほど
訓練したから・・・いつでもどこでも
瞬間(rapid)篠塚復活です。
篠塚選手ならずとも、忘れていた感覚や操作法を身体が思い出す効果は練習をカラダが覚えてしまえば
再現率は飛躍的に高くなります。
射撃訓練後!
その時・・・だけ・・・訓練の必要性を実感します
・・・が・・・次回は『また来年!』です。
海上自衛隊が射撃訓練に熱心になれないい事情は・・・弾薬不足や予算不足・人員不足が原因です。
最大の問題点をふたつ上げると
①『近隣に射撃訓練する場所がない』
②『専従管理する隊員を割けない』
そういう事情が大きく作用しています。【財務官僚の悪口を言っている場合ではありません】
陸上自衛隊と異なり、海自の主要部隊は都市部や市街地にあります。
射撃専門集団の本業は
『ミサイル』や
『艦砲』
射撃訓練しなければ訓練の回数や技量は多職種の
隊員とほとんど一緒です。
🔫国民にとって海上自衛隊だって銃のプロ・・であってほしい
野球やサッカーと比較するのは的や照準がズレて
的はずれです!
しかしプロとは努力を怠らないからプロです。
国民の生命や財産を守ることは陸・海・空の自衛官共通の使命です。
『海自隊員が前線で射撃することは起きない』
という前提は
野球やサッカーの現役選手同様に
プロ失格のそしりは免れません。
プロフェッショナルのくせに
【射撃訓練をおろそかにする】のはまさしく
『お門違い』です。
銃の操作は誰でも出来ることではありません。
海自隊員も一応『銃器の専門家』です。
せめて半年か四半期に一回くらいは
『小銃射撃訓練』が実施できる程度の
『ひと・もの・かね』の余裕が必須ではありませんか?・・・・
いつまでたっても下手な鉄砲のまま放置していては
「いくら撃ってもあたらないけどなあ・・・・。」自衛隊最高指揮官の岸田総理・・・・どう思います。※元自衛官といえども政治に関与せず。削除します