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自衛官は反論できない!それでもアッサル温泉を目指す

アッサル湖はアフリカで最も低い場所
水面より百五十三ⅿ低い低地に広がる
五十四㎢の大きな湖
湖畔にはドクターフィッシュが
無償奉仕する温泉まである

アッサル温泉世界一

日本でアッサル湖と同じくらいの広い湖は
網走の能取湖
北海道にあるこの湖は冬季に当然凍る。

一方のアッサル湖表面の塩分濃度は34.8%
どんなに気温が下がっても
この塩分濃度※では凍らない。

 ※地球の通常地表気温限定
  もし現地がマイナス20℃くらいに
  なれば凍る・・・可能性はある
  ジブチがマイナス20℃になるなら
  日本はマイナス50℃・・・


ジブチでは観光資源が活用されていない

アフリカの小国ジブチで
一番の観光名所はアッサル湖だ。

アッサル湖は死海よりも塩分が濃い

湖水で精製した天然塩は
ジブチの数少ない輸出品である。


そんな極限の塩湖アッサル湖岸から
数十メートルしか離れていない場所に
淡水魚が生活可能なほど塩分が薄い沼がある。

だれが言ったのか不明だが現地の日本人は
【アッサル温泉】とこの湧水を呼んでいる。

流れ込む淡水河川が存在しないアッサル湖では
年に数度降る雨を除けば
この温泉が唯一無二の塩分濃度を下げる存在だ。

お腹の具合が心配な人にはおすすめできないが
少し舐めると温泉自体にはほぼ塩気は感じられない。

JICAの隊員は休日に
自衛隊隊員は勤務時間のスキマや
現地の史跡研修としてこの名所を見学する。

温泉に入る前には
「アッサル湖の浮力がどのくらい凄いか」
ほとんどの日本人は確認している。

体全体が塩漬けになり
乾いた体表面に塩の結晶が浮いている場合
塩分を洗い流せば角質は小魚の食料として
重宝される。
まさに一石三鳥である。

そう・・・

ウソのような本当の話

世界屈指の塩湖の脇に
Drフィッシュが大量に生息する沼が存在する。
誰も信用しないだろうが事実は小説や
小生のホラ話より怪奇である。

アッサル湖はジブチ市内から六十キロほどの距離
東京から成田市ほどの距離だ。

温泉に浸かるヒマがあるとは
【いい御身分だ】と
自衛隊員をネットでディスる前に
【外国派遣に派遣される自衛隊に休みは無い】
その事実を伝える必要がある。

非難は全部読んでからにしてほしい。

現地の自衛官には休日がない

半年以上一日も土日や祝日がない。

そういう試練に耐えるのが自衛官の務めだ!
と言われても・・・
自衛官も普通の日本人である。

夜中や早朝の仕事を終えた勤務明けの非番は
民間企業でも休日にはカウントしない。
あくまでも非番

それを休日だと解説した
テレビや新聞を信用するなら・・・
これ以上小生の駄文を読むのは時間の無駄だ。

現地の自衛官は本来徹夜明けで
身体を休める時間を利用して
細々と史跡や名所を研修する。

そうしなければ現地の風物や史跡に触れる時間が
存在しないのが現行の勤務体制だ。

そんな

わずかな外出時間

まで日本の一部マスコミの指導に沿って・・・
奪われたら・・・
メンタルダウン以前に
そもそも外国勤務を希望する自衛官など消滅する。

休日は取れないのに・・・
ジブチ拠点では
ほとんどの隊員には漏れなく
深夜勤務や
終日の当直勤務が
もれなくついてくる。

民間並みにとは言わないが
せめて明け非番の時間くらい
自由にさせて欲しい。

週刊誌にネタを売る輩や
ジブチで自衛官が遊んでいるなどと
密告めいた言動を掲載するまえに

自衛官は休日も遊びも禁止という根拠を
示してから批難してほしい。

制度の不備で自衛官は海外派遣で休日が消化できない。
休日を取れば手当が出ない・・・
予算消化や他隊員との差を生じさせないため
事実上海外派遣中は

「月月火水木金金」の勤務

となる。

勤務体制は派遣隊員が決めた訳ではない。
そもそも休みを取ったら手当がない!
というバカな予算を押し付ける霞ヶ関や
永田町の政治家の問題なのだが
活動に支障が出ては元も子もないので
自衛官はダマッテ半年無休で勤務する。

しかし現地の風景や人々と接触する機会まで奪ったら
人間として扱っていないことにならないか?

とある政治勢力やリベラルの方々は
自衛官の不遇には無関心だ・・・
彼らの趣旨に現職やOBが賛同しない理由は

「普段は人権人権と叫びながら・・・」

災害派遣や海外で勤務する自衛官の
勤務環境は・・・マスコミを含め
本当は知っているのに・・無視している
からだと・・・断定はしない。
ただ自衛官も日本国民である。

政治活動はしないが選挙に投票はできる。
ただ・・・それだけだ。

高性能ロボットが海外の拠点や
派遣自衛艦で勤務する日が訪れるまで
日本の安全は人間である自衛官が
担うことになる。

現状を改善しない与党や野党マスコミに
自衛隊員が疑心暗鬼になる理由がすこしだけ
ご理解いただけるだろうか?

ジブチ回廊は
エチオピアの首都アジスアベバと
紅海のジブチ市を繋ぐ道である。

初期の人類がアフリカで移動を開始した
道とも推測できる。
人類が石器という道具を初めて使用した
記念すべき地域だ。

休みを取ることもままならない自衛官が
スキマ時間をつかって現地の風物と
接触する機会まで奪うのは
人権無視だ。
ネット界隈で人権意識を声高に叫ぶなら
休みが取れない自衛官の人権も論じて欲しい。

塩まみれの自衛官を優しく慰めてくれるのが

アッサル温泉のガラフィッシュだけ

では誠に心許ない。

コトサラ人権を主張しても仕方がないので
自衛官がアッサル湖方面へ遠出する
本当の理由を述べてこの話を終わりたい。

1995年4月7日
アッサル湖へ向かうRN9で
青年海外協力隊の隊員が2名殉職された。
現地でフクザワ中学建設に尽力した職員である。

慰霊碑は自衛隊有志などの寄付によって建立された。
砂漠の荒れ地とは思えないほど
慰霊碑周辺は美観が保たれている。
定期的に自衛隊員がメンテナンスや
清掃を実施しているからだ。

ネットで【自衛官がアッサル湖で優雅に浮かぶ】
と蔑まれても※批判にさらされる現職の自衛官には
反論できない。

※ある日突然その投稿は削除されて現在は見れないが・・
 過去に投稿して削除された方は
 「なぜその投稿を削除したのか」
 堂々と訴えるべきだ。
 誰かを批判するのは両刃の剣だ。

自衛官は現職中SNSでの発信が規制されている

からだ。

自衛隊に好意的な雑誌で
拠点を入念に取材した記事が当時話題になった。
それなりの人数の目に留まったようで日本国内では
現地で【戦力回復休暇】が取れると
信じられていた。

休暇どころか休日も本当は取れないのに。
半日勤務して・・・
翌日の勤務に支障のない時間に
拠点へ戻ることを
世間一般には休暇と呼ばないのに・・・

マスコミに対する反論は現職の自衛官には困難である。
私たち賞味期限切れが反論するしか術がないのは
不公平だとは誰も言わない。

誰一人として

【定期的に慰霊碑を清掃に行っている】

と言い訳などしない。

往来の少ない道端にそっと並んだ二基の慰霊碑は
自衛隊員が定期的に訪問する以外ほとんど無人である。

日本から遠く離れたこんな寂しい場所で
忘れ去られるのは悲しい。

自衛官も人の子
この地で生涯を終えた日本人を想う時
危険と隣合わせの日常だからこそ

定期的な訪問こそが慰霊になると信じている。

アッサル温泉が人気観光地になったら
通り道の慰霊碑横で花屋でも営みたい。

花を育てる水源は近くに存在する。
ドクターフィッシュとわずかな動物に
迷惑をかけない範囲なら
温度は高いので熱帯の花が栽培できるだろう。

アッサル湖へ観光に訪れる日本人にお願いする。
行きでも帰りでも良いので
ピラミッド型の白い慰霊碑に立ち寄っていただきたい。
花は・・・
当分の間、ご自分で調達してほしい。

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