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インドアデブが初めて【富士山・御殿場】を登った話

去年の9月。
インドアデブは思いました。
山に登りてえな、と。

この頃は山を完全にナメていて、散々な結果となりました……。
そこから
装備を買い集め
経験を積み(安達太良・磐梯山・赤城山・三本槍岳etc)
ダイエットをして(記事当時からマイナス9kg)
禁煙をして(3ヶ月)
この度、初めての富士山に挑戦することにしました。

選んだのは、富士山の4つのルートの中でもベテラン向けと呼ばれる
御殿場ルート 歩行距離19.5km

登り始めて、まず思ったのは「登り難い!!!!」
足元を構成するのはいわゆるザレ路。踏み込むと足元が崩れて前に進めない。
そして、それが続く。ずっと、ずーっと続く。
これがしんどかった……。瞬間的なキツさではなく、精神的なキツさがあった。終わらないザレ路と、頭の見えない終わり……なるほど、登山らしくはある!

ただ、やはり景色は凄い!
後ろを振り向けば、夏の雲が大きく顔を上げ、辺り一帯に草木もないので、薄っすらと霞みながらも街々が見渡せる。
途中、ポンポンと破裂音が続いていたのは、自衛隊が練習していた音なのかな?たぶん。

大砂走りを下りてくるグループから
「いまから登るの?ひゃぁー頑張って!」と
応援されながら、ひたすら足を進める。
そう。
この男、登り始めが少し遅かったのだ。本来は、余裕を持って10時頃から登り始めるらしいのだが
登り始めたのは、なんと約12時……。
だって、御殿場駅から登山口へのバスの本数少ないし、調べてたのが土曜限定の時刻表だったし、それにタクシーって五千円もかかるから躊躇しちゃうじゃん?タクシー使ったんだけどさ。けどさ。ねぇ……。
だが、ここで努力が実を結んだのか、先発グループをぐんぐんと追い抜かしながら、良いペースで登ることが出来た!
途中の山小屋・半蔵坊でコーヒー(600円)を頂き、再開!
と、思ったところを挫くように、ここで雨が振り始めました。私は、もちろん防雨装備は備えていたのですが、外国人のチャンネェさんがブルブル震えていて寒そうでした。
というか、全体的な印象として御殿場ルートは、日本人より外国人の方が多いイメージでしたね。

靄が掛かり、湿気が濃くなっていきました。
ここら辺で「もしかして……酸素薄いのか?」と思いつつ、疲れてるだけなのかと疑いながらも、ぐんぐんと団体を追い抜いていきます。
心なしか、ザレ路も雨に濡れて歩きやすかったかもです。

振り向くと虹が!

虹が架かり、雨も上がり、2900mを超えた辺りで本格的に酸素の薄さを実感しました。

キツくはないんです。
瞬間的なキツさだけなら、いままで登ってきた山々には敵わないでしょう。
ですが、なんか……キツいんです。じわじわと喉輪を締められるような、手足に枷をつけられている感覚。スタミナの切れも早くなっていきます。登っても登っても景色は変わらず、山頂にも雲がかかってゴールが見えない。

嬉しいことに、私にはある程度の耐性があったみたいですが
道端で座り込み、とても辛そうにしている方々がチラホラと増えてきましたね。

雲が近い。テンション爆上がりでした。
自然の雄大さに沁み沁みしながら登ります

そして、ついに一泊をする山小屋に到着。
標高3100m わらじ館
山小屋利用に関する説明を受け、入小屋し、夕食の時間まで外で雲を眺めていました。
アメリカ人の兄ちゃんと添い寝しました。

肖像権ごめんなさい。
夕食のカレーは食べ放題!!!

本来、私は御来光に興味はなかったです。
だって、太陽は勝手に昇るじゃないですか。彼、自分を見せびらかすことが大好きなんですよ。自惚れてんですよ。全く厚かましい。なーんてね。
ですが、館長さんの猛プッシュにより、私も観に行くことに!

アタックザックとヘッドライト(館長私物)を借りていざ!
登頂開始時刻は AM1:00
空には星々。山肌には小さな灯りが並びます。

登り途中、館長さんから借りたヘッドライトが電池切れ。スマホのライトを使って登りました。
グングングン登って、ついに先頭に立ったとき

星が綺麗でした。
上を向いても、誰かのヘッドライトが見えることはない。空には三日月。恐怖すら伴う星々の海。見下ろせば地上の星が並んでいました。
足元しか見えない。怖い。
けれど、進む足が止まらない。
十歩歩けば息が切れる。
けれど、体が前を向く。

地図が山頂まで残り200mを指したとき、とても悲しかったのを覚えています。
それほどに、素晴らしい道のりでした。自然に溶けて、闇に溶けて、言葉に代え難い体験でしょう。

そして
ついに
登頂!!!!!!!!

警備員さんの無線を聞く限り、御殿場山頂は僕が一番乗りだったみたいです!
しばらく、富士山頂会館の横のデカい岩で夜景を眺めていました。
目当ての御来光を観るために、通りがかったお兄ちゃんにスポットを聞いて移動。
(その兄ちゃんは三度登って全て御来光を逃していたみたいです)

待ちます。ひたすら待ちます。
これがね
寒い!マジで寒い!寒い!寒い!寒い!
雲出てくんなよお、と願いながら、待ちます。

そして
やっと
!!!!!!

綺麗でしたね!
人工の灯り。流れる雲海。白む空。地平線が紅く火照ったときは、思わず喉を鳴らしました。

そして、ここからは火口を一周です!
まずは旧観測所。
ここに富士山頂を示す石があるとかで、凄い並んでましたね……。僕はツーショットに興味ないので、ササッと撮っただけでしたが。

そこから、各神社を一周。
途中の山小屋で、外国人と間違われ「do it something?」と聞かれました。すいません……顔は濃いですが日本人です……はい……。

火口を周っていて、重ね重ね、富士山の高さを実感しました。ああ、本当に日本一高いんだなと……。

これ好き!

一時間ちょっとで、火口を一周して、いよいよ帰路に!
夜には見えなかった景色がグワッと広がります。
え……俺って、ここ登ったの!?
そう思うのは、下山あるあるでしょうか。
学生さんの団体とすれ違い、わらじ館にお別れを告げ、そして……待ってました

大砂走り

逆走してる変態もいた
見上げるとこんな感じ

走りました。
全力で猛ダッシュ!
いえ、止まれないんですよ、速すぎて。
数時間かけて登った標高を、いっきに無に還す背徳感。止まらない脚。大きな岩もチラホラ見えて、若干の怖さを感じつつ、それでも走れ!走れ!走れ!
まあ……転けて止まりましたが……。
そこからは、そこそこのジョグで駆け下りました。

最後の山小屋、大石茶屋ではかき氷を食べました。
水の状態変化がなんぼのもんじゃいと思っていましたが……美味いんですね、かき氷……。見直しました。

そして

下山!!!!!!

おつかれ山!!!!!!!!!

なんとなくで始めた登山。
「富士山?いつかは登りたいねえ」
そんなことを口にする方は多いです。
僕もその内の一人でしたが……。
どうですか。
登れとは言いません。
登ってほしいですけどね。

なにか、やってみませんか?

しょーもないことでもいいです。
やりましょう!

あわよくば山に登りましょう!

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