【この女は誰…】
ここは大町界隈にあるカクテルバー「Reiko」です。
おや、香織さんと教授は普通の会話に戻っていますが、このままでは終わらないでしょうね。
香織:そうそう、教授の知り合いの工藤さんでしたっけ? この頃来ませんね。
南田:なんだ、奴がお気に入りなのか? 香織さんは。
香織:とんでもない、大キライです! あの人、スゴくいやらしい目で見るんだもの。
南田:ははは、それは香織さんがキレイだからでしょ。男なんてそんなもんだよ。
香織:もう連れてこないでね。
南田:あはは、奴さんもう来ないよ、関東に転勤になった。そうだ、あいつもえらい目にあったんだよ、この前。
「やっぱり!」ということで、
香織さんのキライな工藤さんの「えらい目にあった話」とはどんな話ですか? 教授。
南田:実は工藤の奴、風俗大好きなんだよ。ラブホにホテトル呼んで、よく遊んでたんだ。
香織:やっぱりスケベオヤジなんですね、あのデブハゲ。
雅夫:香織さん、デブハゲってさ……
南田:ま、間違っちゃいないな。そのデブハゲの工藤が「もうすぐ転勤になるから、遊び納めの一週間にする」ってバカなことはじめたのさ。
一日目からわざわざ報告にきて、「昨夜チェンジしまくって、やっと五人目で好みの子が来ましたよ」なんて自慢してたんだよ。
「いい加減にしないと痛い目に合うぞ」って忠告したんだけど、聞く耳持たずで、三日目に悲劇は起きた。
奴の話だと、ラブホから電話して10分くらいでチャイムがなった。なんだか陰気くさい子が来たんだけど、よく見るとそれなりにかわいくて「今日は当たりかな~」って感じで、OKして部屋に入れた。
そしたら「先にシャワー使わせて」って言って風呂場に行ったんだと。それで奴さん、ベッドで横になってるとホテトルから携帯がきた。
「なにかな~」って思って電話に出ると「すみません、ちょっとトラブって遅れてます。もう10分くらいお待ちください」って言われてね。
「え!」ってなるじゃない「じゃ、今シャワーしてるのは誰なんだ?」って。
恐る恐る風呂場を覗くと、その女は服を着たまま、頭から水を浴びていたんだとさ。
工藤に気づくと「なぁに~」って、恐ろしい形相で睨んできた。
その恐ろしい顔を見て腰を抜かした奴さん、這い出すようにホテルから逃げてきたって訳さ。
「もう仙台には来ない。何があっても来ないから、教授も私を呼んだりしないでくださいよ」って言って、関東に行ったよ。あはは。
香織:あはは、身から出た錆びよ。女をバカにしてるから、そんな目に遭うんだわ。
南田:そうそう、香織さんの言う通りだね。あれだけ私が忠告したのにね。
さすがは教授、女性の怖さを十分認識されているようですね。
男性のみなさん、火遊びはほどほどになさった方がよろしいかと存じます。
もちろん女性の方もですが……
それでは、今回のゾクっとする話しはそろそろお開きといたします。
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