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【 明日、66歳の朝が始まる 】

私が66歳まで生きて、
言えることは、
結局自分は18歳のころから、
ほとんどなにも、
変わっていないということだ。
 
確かに知識は得た、
経験もたくさんした。
「そのほとんどは失敗体験だったが……」
 
だけど、
やはり私は私でしかなかった。
 
つまり私はいくつになっても、
その心の内側にある、
青年だったころの青臭い
自分として生きている。
 
もちろん今も、
そしてこれからも、
私はこうして生きていくだろう。
 
やがて命が尽きる、
そう遠くない未来まで。
 
たぶんなのだが、
こういう自分に気づき、
それを認め、
短所も長所も
すべてありのままに受け入れ、
共に歩む覚悟を決めることが、
自分らしく生きるということなのだろう。
 
もう一度、
人生をやり直せるほどの、
時間など残ってはいない。
 
鏡の中の老いた自分に、
「ご苦労さま、お前も歳をとったな~
 だけど、もう少し生きてみようぜ」
などと、呟いて見るのだが……
 
明日、66歳の朝が始まる。
 
 
 
作家の高橋源一郎さんが、
「大人になる」ということについて、
次のようなことを言っていた。
 
 みんな子どもなんだ、
 大人らしい振るまいが苦手なのは、
 当たり前なんだ。
 
 みんな大人じゃなくて、
 社会人になっている。
 
 みんなは社会人の顔をしている。
 これは大人と別です。
 
 大人の振るまいを、
 社会から教えられて、
 それの通りやっているだけです。
 
 
もっとだと、
この話を聞きながら私は思った。
自分だって、
そんな大人の一人のくせにだ。
 
あなたはどう思うのだろう……
 

身体が大きいから大人なのか?
身体がまだ小さいから、子どもなのか?

そうではないと、
私は思う。


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