見出し画像

“お世話“を間引く、タイミング

子どもが成長するにつれて、”お世話”を間引いていくタイミングって難しい。

現在の子どもたちにとっては不要なのに、母親側(わたし側)が必要だと思い続けている“お世話”。
この“お世話”を間引いていくタイミングは難しいなと思う。

例えば、寝るときにそばにいるという“お世話”がそうだ。

先日、夫が海外出張で、10日間ほどワンオペで過ごした。コロナ禍で久しく見送られてきた、5年ぶりの海外出張だった。
出発前は、「あぁ、この10日間は疲労困憊だろうな」と覚悟していたものの、終わってみると想定以上に楽だった。というか、むしろ、楽しかった。

家事は最低限。
食事は、夫が行きたがらない、回転寿司やファミレスで済ませる日もあった。
夫不在の期間を楽しむことができるほど、子どもたちは成長していた。

しかし、いろいろ工夫をしても、ワンオペでは、いつもの就寝時間までに、洗濯や片づけを終えることができなかった。

「一緒に寝るために、早く終わらせないと!」と焦りながら作業を進めていたのだが、
上の子が「おやすみー」と寝室から挨拶をしたかと思ったら、
下の子が「ママ、寝るね、おやすみー」とハグをしに来た。

まさか、自分たちだけで眠るのか?と思いながら、数分後寝室を見に行くと、しっかりと布団をかけ、目をつぶっている兄妹の姿を目にした。

早く寝かせなくては!と、焦って家事を終わらせたり、習慣化したいが全く出来ていないストレッチを早々に切り上げていたのは、ほんの数か月前のこと。

ぐっすり眠る子どもたちを見て、「嘘でしょ?」と思わず声が出てしまった。
母親である私側のアップデートが、子どもの成長に追いついていないなと感じた。

“朝は、子どもたちより先に出発できない“と感じていたこともそう。
先日、子どもたちより自宅を早く出て、出勤する必要があった。
以前、玄関前でひどく泣かれたことを思い出しては、子どもたちの顔色と出発のタイミングをうかがっていたのだが、娘が「ママ、お仕事頑張ってね!」と明るく見送りに来た。

「嘘でしょ?」という動揺をひた隠しにして、「いってきまーす」とおちゃらけて返す。
そのまま自宅を出たが、泣き声は聞こえなかった。
朝の早い時間には、なるべく会議を入れないようにしていたのだが、もうその必要はなさそうである。

息子が、習い事にひとりで行きたい、と言い出したこと。
娘が、工作を手伝わないで、と言い出したこと。

絶対に欠かせないと思っていた”お世話”は、日々成長する今の子どもたちには不要だった。
少し寂しい気もするけれど、不要になった“お世話”を手放すことで、“母親である私“も少しずつ解放される。

こうして得た時間的・精神的余裕を、本来の私を取り戻す時間に変えながら、
この先、どんなことにチャレンジしようか、どんな風にキャリアを重ねていこうかと模索できることは素直にうれしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?