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バイリンガルギョウザ【#毎週ショートショートnote参加作品】

社長が突然
商品開発部に提案してきた。

「バイリンガルギョウザの作成」
たしかに我が社の人気は、冷凍ギョウザ
そこを強みに新たな商品を、というのだ。

社長の案は、斬新だった。
材料である子豚に、様々な国の言葉を聞かせ続けたら、大きくなるまでには、かなりの言葉を覚える。
それを使用したら、食べた人がバイリンガルになれる、というのが社長のアイディアだった。
餌に栄養がある物が入ってる、はわかる。でも、この場合は「生育過程ばかりが気になり、食べたくない。」と社員全員に反対され、却下。

新たな案は、焼いている音に注目。2年後出来たのは、2種類のバイリンガルギョウザ

フライパンに水を入れる段階で
「うまーい、うまーい、グッド、グッド(英語の美味しい)」という音が聞こえるのが一つ。

もう一つは
「うまーい、うまーい、ブォーノ、ブォーノ(イタリア語の美味しい)」という音が聞こえる。

今後、さらに開発し、様々な国の美味しい言葉を、音に盛り込むそうである。


アレルギーっ子が主人公の絵本を出版し、それを全国の園児や低学年のお友達に読み聞かせをしたいという夢があります。頂いたサポートは、それに使わせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。