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【制作スタッフレポート】稽古ってどんなことしてるの…?

みなさま、はじめまして。稽古場レポートを書かせていただきます、制作補佐の瀧口さくらと申します。

前回の稽古場レポートでは、制作の視点から見た稽古場の設備や制作のお仕事をお伝えいたしました。

今回は、より稽古内容に焦点を当て、稽古場の「おもしろっ!」をお伝えしていきます!よろしくお願いします!

1月7日…『道化師』の稽古Day

9:30 稽古場Open!

稽古場の準備をしていると、「おはようございます」という声と共にスタッフや出演者がやって来て、稽古場が暖かくなっていきます。

10:00 振付稽古開始

稽古場ではさっそく、『道化師』ネッダ役の柴田紗貴子さんの振付稽古がはじまりました。振付助手の大山さんが見本になりながら、一つ一つ丁寧に振付を練習していきます。

左→ネッダ役の柴田紗貴子さん。手には豪華な扇子。右→振付助手の大山怜依さん。

おもしろっ!①

振付に関して、歌手の方は歌いながらの動きになるため、“歌いながらできる動きかどうか”が重要なラインになっています。振付の方も、もちろん気をつけてはいらっしゃいますが、やはり歌手の方にしかわからないことも多々あるようです。しゃがむより座るほうが良かったり、肩の上げ下げは影響が大きいから歌と同時は難しかったり…。とても興味深いです。

12:00 休憩

さらにスタッフが稽古場に入り始めます。
コレペティトゥア(稽古場での伴奏ピアニスト)も入ってピアノの音が聞こえ始めると、一気にオペラ感が増した気がします。生ピアノすげー!

13:00 全体稽古開始

コーラスの方々が集合し、全体の稽古が始まります。まずはコーラスの歌だけを練習します。30名ほどが集まるとそれだけで圧巻です…!

おもしろっ!②

副指揮の方からの発音指導について。例えば、「鐘をイメージした音を出すには、『タータ、ター』ではなく、もっとふわっと、『どぉん、でぃいんどぉん』って感じで、母音が長く、でも子音が消えないように」のような、わざを伝える言葉がたくさん出てきます。それを瞬時に理解し反映させるコーラスの皆さん、すごいです…!

おもしろっ!③

立ち稽古(動きながらの稽古)に入る前に、美術の模型を用いて、演出の上田さんから動きや流れの説明がありました。
どうやら自転車に乗ったりゴミを出したりするようで、自転車得意な人~や、我こそはゴミ出し得意ですって人~と募集をかけ、役割を決めていきました。

14:00 ネッダの振付稽古再開

全体稽古とは別の部屋で、ネッダの振付稽古を再開しました。コレペティトゥアの方は全体稽古にいらっしゃるため、また、稽古内容に歌唱が含まれていないため、瀧口はパソコンから音源を流す係として同行。

おもしろっ!④

ここでは、イタリア語の歌詞の意味と、振付が合致しない部分の解釈を深めていきました。
例えば、「Andante via(訳:逃げて)」という歌詞を歌っているのに、棒立ちのままでは動機がわからない…。もしかしたら、茫然としている?それとも別の感情が?
振付稽古であり、同時に芝居の稽古でもあるのがよくわかりました。

16:00 全体稽古に戻る

なんと急遽、コーラスの代役として 立つことに!楽譜が読めない瀧口ですが、歌わずに立ち位置と芝居のカバーをさせていただきました!
ダンサーも稽古に加わり、さらに稽古は加速していきます…!

18:00 ダンサー稽古開始

コーラスの方々が去り、ここからはダンサーのみの稽古が始まります。1時間という短い稽古の中で、一度の通し稽古をしっかり成功させる集中力はやはり感動します。

ダンサー稽古の様子。

19:00 稽古終了

スタッフの方が細かい打ち合わせをし、全員稽古場を後にしていきます。今日もお疲れ様でした!

さて、稽古内容にたくさん触れてきましたが、本番でどうなるのか、それはまだ誰にもわかりません。これが舞台芸術のおもしろっ!の一つだと私は思っています。ぜひ、劇場に足を運んで、その目でお確かめいただけたら幸いです!

文・瀧口さくら


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