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会社は面接を舐めるな!

無くなったはずの案件がさらに大きくなって戻ってきました。嬉しい反面、急に忙しくなり「1週間に一度は記事を書く」というのは実に難しくなりました。記事って読むのは簡単ですが、書くのは本当に時間がかかりますね。定期的に記事を書いてる人、尊敬します。さて、今日は採用面接について書きます。いきなりですが、私の経験上、有効な面接をしている会社は殆どないでしょう。少し具体的に言えば「客観的な評価項目と評価軸で面接をしている会社」は殆どないでしょう。100社のうち95社はなんとなく雰囲気で面接しているだけだと思います。知り合いの人事部員に言ったたら確実に怒られますけど、それでも言います。この状況は中小企業だけでなく大手企業、日系外資系問わずに同じだと思います。面接には会社や部門、職務内容に必要とされる能力や行動に基づいた評価項目、それをA、B、Cや5段階の評価基準を定めた面接評価シートを使用し、面接官が面接で聞き取った内容をこの評価シートに落とし込みむのが普通です。例えば「コミュニケーション能力」は「十分ある」「ややある」「ある」「やや不足」「不足」とかそんな感じです。その評価シートをもとにして、採用不採用を決定するのですが、「何故この候補者を合格(若しくは不合格)にしたのですか?」と面接者に質問しても「項目の多くが合格になっているから」と答えるでしょう。もっと突っ込んで「コミュニケーション能力が「十分ある」と評価されていますが、「ややある」ではなく「十分である」と評価した理由を教えてください。」と問うた場合、具体的に誰が聞いてもその違いを明確に理解出来る回答は返ってこないでしょう。それが顕著に現れるのが複数面接官での面接です。多くの場合、評価項目毎に評価もバラバラです。(ただし評価基準が曖昧でも、最終的に不合格とした評価はブレないことが多いです。)その理由は①何を評価するか、②評価項目の定義、そして③評価基準の客観性がない、そして④そもそも採用担当者に面接スキルが求められていないからです。


①何を評価するか

人が行動し結果を出すまでのプロセスは「思考や態度→知識・技術・能力→行動→結果・実績」です。同じ「コミュニケーション」でも「コミュニケーションを取ろうとする態度があるか」と「コミュニケーションをとる行動をしているのか」「コニュニケーションをとれたのか」のどれを評価するかで、面接での質問の仕方が変わります。


②評価項目の定義

「コミュニケーション能力」と一言で言っても多分、人により定義が異なるでしょう。私の「コミュニケーション能力」の定義は「相手の話を理解し、不足する部分や不明な部分は質問して確認し、自分の頭まで整理し、相手に対して自分の考えを伝えることができること。究極的には対話により相手との信頼関係が構築すること。」ですが、みなさんの定義とは違うはずです。違いは当然あって良いのですが、面接においては面接官同士で項目の定義が異なると、評価はブレます。というか、全く別の項目を評価していることになります。


③評価基準の客観性

(面接で3段階はないと思いますが)「良い」「普通」「悪い」の定義も具体的に定める必要はあります。一般的には「定量的な基準を基に評価すること」と言われていますが、定量的に評価できないことの方が多いのではないでしょうか。「コミュニケーション能力」について、定量的に評価出来るのはコールセンター、カスタマーサービス等で評価項目そのものが数値で管理されている場合等、極めて限定的になると思います。これを定性的で客観的な評価する基準を作成出来るかどうかは採用担当者次第ということになります。


上記の項目を持って面接評価シートを作成出来たことを前提としても、まだ面接の結果はブレるでしょう。その理由が④の採用担当者に面接スキルが求められていないからです。面接官には評価する項目を深掘りし、評価をするための情報を聞き出す技術が必要です。(別の話で書く予定ですが、社内調査で調書を作成する際の技術と同じです。)しかし、人事採用担当者の業務評価項目の多くは「人員数を充足させること」で「良い人材を採用すること」ではありません。人員数を充足させるのに大切なことは、応募者数を増や十分な母集団形成をすることです。面接の質を上げることとは別です。よって、人事の採用担当者に必要とされない技術を採用担当者が持っていることはないでしょうし、採用担当者から部門の面接担当者に研修等で面接スキルが伝えられることもありません。(これは新卒採用も同じです。毎年大勢の学生候補者を面接する企業では若手社員が面接を担当しますが殆ど適当です。当たり前です。通常、若手社員が仕事で面接することはありません。だから最近ニュースとなった「学生応募者が面接者を評価する」という企業が出てくるのでしょう。)この様な状態で面接を当てにするくらいであれば、適性テストの方がは遥かに価値があります。最近の適性テストは実に精度が高くなりました。会社として必要な項目を選択し、それにストレス耐性を加えた適性テストを実施することが、最も短期間で可能で効率的な面接の改善方法だと私は思います。適性テストを実施した上でも私はやはり面接は必要だと思います。面接が適当だと、会社の価値観に合わない人材を採用すると早期退職に繋がるリスクがありますし、それ以上に会社と揉める方を採用するリスクもあります。会社にとってはこれが一番怖いです。これらを考えて、自社で適切な面接が出来ているかを検証することは重要なことだと思います。検証方法と言うと大袈裟ですが。出来る面接官は聞き取った内容を書き出し情報収集し、その情報に基付いて評価しますので面接評価シートを参照したり、評価の理由に客観性があるか否かを判断すれば、あっという間にわかります。

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