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05 能登半島地震 ボランティア報告 七尾市 令和3月17日

3月17日に石川県七尾市に震災ボランティアに行ってきました。 1月1日の七尾市は震度6強を記録したそうです。


七尾市地図

 石川県からの要請で富山県が出したボランティアバスに応募し、40人が参加しました。 このうち女性は8人ほどでしたので2割が女性です。


県庁前に大型バス

 富山県庁前を6時50分までにバスに乗り込むと、防塵ゴーグルと間食とお茶の配布を受けました。 石川県発のバスと異なり、バスの座席や床もビニールで覆っておりませんでした。


支給品

 7時に富山県庁を出発。隣の女性は高山から車で3時間かけて来られたとのこと。 これまで富山県の小矢部市の災害ボランティアに参加したことがあるそうでした。 朝早かったためか車中寝て休んでおられました。 途中の道は補修し、舗装したての道路、壁や屋根が損傷してブルーシートをかけられた家は氷見市より少し多いように見えました。 ゆがんだ家もところどころ見かけました。


液状化で歪んだ道路も修復舗装

 途中の道路は段差があり、もとは亀裂や段差のあった道路を急ごしらえで補修したものと見て取れます。 途中トイレ休憩を挟み1時間30分ほどで七尾市のボランティアセンターに到着。 ボランティアセンターは下水が使えないのでトイレは工事用のトイレです。 トイレを流す時は写真左の青いプールからバケツで水をくんで汚物にかけて流します。


仮設トイレ

石川県側のボランティアバスで集められた人と現地七尾市で集まった人と富山県のバスで来た人合わせて合計120人ほどがガイダンスを受けました。 その後マッチングでトラック2台の運転手と合わせて10人のチームを作り、私が属したのは男性9人、女性は私だけのチームでした。 私たちのミッションは3軒の家を回って震災ゴミを運搬するというものです。 今までの氷見市や中能登町では4~6人で一軒だけを担当したので作業にも余裕がありました。 今回は10時から3時半まで昼休みを除くたった5時間で3軒もまわるというミッションに、今までのような心構えではいかんぞと気の引き締まる思いでした。


軽トラに災害廃棄物を載せる

 軽トラック1台と2tトラック1台、そして残る7人はハイエースに乗り込み現場に到着。 1軒目は2階建の古い家の家具を運び出します。 家主の女性とお孫さんらしき若い男性のお二人から話を聞きながら、不要な家具を次々にトラックに積みます。 ボランティア初めてという背の高い若い男性は手際良く荷台に積んで行き、上手にしかも荷崩れないようてんこ盛りに積み上げました。 それにブルーシートをかけて50代くらいの男性がロープで押さえて一丁上がり。 軽トラックには洗濯機や冷蔵庫などの家電を乗せます。 トラックが集積場を2往復してもらうと1軒目は片付きましたので、次の家に向かいました。 2軒目は納屋の割れたガラス戸や壊れた古い道具などをトラックに載せます。 こちらの家は2台のトラック1回分で済みました。


災害廃棄物運搬

昼休みは営業中のショッピングセンターの駐車場で休憩し、ハイエースの中で持参したパンをかじりました。 ショッピングセンター内のトイレは使用できず、近くの運動公園に移動してそこのトイレを使用しました。 あらかじめ使用可能なトイレのリストを渡されていますのでそれを見ながらトイレを探すのです。 午後からの3軒目は屋根から落ちた瓦が大量に散乱しているのを片づけるというミッションでした。 到着すると聞いていた感じと違って瓦は細かい赤い粒々にされて庭に敷き詰めた状態になっています。 避難所におられるというお婆さんがやって来て、大量の瓦を一人で細かく割り、庭にまいたのだと説明されました。 お爺さんは入院しているので毎日お見舞いに行っているとのこと。 気の遠くなるような作業をこのお婆さんは一人でしていたのです。 お婆さんがかき集めた残りの瓦や木くずなどを回収して庭を片づけました。


落ちてきた瓦を片づける

 さて3つのミッションを終えてボランティアセンターに戻ると1時半でした。 我々のメンバーはこんなに効率のいいグループははじめてで沢山仕事ができたと口々に言い合っていました。 はじめての方もいる割に、今まで私が経験したグループと比較して手際や段取りが良いように思います。 工事関係者が混じっていてトラックが集積場へごみを運搬している間に人力でどんどんごみを道路際に運ぶなど作業を指示。 昼食もボランティアセンターに戻らず3軒目行く途中のショッピングセンターで休憩するなど、時間的無駄がありませんでした。 また、トラックに積む担当の方も上手に積むので今まで私が経験した量の1.5倍積載できているような気がします。


ボランティアセンター

早くミッションを終えたので、他のまだ終わっていないグループの応援をするかもしれないので要請があるまで休憩して待ちます。 ボランティアセンターでは職員が各グループの無線や電話と連絡をとりあって指示をしたり、確認をとったり忙しそうにしておりました。 ほどなくして、集積場の仮仮置き場の応援を頼まれ、向かいました。 集積場は災害ごみを運搬する車が集中して渋滞します。 そこで七尾市では仮置き場を作り、集積場の一極集中を回避しましたが、すぐそこもいっぱいになったため、仮仮置き場を作ったのです。 私たちはその仮仮置き場に向かいました。 山のようにある家具をバラバラの木の板に分解するのですが、重機がないので大勢の人力で足で蹴ったり素手で破壊していました。 空のトラックが到着すると木くず運搬トラックに木くずを、電気製品運搬トラックは電気製品をというように分類ごとに載せていきます。 帰りのバス集合時間ギリギリまで作業しました。 3時半にボランティアセンターに戻り、最後に全員で挨拶をしてバスに乗り込みました。 バスを見送る人たちに向かってボランティアたちも手を振り、てんでんにスマホで写真撮影していました。


七尾市ボランティアセンターと別れ

さすがに今回は疲労が蓄積しました。 今まで氷見ではボランティアにけがや疲労が残らないように配慮し、仕事も1グループ1軒にしていましたが、それは少し余裕があったのかも知れません。 石川県に入り、震源地に近づくにつれて被害はひどくなり、ボランティアセンターの緊張感も高いような気がしました。 作業量も今までより多く、疲れがとれるのに2~3日ほどかかりました。 粉塵やアスベスト対策にも気を使っており、集積場への立ち入る人には必ず防塵マスクと防塵ゴーグルを装着したうえで作業してもらっていました。

夕方5時半に富山県庁に到着。 バスを降りて私は臨席だった同じグループの男性に「またどこかで会うかもしれませんね」と言って別れました。 ボランティア同士は共同作業するときは連帯感で繋がっていますが、別れる時は割とドライです。 特に連絡先を交換することも無くそれぞれ家路に向かいました。

七尾市の報告を終えます。

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