「メトロポリス」感想
手塚治虫、初期のSF漫画を映画化したアニメ『メトロポリス』。製作期間5年、最先端の技術を駆使し、総作画枚数15万枚を投入した本作がみせるのは、壮大なスケールで描かれた未来都市の姿である。
どのシーンを切り取っても画になるハイクオリティな作画はもちろんだが、手塚が原作で1ページを使って描いたモブ(群集)シーンを再現した映像はとにかく圧巻。緻密に描かれたリアルな背景とレトロな雰囲気を残した手塚キャラたちが融合することによって、温かみをもった世界が展開される。
物語は、文明の絶頂に達し感情をもつロボットを生み出すまでになった人類と、その先にある悲しみという原作のテーマを踏襲しつつ、オリジナルのストーリーを再構築する形で作られている。脚本を担当したのは『AKIRA』の大友克洋。監督は『鉄腕アトム』の演出もした、りんたろう。豪華スタッフの共演で実現した文字どおり超大作アニメである。(Amazon商品ページより)
手塚治虫、これを1949年に描いてるんですよ。インターネットない時代なんだよなあこれ。天才すぎる
あらすじ
夢中になって観てしまう
3DCGをふんだんに使用した美麗なアニメーションはもちろん、緊迫したシーンでも妙にコメディチックな音楽、息も付かせぬ展開。ほんのり暖かさのあるラブストーリー。
広大な地下世界で、火事に巻き込まれ、革命に巻き込まれ、陰謀に巻き込まれて……
間違いなくSF好きが描いたSFですね!
胸が躍ります。
「どうして人間は、物事の解決の手段に暴力を用いるのですか」
『分かっているんだ俺達も。確かにそこが問題なんだ、感情ってやつがな。
その振幅の中で少しずつ進歩するしかないんだ。それを肯定しないと、俺達は生きていけないのさ』
このシーンは……本当に……
人間とロボットの愚かさ、悲惨さを鮮烈に描き出す
この映画、全く容赦ないです。銃持ったら撃ちますし、バンバン裏切りますし、ロボットは奴隷みたいな扱いを受ける。
甘えのないストーリーが心を抉ります。
恐らく多くのSF作品に影響を与えたであろう傑作です。
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