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べっぴんさんを食す

台北東門駅近くにある「白水豆花」
知る人ぞ知る超人気豆花専門店。

豆花マニアの友人曰く、このお店では素材にこだわった超一級豆花が食べられるとのことで
「こりゃ是非とも一口拝みたい。」
といてもたってもいられずに、この度出陣して参りました。

なんとメニューは二つだけ
シンプルイズザベスト、少数精鋭の店はハズレがない。
せっかくなので「麦芽糖ピーナッツオリジナル豆花」と「麦芽糖ピーナッツココア豆花(タピオカ追加)」の両方を注文。

劇場を彷彿とさせる暗めの店内。
期待に胸を膨らませて待つ事約2分…
店員さんに運ばれて、いよいよ主役の登場です。



ってちょっとちょっと、美人すぎませんか?

うるうると透明感のあるルックスがスポットライトに照らされて神々しい…。

器の黒と豆花の白が織りなすコントラストに、パクチーの緑色がよく映えている。
陶器のように真っ白な豆花の上に盛られているのは細かく砕いた麦芽糖とピーナッツ。
琥珀色の黒糖シロップはひんやりと冷たく、タピオカは川底で瞬く宝石のように輝く。

羊は常々、豆花にはおもちゃ箱に似た「詰め込まれた楽しさ」みたいなものがあると思っていて、そのごちゃごちゃ感や味の変化を楽しむのが好きなんだけど、この豆花はいつものそれとは少し違った気品みたいなものを感じる。
おもちゃ箱というより宝石箱に近い。

豆花は冷んやり冷たくするんとした喉越しで、きめ細やかで、口の中で解けていく優しさ。
うんうん、私の好み。
聞くところによるとこのお店は凝固剤として、台湾の海洋深層水で作ったにがりを使用しているそう。どうりで巷でよく見るアガーやゼラチンで固められた訳のわからないちんけなくそまず豆花とはレベルが違う。
寒天と絹動物が全く違うように、凝固の原理が違うから手間暇かけてにがりで丁寧に作られたものとそうでないものは一口瞭然。
人間と同じで、なんでもそれっぽくなりゃいいって訳じゃないのだ。

すくってみるとこんな感じ!

麦芽糖のカリカリ食感とピーナッツの香ばしい香りが豆花と相性バッチリで、あっさりしているけれどもコクのある美味いスイーツになっている。

タピオカはよくあるゴムのようにかみごたえのある物とは違い、殆ど弾力がなく、一口ずつ確認しないと口に入ってることに気づかない。
この主張しすぎずに脇役に徹してる感じがバランス取れててちょうど良い。

仕上げに端っこのパクチーを齧ると、
パクチーのあの独特な香りとピーナッツの香り口の中で踊りだし、優しく透明感のある味にパッと奥行きが出る。

芸術作品の完成だ。

日本ではあまり知られていないが、実はピーナッツ菓子にパクチーの組み合わせは台湾ではよく使われる。
中でも1番有名なのは宜蘭の花生捲冰淇淋 ( アイスクリームにパクチー、ピーナッツ飴をトッピングして小麦粉で作った薄い皮で巻いたもの)で、このお店もそこからインスピレーションを受けたんだとか。 

西欧でいうミントのように、シンプルな甘さにハーブの香りを加える事で飽きずに食べ進めることができ、口もすっきりさせてくれるのだ!

ほんと台湾人天才。


美味しすぎて、息つく暇も無くものの10分でペロリと完食してしまった。

ココアもオリジナルも、味にそこまで大差はなかったけけど、どっちにしてもタピオカ追加がおすすめ。
人気店ゆえに結構並ばないと入れないが、これは本当に行く価値ありだと思う。
興味ある方は是非!

ではまた下次見!

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