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心の旅としての本と音楽

 表紙の看板、これまでの『おとなの絵本』から『音楽とスケッチのCafe』に掛け替えました。

 これは先日「みんフォト」に提供したイラストですが ↓

『カフェ・ポンテのテラス』遠景
(11月2日掲載)

 ま、こんなイメージの佇まいだと想像してください。
(このイラストは今のところ約30人のnoterさんが使用してくださったようで、お役に立てて嬉しい ^⁠_⁠^)


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 新装開店のご挨拶代わりに、ちょっとお洒落で心落ち着く小品を。

『修道院の庭にて』
作曲:アルバート・ケテルビー
演奏:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(ロンドン)


 noteを離れて、10日間近く本の世界を彷徨っていました。

 いつも同じ場所で同じ空気を吸い、同じ景色を眺め、同じような話ばかりを聞いてると息苦しくなるので、フラリと遠くに行きたくなります。

冬はサンルームのような書斎だけど…
夏はサウナ状態に(⁠*⁠_⁠*⁠)

 若い頃から今日に至るまでずっと、救いは読書でした。
 読書は「心の旅」。
 純文学からミステリーや絵本まで、外国文学から日本のラノベまで、宇宙物理学から古事記まで、雑食動物のごとく貪るように。

 今回も居ながらにして4千年前のメソポタミアやエジプトへ、19世紀末のサンクト・ペテルブルグへ、20世紀初頭のダヴォスの山上のサナトリウムへ、祇園祭の京都へ、秋の八ヶ岳山麓の別荘地へといざなわれました。

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 そういう意味では音楽好きも同じ嗜好に根ざしているのかも知れません。
 音楽に乗って心は17世紀バロック期のライプツィヒやローマ、18世紀のロンドンやザルツブルグやウィーン、19世紀のモスクワやチェコのプラハ、20世紀初頭のパリやニューヨークの音色の中に遊んでいるのですから。

 だけど、あまりにも居心地が良すぎると、精神だけは世界を彷徨いながらも身体は書斎から一歩も出ていない、というアンバランスで不健康な日々を送ることにもなりがちなので、要注意💦

本に囲まれてさえいれば
とりあえず幸せです…(⁠ ⁠˘⁠ ⁠³⁠˘⁠)⁠♥

 
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 ところで、冒頭の音楽の作曲者アルバート・ケテルビー(1875〜1959)

 一般に広く名を知られている人でありませんが、『ペルシャの市場にて』を作曲した人だといえば、頷かれる方もおられるのでは?

 彼もまた異文化との接触を好んで、アラビアから東南アジア、中国、日本の民族音楽をモチーフとして用いるなど、オリエンタリズムに基づいた異国趣味の色濃い曲を好んで作った音楽家でした。
例えば、これ。

ケテルビー作曲 
『日本の屏風から』( From a Japanese Screen)

 曲の中盤から「君が代」の旋律が現れて変奏されます。
 我々には違和感があっても、西洋人にとってのジャポニスムとはそういうものです。
 そうでなければ、ドビュッシーの音楽もモネやゴッホの絵画もまったく違うものになっていたはずです。