北八ツ@彷徨人

北八ヶ岳の麓に住んでいます。信州登山案内人、八ヶ岳地域。北八ツの記事が多目です。よろし…

北八ツ@彷徨人

北八ヶ岳の麓に住んでいます。信州登山案内人、八ヶ岳地域。北八ツの記事が多目です。よろしくお願いいたします。

最近の記事

南八ッ⑤爆裂火口壁

折り返し 横岳山頂、奥の院をゆっくり楽しみ下山の途につく。 登ってきた岩稜帯をゆっくりと、慎重に降りていく。 西側を覗き込むと絶壁の大同心の先には諏訪湖も見える。振り返って見る奥の院、風格のある美しきピーク。また来たいと思わせる素晴らしい山岳。 硫黄岳山荘からは硫黄岳への登りとなる。円い山頂の奥には夏のような青空、気持ち良い登りを楽しむ。 硫黄岳山頂から南を振り返る、赤岳を中心とした個性的な峰々。多くの登山者が憧れる八ヶ岳という山、今回の山行であらためてその魅力を再発見

    • 南八ッ④奥の院

      八ヶ岳第二の高峰 硫黄岳山荘から歩き出す、円い頂きの台座の頭を目指して登っていく。高度を上げるにつれて尖ったピークが徐々に大きく視界に入ってくる。 台座の頭のピーク下を通り過ぎ稜線に出ると正面に大きく現れる八ヶ岳第二の高峰、横岳のピーク。 横岳とは八ヶ岳最高峰、赤岳と硫黄岳の間にあり西側は絶壁、東側は大スロープの2830mの八ヶ岳第二の高峰。 三叉峰、石尊峰、鉾岳、二十三夜峰etc多くのピークを持つ岩稜帯の総称。 その最高峰が「奥の院」である。 奥の院 山頂の岩稜帯

      • 南八ッ③赤白の別天地

        大展望台 赤岩の頭に到着。 赤岩の頭とは硫黄岳から西に延びる尾根上のピーク、標高は2656m。 赤岳の頭、そこは赤と白の砂礫の織り混ざった不思議な場所。八ヶ岳主脈より西に位置するため主脈を望む大展望である。今から向かう硫黄岳のスカイラインの美しさもさることながら、八ヶ岳三高峰、赤白越しに見る赤岳、横岳、阿弥陀岳。天国とはこの様な風景ではないかと思える、美しすぎる息を呑む絶景。 硫黄岳 スカイラインを登りきり硫黄岳山頂に到着、山頂はなだらかで広い。いつも風の強い場所で

        • 南八ッ②峰の松目

          八ヶ岳の森 オーレン小屋から歩き出す。小屋から硫黄岳へは夏沢峠を経由する道もあるが今回は久しぶりに峰の松目を登るのが目的地のひとつのため赤岩の頭方面に向かっていく。 八ヶ岳らしい濃い樹林帯と美しい苔の道を歩いて行く。 南八ヶ岳と北八ヶ岳は正反対の山とよく表現される。 「岩稜帯の南に対して樹林帯と池の北」 「情熱的な前者に対して瞑想的な後者」 それが八ヶ岳の魅力でもあり、もちろんその通りではあるが標高2500mまでの樹林帯に関して言えばやはり同じ火山列、同じ山である。 南

        南八ッ⑤爆裂火口壁

          南八ッ①プロローグ        

          登山口の桜平へと向かう。凸凹の砂利道の運転。スタート前からすでに冒険は始まっている。 夏沢鉱泉へ 桜平から歩き出す、出だしは砂利、少しいくとコンクリートの車道歩きとなる。一般車ははいれないがこの先の山小屋まで車道が続いている。 登山靴での傾斜のある車道歩きはなかなか疲れる登りとなる。 30分程の歩きで山小屋、夏沢鉱泉に到着。 雰囲気のある大きな造り、外にはたくさんの薪。立派な山小屋の前で息を整え長丁場になる今日の行程を頭の中で整理する。 八ヶ岳の清流 夏沢鉱泉から歩

          南八ッ①プロローグ        

          彷徨記③影武者沢

          5月の雨の中、道なき道を下っていく。 小雨の稜線 登山道を稜線へと登っていく。稜線歩きを楽しんだあと山中へ入っていく。 稜線より一段下にけもの道があるのを知っている。まだ辿った事のないその道を辿り数年前名付けた影武者沢を降りる計画。 小雨と薄霧、冒険の雰囲気もでてきた中、けもの道へと向かう。 けもの道 けもの道は稜線より標高にして30mほど下をトラバースする形で続いていく。しっかりと踏まれたけもの道は見た目よりも歩きやすくスムーズに進んでいく。 道中、なにか硬いものを

          彷徨記③影武者沢

          朱色の山肌。

          稜線に近づくにつれその朱色は増えていく。6月に現れるカラフルな山肌。 6月の山肌 6月、晴れていれば山歩きが楽しい時期。 いつもの登山道を歩いていく。見事な朱色がところどころに点在している。 稜線に目をやると群生している朱の丘が見えてくる。 稜線に到着、群生している場所に行ってみる。斜面を鮮やかに彩る朱色のレンゲツツジ。新緑の草木とレンゲツツジ、6月にしか見れない美しい風景。 さらに後ろには八ヶ岳の山岳風景。 鮮やかな色彩 群生する場所に入ってみる。右も左も前方も一

          朱色の山肌。

          彷徨記②枯尾の峰後編

          続く苔の道 美しい苔の道を登っていく。苔で有名な白駒池周辺には約500種類の苔があると言われているがこの道沿いにも多くの種類がある。 また落ち葉の溜まった広葉樹が多めの森、針葉樹だけの落ち葉のほとんどない森。同じ森でも変化のある苔の道歩きは楽しい。 やがて稜線まで登りきると分岐となり枯尾の峰方面に行ってみる。 枯尾の峰 少し尾根を下った所にある平坦地、枯尾の峰。その名前から小高い丘を想像していたが下りの斜面途中にある展望台が枯尾の峰とわかる。 展望台からは硫黄岳方

          彷徨記②枯尾の峰後編

          彷徨記①枯尾の峰前編

          北八ヶ岳の静かな登山道を歩き出す。 知られていない峰 枯尾の峰(かれおのみね)あまり知られていないであろう名前。八ヶ岳に詳しい人であっても知らない人が多いと思われる峰。 登山口は唐沢鉱泉。唐沢鉱泉は天狗岳への登山口である。しゃくなげ橋を渡り西尾根経由で天狗岳へ向かうのだが枯尾の峰は西尾根合流から天狗岳と逆方向のため今は歩く人はほとんどいない。 しゃくなげ橋の下流にもう一本、無名の橋がありそこから大回りで西尾根に行く事ができる。推測であるがしゃくなげ橋からの登山道ができる

          彷徨記①枯尾の峰前編

          6月の桜。

          お花見 ザンゲ坂を登りきると見えてくる山荘。多くの登山者で賑わう将軍平、蓼科山荘。山荘前で出迎えてくれるのはタカネザクラ。 階段状の岩を登り蓼科山頂へと向かう。例年、登山道脇には残雪が残る6月初旬の山頂付近も今年は雪解けが早く残雪の姿はない。急坂を登りきり山頂ヒュッテが見えてくる、ここでも出迎えてくれる桜、美しい。 2500m超えの厳しい寒さに耐えた力強い咲き誇り。 八ヶ岳に初夏を告げる6月の美しき桜。 5月の蕾 少し前、5月後半にも登っている蓼科山。 この日見た

          5月の稜線。

          草原歩き ピークへと進んで行く、青空と新緑の歩きは気持ちが良い。 山小屋「アルビレオ」に到着。三角形が特徴の素敵な山小屋であるが現在は営業していないようで残念である。 ここから平坦な草原歩きとなる。稜線でもあるこの草原は牧場のような雰囲気で明るく広大で山歩きという言葉がピッタリの場所。 中の峰 草原歩きが終わると少しの下りとなる、下りきったコル地形を過ぎると次のピークへと登っていく。「中の峰」と一部の人が呼ぶ小ピークに到着。 ここからの展望がまた素晴らしい。背後には

          5月の稜線。

          新緑越しの峰々。

          新緑の森へ 緑の中へと進んでいく。 3月にはたっぷりと雪のあった森。 鮮やかな緑、力強い緑、個性あふれる様々な緑達に吸い込まれるように入っていく5月後半の森。 ゆっくりと歩く。空を見ながら、樹木を見ながら。 稜線から見る緑 森を抜け開けた斜面を登っていく。カラマツの濃い緑が美しい。上手く表現できない深い緑、春の新緑から秋の黄葉まで楽しませてくれるカラマツ、なんと素敵な木であろう。 稜線まで歩き景色を見渡す、5月の山は美しい。 青空に際立つ蓼科山の山容、いつ見ても美し

          新緑越しの峰々。

          秘境、雨漏り日陰の湯。

          北八ヶ岳山麓、信州奥蓼科に知られざる秘境があるという。 「雨漏り日陰の湯」 名前もユニークなこの秘境、地元の人ですら知らないと言われる場所。はたしてどんな秘境であろうか。 秘境中の秘境 その存在を知ったのは1年前、観光名所でもある長野県奥蓼科の御射鹿池に行ったときの事。周辺の案内看板に奥蓼科の名所として写真付きで案内されていた、その看板には名所の地図も書いてある。が、しかし雨漏り日陰の湯への道は記載されていない。 謎めいた秘境。興味が湧き調べてみる。 ネット検索で何

          ¥500

          秘境、雨漏り日陰の湯。

          ¥500

          美しき霧の森。

          その丘に行く道はない。あるのは獣道と大自然の原野。 雪の消えた森 冬、雪の上を歩き遊びに行く素敵な森がある。無雪期には行った事のない場所。 5月の雨の中その丘へと歩き出す。 濃霧の獣道を進む、一月前までは雪の積もっていた場所。雪が消え笹原となっている原野を行く。 晴れていれば素敵な風景のこの場所、霧の景色も幻想的で素晴らしい。 秘密の丘へ ここは北八ヶ岳北部、蓼科山への登山道のあるすずらん峠周辺。登山道を少し歩いた場所から獣道を進んだ場所。 笹の丈は思っていたより低

          美しき霧の森。

          北八ッの流氷。

          真っ白の世界 幻想的な美しい「白」の世界。到着した白駒池、濃い霧で一面真っ白。 神秘の湖を一周する。少し歩くときれいな山小屋、白駒荘に到着。夏は小屋周辺多くの人で賑わう山荘前もこの日は静かな白駒荘を通り過ぎる。池を見ると陸との境に残雪が浮かんでいる。 少し進み振り返ると白駒荘のボート乗り場の桟橋が見える、空も湖も真っ白な世界、ボートが空に浮んでいるかのような息を飲む光景。 北八ヶ岳の流氷 さらに進むと湖周りに多くの残雪がでてくる。その先へ進むとそこは流氷の世界。 湖

          北八ッの流氷。

          白駒池への道。

          4月終わりの小雨の日、麦草峠駐車場に車を停めて歩き出す。 久しぶりの場所 北八ヶ岳、白駒池。夏、秋の晴れた日ともなると大人気の観光スポットであり混雑必至の観光地である。 駐車場の問題もありここ数年、足が遠ざかっていた場所。 4月終わり小雨の天候のこの日、久しぶりに白駒池を訪れてみる。 北八ッの森 麦草ヒュッテを超え原生林へと入る。登山道には少しの雪が残りゆっくり注意しながらの歩きとなる。 北八ヶ岳らしい原生林の森、霧の白さが加わり幻想的な森を進んでいく。深い森、北八ヶ

          白駒池への道。