ヤングケアラー(の何を、私たちはケアすべきなのか)
僕はあなたに感謝します
小さくふにゃふにゃな僕を お湯で洗ってくれてありがとう
そのふしくれだった手の温度がなくては
三歩と歩けず立ち止まってしまう僕を
外へと連れ出してくれてありがとう
線路わきの金網ごしに
いつまでも 電車が走るのを見せてくれてありがとう
なんにも知らない僕をとなりに座らせて
お経の読み方を教えてくれてありがとう
おたふくみたいな顔をして笑わせてくれて
ありがとう
おみやげにプラスチックの日本刀を買ってくれて
ありがとう
でも
僕はいつのまにか 線路わき