見出し画像

『スウィングガールズ』 【2004年邦画】

【感想】2024年7月9日

部活シリーズ 第11弾 『スイングガールズ』
矢口監督「ウォーター・ボーイズ」に次ぐ青春キラキラコメディー。上野樹里さん渾身の演技。大好きな作品です。
今では、地方女子高生にとても失礼な作品かもしれない。この作品で、ジャズのことが好きになった。
個人的な意見だけど、ジャズって、人の気持ちを素直に音楽にしてるって、思うのです。では、また。 

【作品情報】

『スウィングガールズ』、2004年公開の日本映画。脚本・監督は「ウォーターボーイズ」を手掛けた矢口史靖氏。
東北片田舎の落ちこぼれ女子高校生がビッグバンドを組んで、ジャズを演奏する青春映画。キャッチフレーズはジャズやるべ!」。

ロケは山形県置賜地方を中心に行われ、セリフも山形弁(置賜弁)が使われた。
劇場上映は好調に進み、全国各地では次々とロングラン上演に突入。楽器店での管楽器の売り上げが数割ほど伸びるというある種の社会現象まで引き起こすなどといった当初の予想を上回る反響だった。

【あらすじ】

2004年7月、東北地方にある山河高校の落ちこぼれ、鈴木友子他13人の女子生徒は、夏休みの補習授業をサボるために、 野球の試合の応援に向かった吹奏楽部に届ける予定だった昼食の弁当を業者の代わりに届けることに。
列車(フラワー長井線)で寝過ごし一駅先の駅に降りてしまい、真夏日、線路を辿って目的地まで歩く羽目になるが、なんとか試合会場に辿り着く。届けた弁当を口にした吹奏楽部のメンバー達が食中毒となりダウン、緊急搬送された。この一連の騒動が地元のニュース番組に報道された。

弁当が足りず唯一食中毒を免れたシンバル担当の気の弱い吹奏楽部員・中村拓雄は、急遽次週行なわれる野球部の試合で応援演奏を行う吹奏楽部員に代わるメンバーを募集した。
集まったのはリコーダーしか吹いたことのない関口香織や、解散したロックバンドのギター担当、渡辺弘美とベース担当の山本由香など、吹奏楽には無縁の生徒たちばかり。野球応援の日、吹奏楽部のピンチヒッターとして強引に入部させる。

人数の都合上、ビッグバンドジャズなら組めると思った拓雄によって、1から練習をはじめた友子らは、次第に演奏の楽しさに目覚め、ジャズにのめりこんでいく。しかし、全体練習の最中、早々退院して復帰した吹奏楽部の部員らが帰ってきたため、あえなくお払い箱になった。
ジャズバンド仲間とも疎遠になってしまうが、どうしてもジャズを忘れられない友子と関口は、吹奏楽部が練習している音楽室の中で偶然出会う。その後、友子は近所の楽器店に行ってサックスを買おうとしたが、あまりに高価で、中古3万のテナーサックスを見つけ、母親にねだるが断られ、妹の愛用品を売り、何とか工面して目的のサックスを購入した。
ジャズバンドの仲間たちも中古品を買うために、スーパーでレジ打ち、試食品係、シール貼り担当に分かれてアルバイトを始め、小遣い稼ぎを始めるが、仲間たちは稼いだお金をブランド品のバッグ等に注ぎ込み、ジャズを諦めてしまう。
残った友子、関口、斉藤良江、田中直美、拓雄らはさらにアルバイトを続け、色々あって最終的には、イノシシ捕獲の報酬金で中古の金管楽器購入。

公園やカラオケ店で練習を始めたメンバーは、練習にふさわしい場所をなかなか見つけられず、カラオケ店で偶然出会ったパチンコ店店長に紹介され、パチンコ店入り口付近でスウィングガールズとしてジャズを演奏するが、あまりの出来の悪さに見物客と店長に追い払われる。

成り行きで小澤先生がジャズを教えてくれることになるが、実は小澤はジャズを聴くのは好きなものの、自身での演奏経験は一切なく、部屋で吹いていたサックスも、アドリブ演奏を模した単なるでたらめであった。生徒たちにジャズを教えるべく、近所のヤマハ音楽教室に通いはじめ、その時に指導された内容をメモした紙を頼りに、スウィングガールズを指導していく。練習が終わった帰り道、関口が音響装置付信号機の音楽がジャズであることを発見し、彼女らはジャズの本質に気付いていく。

その後、スウィングガールズとしてジャズ音楽が板についてきた彼女らを見て、吹奏楽の夢を諦めていた残りのバンドの仲間たちが、再度ジャズバンドに復帰し、スウィングガールズ(&ア・ボーイ)のメンバーが全員揃った。

2005年2月、雪が本格的に降り始める季節に移り変わり、スウィングガールズは東北学生音楽祭の広告を見つけ、ビッグバンドジャズで参加する決意をする。まずは音楽祭にエントリーするために演奏ビデオをとる必要があるため、一面雪に覆われた学校の屋上を用いて撮影を行った。指揮は小澤。応募用紙とビデオの郵送を友子が引き受けたものの、生来のずぼらさゆえに投函を忘れてしまう。

後日、吹奏楽部もコンクールにエントリーしていたことがわかり、既に返事を受け取っていると聞いた友子は、ようやく投函を忘れていたことを思い出し、慌ててビデオを投函するのだった。

一方、コンクールに向けて理容室で散髪し終えた拓雄は、ガラス越しに向かいのヤマハ音楽教室に、小澤がコソコソと入店していくところを見かける。教室でサキソフォンを習う小澤を見つけた拓雄は、皆がコンクール前に自信喪失することを恐れ、このことを内密にし、皆にはコンクール当日、小澤が来れなくなったと伝えるに留める。

ビデオを遅れてエントリーした友子だったが、後日、自宅に届いたコンクールからの返信には、応募多数であったため、出場権は先着順でコンクールには出られない旨が書かれてあり、雪の中、呆然とその場に立ち尽くす。

スウィングガールズたちがコンクールに向けて着々と準備を進めていく中、皆にコンクールに出れないことをなかなか言えずにいた友子であった。そして遂に、スウィングガールズたちは会場行きの列車に乗り込んでしまう。友子は皆のテンションについていけず一人離れて座るが、近づいてきた拓雄にようやく真実を打ち明ける。積雪のため、電車が停止した最中、拓雄は友子に代わってスウィングガールズ全員に打ち明けるが、当然ながら友子に対するバッシングが起き、その後、車内は静寂に包まれる。ちょうどその時、乗客のラジオからジャズ曲が偶然流れ出し、スウィングガールズはそれに合わせて演奏を始める。 そこに伊丹弥生先生が乗っている大型客用バスが停車中の列車に並列し、豪雪のため、出場キャンセルした東校の代わりに急遽繰り上げで参加できることになったスウィングガールズたちが乗り込んでいく。しかし、あまりの急な展開に、せっかく用意した揃いの衣装を列車の網棚に忘れてしまう。しかし取りに戻る時間もないため、彼女らは衣装を諦め、それぞれセーラー服、学生服で出場することになる。

一方、コンクールは予定通りに進行していき、山河高校スウィングガールズの演奏予定時刻が迫る。司会者がコンクールを締めようとした瞬間、外套を着込み、身体に雪を積もらせたスウィングガールズたちがステージに駆け込んでくる。会場には嘲笑とも言える笑いが起こるが、彼女たちは身体や楽器が冷え切った中、演奏の準備を始める。

【主要人物】

鈴木友子(テナーサックス)
:上野樹里
大津明美(テナーサックス)
:根本直枝
久保千佳(アルトサックス)
:あすか
岡村恵子(アルトサックス)
:中村知世
清水弓子(バリトンサックス)
:松田まどか
斉藤良江(トランペット):貫地谷しほり
石川理絵(トランペット):金崎睦美
下田玲子(トランペット):あべなぎさ
宮崎美郷(トランペット):長嶋美紗
関口香織(トロンボーン):本仮屋ユイカ
吉田加世(トロンボーン):前原絵理
木下美保(トロンボーン):中沢なつき
小林陽子(トロンボーン):辰巳奈都子
渡辺弘美(ギター):関根香菜
山本由香(ベース):水田芙美子
田中直美(ドラムス):豊島由佳梨
中村拓雄(ピアノ):平岡祐太

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?