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第1回宗教的マイノリティ理解増進勉強会の要旨|キーワードは「共感」

今年10月28日に「宗教マイノリティ理解増進勉強会」として、第1回の意見交換、ディスカッション等を行いました。

参加者は私、IAAP関係者、家庭連合2世の学生9名、カープ(大学生グループ)のスタッフ3名、家庭連合の壮年3名の17人でした。


趣旨説明

初めに私から会の趣旨説明をしました。以下がその要旨です。

  • 旧統一教会(家庭連合)について騒がれているが、その理由の一つに宗教、宗教マイノリティに対する日本社会における理解が不足している点がある

  • 日本では特定の宗教の信仰をもって、その信仰に基づいて生活している人たちは人口の数%ぐらいだろうから、そうした宗教の信者を「宗教マイノリティ」と捉えることができる

  • 宗教の信者が、日本の「大衆的な習慣や文化と違うからよくない」というのはおかしい

  • 違いのある宗教や文化と共存、共生するのが多文化共生社会

  • 厚生労働省が「信仰等に関係する児童虐待等のガイドライン」を発表したが、宗教への理解が欠けている

  • 解決策が宗教から切り離すというのは宗教虐待では

  • 宗教に対する理解、宗教マイノリティについての理解をどう進めて広げていけるか。進めていけば関心を持つ人たちが増えると思う

マイノリティについての一般論

次に大学のゼミで「マイノリティ」を専攻していたカープのスタッフから、「マイノリティ運動」についての一般的な説明がありました。以下がその要旨です。

  • 「マイノリティ運動」というと少数派が社会に対しても認めてほしいという運動を起こすイメージが強いが、その運動の矛先は既存の今の社会のあり方とか社会の構造や仕組みを変えようというところにある

  • マイノリティ問題で大切なのは、「宗教とか民族とか性別とかあらゆる差別や偏見はない方が良い、なくさないといけない」という点

  • それを支えている思想が構造主義。社会にはある枠組みがあり、その枠組みの中で人は生きているという考え方

  • 社会学とか過激なジェンダー派がいたが、ほとんどの人は多文化共生を一番のゴールにしていて、思想とか信条とかの影響受けない研究をしている

意見交換

以下はその後の参加者間の意見交換の要旨です。

  • 「差別のない共生共栄社会に向かうプロセスにおけるマイノリティ運動と考えればいいと思う」

  • 「献金とかがなぜ理解されないか、愛という概念が浸透していないからでは。宗教は愛から始まっている。それをどう社会に伝えるか。奉仕活動、ボランティアとか、社会全体に伝えることも含めて草の根から愛を伝えていくことが大切」

  • 「少数者への配慮だけだと窮屈になり限界がある。宗教に対する理解もそう。共感がポイントになるのでは。宗教もっている人ももっていない人も共感できるものを提示していく」

  • 「アメリカのブラックライブズマターと公民権運動の違い。公民権運動は肌の色に関わらず家族にという理想があったから多くの人々が共感して一つに。宗教もっている人もそうでない人もみんな共感できるものがあればいい」

  • 「心情文化、相手の痛みを共有する、心情は愛の根っこ。心情圏、思いやり。マイノリティとかマジョリティとか言う必要がない世界。感情共有社会とか。共感社会。思いやり社会。根っこは愛。そういう基礎作りが必要では」

  • 「その人が大事にしているのをみんなが大事にする世界。大事している心を尊重する、それが私たちが目指そうとしている世界かな。大事にしているものは何かに耳を傾ける。そこにハードルがある。宗教を持っているとか、性的マイノリティとか、カミングアウトと言われたりするけど、言う方も聞く方も、向き合うのを避けようという壁を感じるので、そのハードルを下げるというのが必要かなと感じた」

  • 「宗教2世として生きてきた感想。自分を少数派と思ったことはなかったが、迫害されていると思えばマイノリティかな。宗教のアイデンティティはある。自分の属性。宗教はあって当たり前だけど、数が少ないので言いづらい。宗教はあるけど人の生活と結びついているのが弱いという印象。自分たちが持っているアイデンティティは、これなんだよ、というのを肌で感じるのが重要」

  • 「社会にとって害があると思われると、マイノリティと認められず排除されてしまう。それがカルトになると思う。マイノリティから出発するしかない。日本では宗教に理解がないので。でも良心的な人は理解しようとしてくれる。僕たちが真の愛の価値観に基づいて、精神的な利を与えられる活動を一貫して続けていけば、少数から始まって良いと思う人たちが増えて、広がっていくと思う」

  • 「宗教は信仰と文化どちらもある。心情文化世界とか、そこから始まる踊り、歌とか、文化を音楽とか。いろんな人が見て、家庭連合がこれしているんだ、と知れば変わっていくんじゃないかと。献金問題とかで我々の人物像がつくられている。そういう偏見の連鎖があると思っていて、私たちは普通の人間だし、こういう文化を持っていると。文化を発信するのも効果的」

  • 「理想があるだけにそれに外れているのを受け入れられない傾向がある。私たちに共感力はあるか。クレーマーのクレームを真摯に聞いて改善する。愛を実践して、こちらも共感して相手にも共感する」

  • 「ジェンダーは外的だから分かりやすい。宗教マイノリティは内的で、直接は現れない深いところで傷ついているのがある。理論だけでは成功しない。LGBT(性的マイノリティ運動)が成功したのは経済がつながっているから」

  • 「同性愛者とか友達にいる。異性に向こうとしたけど結局は同性に向いていくという悩みがある。それを聞いて、これを否定できないなと。まずはそれを受け入れていこうと」

  • 「良心的な人の共感が強くなれば、共感する人が増えて宗教、良心的な人に広がっていけばいいものになるなという感覚がある。共感を呼べることができれば、今の社会の流れを変えて行けるのでは」

総括:キーワードは「共感」

全体の感想として、学生メンバーが予想以上に積極的に発言していたことに未来への希望を感じました。

参加者に共通していたのが「共感」でした。今後は「共感」をキーワードに活動を進めていければと思います。

今後は会の名前を作って、家庭連合以外の宗教関係者と対話や意見交換をして、一般向けの分かりやすい「論文」をまとめていくことができればと思いました。まずは6カ月後、来年3月くらいを目処にまとめたいと思います。

今後はSNSやブログで発信して多くの共感を得る事ができれば、と思うし、そういう中で関心のある方が増えれば、とてもいい活動になっていく感触がありました。

今後も随時発信していきますので、多くの方に関心を持って頂ければ感謝です。

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