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日本邦楽ロック名盤 第49選 DOOM『Killing Field...』

『ヘヴィメタル』というジャンルに興味がほぼない人間が激しく覚醒しダンスでロックしろ!と、音楽神が喜びの使命を授けてくれた和製メタルDOOMの”曲”とアルバムとは・・・?

ヘヴィメタルテクノどっちがロック?と問われれば間髪入れずテクノ!と答える人間が(筆者)例えば何かメタルを聞いても、いわゆる「全部同じ曲に聞こえてしまう」状態に陥りやすく、これを揶揄して『メタル様式美』とか言ってますが。でもメタルユーザーからすれば逆にテクノが全く同じに聞こえる退屈さを「テクノ様式美」と感じる人はいるはずでジャンルが水に合う合わないという感性の相違というのは確実にあるよなぁと思うんですがじゃあ自分はメタル全般ダメか?と、いうと決してそんなことはなくラムシュタイン(ドイツ)とか人間椅子とかアルバム聞くと明らかにヘヴィメタルを土壌にしつつも彼ら自身が一つのジャンルのような奥域が拡がる音楽性があって筋肉少女帯なんかその象徴だと思う。彼らはれっきとした色物・・いや「ノンカテゴライズ」なロックミュージックで今回のドゥームも常にその認識を持たれてる稀有な日本のヘヴィメタルバンドです。

1988年発表の『Killing Field...』ミニアルバムだが実質的なセカンド。

『ノンカテゴライズ怒(ど)ヘヴィー!』

・・と、まさしくCDの帯にかかれていたDOOMのアルバム『Killing Field...』は本来「スラッシュメタル」というジャンル認識されていた彼等が堂々『ノンカテゴライズ!』と言い切る新しいサイバーメタルな感じで、恐らくDOOM本来のヘヴィメタルなファンには全アルバム通して一番「困惑度」の高いアルバムだったと思う。それを象徴してたのが、この次のサードアルバムのライナーで解説担当してたある音楽評論家が前作の『Killing Field...』は「よくわからなかったが今回のサード『Complicated Mind』は、とてもよくロックしてるとわかる」とかなんとか書いてたくらいで。ちなみにサードは中身が『Killing Field...』とは真逆の普通のハードロックにしか聞こえずサイバーメタルを期待していた偽物メタラーオレ様はガッカリしたものです。偽物なんだからしょうがない(w)

例えばこれはアルバムのラストナンバー『Fence And Barricade』ですがこれだけ取り出して聞けばたぶん誰もメタルだと思わない。重い怒ヘヴィーリズムの不穏なギターが戦慄感を煽り不思議な不思議なコーラスがカブりながらボーカルが歌いだすと・・・あっと言う間にDOOMの異世界空間に連れていかれるという体験ができます(w)やはりこれは大英帝国イギリスに本拠地を置く当時のニューウェーブ音楽の持ってる創造性に近いと思う。メタル様式美の『動』の一本調子とは別世界の『動』と『静』の複雑な切り返しが1曲の中に何度も何度も表現される。これは1stからそうで、どう聞いても普通のヘビメタの範疇じゃない曲が幾つもあり、そんな超絶異空間を表現可能にしていたのが天才ベーシストだった(←これが誇張じゃないのはググればすぐわかる)故・諸田コウ氏の神域ベースプレイと、このアルバムに限って言えば繰り返し曲の合間に聞けるボーカル&ギターの藤田タカシ氏の色気の無い重低音ため息『あ”ぁ~~~・・・↓』神域メタルため息のおかげだと言い切れます。あと『あ”ぅ!あ”ぅ!あ”ぅ!』(w)

・・で、最初の1st。そもそもDOOMのデヴュー盤、インディーズから出てたファーストアルバムの『ノーモアペイン』の中のある1曲に私 岩正本は惹かれていました。その1曲のせいで次のアルバム(Killing Field...)出たら無条件で買うと決めてたほどに(それは自分には大正解だったわけですが)。

1987年発表の『No More Pain...』1stフルアルバム。

↑運命の曲『I'm Your Junky Doll』(チャプター3曲目)

この曲を初めて聞いた時から一体何度エアギターで机で座りながら踊りまくった!事か、時には我慢できずにイスから立ち上がりもした!他の曲には体はここまで反応しなかった!何としてもこの曲も贔屓(ひいき)するぞ

こうして日本の音楽業界を陰で牛次郎ちがう牛耳る日本ロック総合統合局の正本総統は再び勝手にデラックスCDを再発する!



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