CIAOからはじまる物語 1
挨拶をしましょう。挨拶は大事ですよ!なーんて、小学校や幼稚園でみんな教わることですよね?
フランスに行ったら、お店に入るときでも何でもまず、ボンジュール・・にこっと笑うのが大事ですよ~と何かの情報サイトで読んだことがある。
あ、いやいや、今日はイタリア語でした。Ciaoから始まったホントの話。
もうずっと前、私は、先輩夫婦に連れられてモルジブの島へダイビングに行ったことがある。モルジブは1000以上の島々から成り立つ国なので、一つの島自体はそんなに大きくない。
私たちがステイした島も歩いて5分ほどで一周できる小さい島。
だからホテルは一つ。そうなると、三食そのホテルで食事をとることになる。
数日ステイしていると、あ、今日もあの人たちいるなあってなんとなく覚えてしまった。
確か、三日目のダイビングの日。サメを見ましょうツアーだった。
ダイビング初心者の私は、おたおたよたよたのへたっぴいなダイビング。でも無事何とか潜り終えた後の船の中。
彼は、いつも船の先頭に一人で座っていた。
誰ともしゃべらず。
なんだかかわいそうになって、勇気を出して声をかけた。
「Hello」
振り返った彼の顔は、満面の笑み。よっぽど話したかったんだろうな。
英語の苦手な私は、同乗していた英語の上手な人に通訳してもらいながら話をした。
彼はイタリア人。そう。で、私の知っているイタリア語はciaoのみ。
だから、言ってみた。
「CIAO!」
彼は、ますます上機嫌になった。その後、彼は広告関係の社長だと分かった。
「あ~社長なんだ~。」
「shachou~」
彼は社長は知っていたらしい。
「私、今日初めてサメ見たんです。」
「Oh! I watched shark more big one,before」
かなんかしゃべったと思う。
夕食のとき、彼は奥さんに話していた。
「彼女は、サメを初めて見たって言ったけど、ぼくは、う~~んと大きいのを見たことがあるんだって言ったよ。」
そう笑いながら話す彼の顔は、とっても嬉しそうだった。
だからなのか、私が、
「イタリア、行ってみたいんです。」
というと彼女は、
「You have to go to Italy.」
と言ったのだ。名刺とともに。
たった一言、ciaoと言っただけで、その後私は、イタリアに行くことになった。彼らに会いに。
そして、不思議なショートトリップ付きのご褒美が。
注 このお話は、続きがあります。それは、また、後日。・・・いつになるかなあ。ふふふ
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