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風 大久保一久の優しい世界その3「おそかれはやかれ」

風のアルバム「海風」の久保やんの作品「トパーズ色の街」と「あの娘の素顔」を考察した結果、あの娘に惹かれている(僕)の視点からは、あの娘が何かについて悩んでいる状況が浮かんできました。

その悩みの内容が分かるのが、同じアルバム「海風」収録で、あの娘の視点で歌われた「おそかれはやかれ」です。

「おそかれはやかれ」

この曲はまさにあの娘の悩みそのものですよね。彼氏の気持ちが自分から離れていってる事実を淡々と語っています。「トパーズ色の街」で描写されたあの娘らしです。

「煙草をふかすその目も
何故か私を避けているね」

「二人でいるとき
週刊誌は読まなかった」

夏から始まった恋でしたが、秋の風が吹く頃に終わりを迎えている、そんな感じです。

「その訳を尋ねても
上手くかわしてしまうわ
ふと私のスカートを
風が吹き抜けるように」

二人の間を通り抜ける隙間風を彼女は感じているのでしょう。

それにしても「トパーズ色の街」では天真爛漫な少女だった彼女が、「おそかれはやかれ」では冷静に彼氏の事を見ている大人の女性へと変貌を遂げています。

「私があなたに選んだスーツ
この頃着ていないし」

「無精なあなたが髭も剃るし
靴だって磨くのも」

男は隠しているつもりでも女性にはバレバレなんですね。恐るべきは女性の成長速度ですね。

「おかしいね
おそかれはやかれ
わかるのに
かくしてるわ」

この娘は竹を割ったような性格なのでしょう、どこか割り切っている様な、諦めている様な雰囲気です。

「ただこれだけ
わかるのよ
あなたが遠ざかるのを」

でも、この歌詞の行間には彼女の辛さや寂しさを感じさせるものがあるんですよね。当時、私に大人の女性の魅力を感じさせてくれた曲です。

「トパーズ色の街」と「あの娘の素顔」のあの娘の今の心情を淡々と歌っている「おそかれはやかれ」。私にとっては大好きな久保やんの作品です。

画像は
ビンテージ感のあるオシャレバーでゴールドオブモーリシャスのロックのフリー素材 https://www.pakutaso.com/20200636153ibus-33.html
から引用させていただきました。

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