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あの人しかできないを、減らす

介護の仕事における「特定の人しかできない」を減らすことは非常に重要です。
私は、ある特定の人だけが特定の業務をこなせる状態を「属人化」と言っています。
この状態は、仕事の非効率化を招き、組織全体のパフォーマンスを低下させる原因となります。
属人化が進むと、他の職員がその業務を習得する機会がなくなり、結果的に業務の属人化がさらに強化される悪循環に陥ります。

介護職の中には、自分の仕事を特別視し、他の人に任せることを嫌がる人もいます。
彼らは自分の技術や知識を他者と共有せず、仕事を抱え込む傾向があります。これは、本人にとっては自己満足や評価の源かもしれませんが、組織全体にとっては大きな損失です。
属人化が進むと、その人が休んだり退職したりした際に、業務が停滞し、サービスの質が低下するリスクが高まります。

このような問題を解決するためには、属人化を防ぐ仕組みづくりが必要です。
まず、技術や知識の共有を促進することが重要。その時に、技術や知識を共有してくれた介護職に特別感が持てるようにします。そうすることで、技術提供を快くしてもらえる環境ができます。
また、定期的に外部研修へ参加し、自施設だけではない知識を吸収する場を設けることが効果的です。
併せて、マニュアルや手順書を整備し、誰でも業務を遂行できるようにすることも大切です。
こういう書き方をすると、必ず介護は人間相手だからマニュアルでは解決できないと言う人が出てきますが、最低限、皆ができる介護技術のマニュアルは必要です。

次に、技術継承の方法を整備すること。
一度にすべてを教えるのではなく、段階的に行うことで、受け手が理解しやすくなります。また、内容を記録に残し、後から参照できるようにしておくと、さらに効果的です。

これらの取り組みを進めることで、属人化を防ぎ、組織全体の業務効率を向上させることができます。
しかし、こうした変革には時間と労力がかかります。
特に、属人化によって自分の価値を見出していた職員にとっては抵抗感があり「辞めてやる」などの反発が起きます。
しかし、長期的には組織全体の利益となるため、粘り強く取り組むことが重要です。

実際に、私たちの組織でも属人化防止の取り組みを行いました。
その結果、自分の技術や知識を共有しない職員が退職するという出来事がありましたが、その後、組織全体の業務効率は向上し、サービスの質も向上しました。
これは、属人化を防ぐ取り組みが成功した証拠です。

今後も、介護の皆さんと協力して、より良い職場環境を作り上げていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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