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『君たちはどう生きるか』感想・考察※ネタバレ含みます。
※この記事は作品のネタバレを含みます。作品をこれから見て楽しみたい方は、ブラウザバックでお願い致します。
※以下はネタバレです。
ストーリー
舞台は戦禍の日本。主人公の少年・眞人は、東京で母を失い、父と共に田舎の屋敷に住む事になる。新しい家族となる義母の夏子と出会うが、彼女を受け入れられず、学校で友達も作れずにいた。ある日、屋敷の周りを飛び回る鳥・アオサギの導きで大叔父の塔へ足を踏み込む。そこに広がるのは、不思議な世界だった。
ざっくりお話するとこのような内容です。全ては明かさず、気になったポイントだけ触れてお伝えします。
・宣伝もパンフレットも出さないスタイルである今作
結果、さまざまなストーリーの予想ができ、直接劇場に足を運びたくなった方もいるのではないでしょうか。
おそらく、それが本作の狙いでしょう。
ーー「ただのアニメ映画で終わらせたくない」
宮崎駿監督のそんな強い思いがあったのかもしれません。
・アオサギとは何者なのか?
アオサギの正体は作中で語られていません。
突然、眞人の前に現れた謎の喋る青い鳥・アオサギ。ユーモラスな彼は、はじめは眞人を騙す嘘つきな存在ではあるものの、次第に協力し、眞人の心強い味方になってくれます。
彼が最後に残した「あばよ。友達」の一言が、とても頭から離れられません。学校で友達を作れず、新しい家族を好きになれなかった眞人にかけてあげた別れの言葉でもある台詞。
もし、その続きの台詞があるとすれば、こうかもしれません。
「友達ならここにいる。だからしっかり生きろよ」
私はそう感じました。
アオサギの正体は、眞人の道標なのかもしれないと思います。アオサギとの出会いが無ければ、眞人の背中を押してくれる存在はいなかったでしょう。
・作中に登場する白い生命体「わらわら」
その姿は大変可愛らしく、ゆるキャラのようにも見えます。彼等は人間の元となる存在として描かれており、熟すと天へ昇り、やがて人間としてと生を受けます。ペリカン達に食べられると、その時点で、人間になる道は閉ざされてしまいます。タイトルの『君たちはどう生きるか』と一緒に考えて考察すると、わらわらの設定には、生きていく難しさ、命の尊さ、生まれる事の素晴らしさも込められているのではないでしょうか。
・平和な世界よりも、後に滅ぶ日本を選んだ眞人
大叔父は眞人に「平和な世界を継いで欲しい」と頼みます。しかし、眞人は断りました。
何故なのかを考えてみます。私の考察ですが、平和な世界には本当の幸せは待っていないからなのかもしれません。また、眞人にとって、日本で生きていく事は、母の死を乗り越える事でもある筈です。最終的に未来を自分の力で切り開いていく勇気が生まれたからこそ、眞人にはそのような決断が出来たと思います。
色々な視点から考える事ができる素晴らしい作品でした。
それでは、また次回の記事で。
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