音速の鷲乗りα 33



〜防衛省某所〜


伊藤「はい、了解…出動待機に入ります…」pi

山中「隊長、情報本部からですか?」

伊藤「そうだ、我々に出動待機がかかった。」

山中「分かりました。早急に準備させます。」

伊藤「頼む…」

副隊長 山中真也3等陸佐
我が隊の頭脳、作戦の立案等を行う。
私の右腕だ。

まさか、我々に出動待機がかかるとは…上はそれだけ事態を重く捉えたのだろう…
今回の相手は、右翼、暴徒やクーデター集団ではない身内だ…しかも技研本部の人間ときた。
万全の体制で行かねば。
私は1人の男に声をかける。

伊藤「蘇我、技研本部の配置図を確認したか?」

蘇我「ええ、ここから狙えば確実に敵を仕留める事が可能です…。」

伊藤「今回は、お前たち狙撃班の力が必要だ。」

蘇我「了解」

蘇我伊織2等陸曹 元 特殊作戦群(SFGp)の
凄腕狙撃手(スナイパー)だ。アメリカ軍との合同遠征狙撃訓練大会で優勝するほどの腕前である。冷静沈着で標的を必ず仕留める。

嵐「隊長、俺たち突入班にも活躍はあるんですよね!?」

伊藤「ああ、当たり前だ。」

嵐「よし、お前ら!もう一度、突入訓練だ!」

突入班「おーっ!」

嵐 悟1等海曹 元 特別警備隊(SBU)の隊員で
中隊長であり。突入班長でもある。
彼こそ最強の突1だろう。

これが、我々SiCFである。
「標的を必ず制圧・殲滅」…
これこそ我々の流儀だ。

* SiCF = Special information Comand Force
   以降、「SF」と呼称
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〜防衛省内〜

羽入「柳本2尉、直枝2尉ですが…臨時勤務で空幕広報室の方に配属されてますのです。」

スズ〔広報室ですか?分かりました。羽入2曹は引き続き彼を監視してください。〕

羽入「分かりましたのです。」pi

まさか直枝2尉が空幕広報室に来てるなんて、思ってもみなかった。
ここ最近の彼の動向を探ったが、特に怪しい動きをしている訳ではない、寧ろ生き急いでいるようにも感じる…

羽入「あぅ…危険すぎるのですよ…直枝2尉」

そう呟きながら、僕はふと窓の外を見た。
その瞬間、背筋も凍るような気配を感じた。

羽入(な、何なんのです…誰かが僕を見ているのです……あぅあぅ)

恐る恐るその気配の感じる方向を双眼鏡を使って覗いた…しかし、誰も居ない。何だったのだろうか…
冷や汗が止まらない
 凄くやばいような気がする…

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〜都内某ビル高層階〜

男1「あの自衛官、只者じゃないな…」

男2「ええ、我々の気配に気づきましたね…」

男1「まぁ、良いさ…引き続き監視対象をマークし続けろ。絶対に逃すなよ」

男2「了解ッ」

我々の存在は一般の人間は勿論、同業者にも悟られてはならない…
それだけ、危険な任務なのだ。

男1「ん?何だあれは…」

男2「どうしました?」

ふと、誰かに見られた気がした。

男1「いや、何でもない。」(気のせいか…)

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〜防衛省情報本部〜

通信担当官「各チーム出動準備完了しました。」

矢矧「了解、そのまま待機させろ。」

通信担当官「了解、本部からSFへそのまま待機せよ。」

SF隊員〔SF了解〕ザザッ

スズ「本当に殲滅するのですか…?」

矢矧「柳本君…これはもう個人レベル云々の話では済まなくなってきている…誰かのクビを覚悟せねばならん。」

スズ「そのクビになるのが…本部長だと?」

矢矧「仕方ない、定年前のこんな老いぼれは現場には必要無いんだからな…」

スズ「そんなことありません!本部長は今までも身分を隠し、立派に職務を全うされてきました!それをこんな奴1人のために…クビ覚悟だなんて…理不尽です…」

矢矧「柳本君…分かってくれ…。」

スズ「しかしッ…」

通信担当官「SF出動待機中です指示を…」

スズ「部長ッ…私は…師である貴方がここを去るのは嫌です…」

矢矧「……」

こんな私の事を必要としている人がいる…
これからを担う若者の為にも決断する時か…

SF隊員〔ザザッ…本部、指示はまだか!?〕

矢矧「SFそのまま待機せよ…」

通信担当官「SF現状のまま待機、指示を待て。」

SF隊員〔了解ッ〕ザザッ

スズ「部長…ありがとうございます。」

矢矧「年寄りの最後の悪あがきだ…柳本君、
技研本部の人間の情報を全て教えてくれ!」

スズ「了解しました。まずは…室長の岡本1佐及び副長の鈴木2佐ですが、一緒に居ると思われます。工作員の情報によれば、某国の人間と接触する可能性が高いそうです。次に、主任開発官の太田3佐ですが技研本部に居ることが分かりました。各開発官及び設計担当官も太田3佐に同席していることを確認済みです。吉本2尉については自宅マンションにいる事が大崎2尉により確認されました。」

矢矧「了解した。上2人の某外国人に接触するというのが引っかかるが…よし、上2人の動向を探り外国人と接触したのを確認してから出動だ!SFにもそう伝えろ。」

スズ「了解!」
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〜都内某マンション〜

山中「A1 配置完了。」

蘇我「狙撃03配置完了…」

狙撃手「狙撃04配置完了」

伊藤〔了解、指示を待て。〕

山中「了解、待機する。」

隊員「中隊長、今回の標的は技研本部の人間なんですよね?」

嵐「らしいな、俺たちみたいに実働部隊ではないが…敵の規模が分からねぇ」

山中「しかし、油断は禁物だ何を持っているか分からん。とにかく待機だ…」

嵐「分かってます。」

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〜小松基地 アラート待機所〜

圭一「スクランブルだッ!」

結弦「分かっている!」

結弦と圭一はアラート待機室から一目散に自分の機体へと駆け寄った。

発令から5分後…2機はアフターバーナー全開で小松の上空へと消えていった。

神田「最近、スクランブル発進がやけに多いな」

坂上「ですね…今週だけで7回もありますよ。しかもその半分が韓国の航空機による領空侵犯です。何かあるんですかね?」

神田「さあ?分からんが…どちらにせよ良い
気分ではないな。」

坂上「ですね…」

コンコン

神田「入れ」

ガチャッ

柊甫「306飛行隊長 安村2佐入ります。」

神田「お、来たな柊甫。」

坂上「?何故、柊甫を呼んだんですか?」

神田「ちょっと知恵を借りようと思ってな。」

坂上「なるほど、例の件ですか。」

神田「そゆこと、てな訳で柊甫…」

柊甫「はい…何でしょうか?」

神田「ここの基地司令の動向を探ってくれ。」

柊甫「基地司令の動向をですか…?」

神田「ああ、俺の予想が正しければ…あの人が樹の死亡事故に関与している。」

柊甫「どういう事ですか?話が見えませんが…」

俺は陸に目で合図を送り。

カチッ

柊甫「何故…鍵を?」

神田「これから言うことは他言無用でお願いしたい、それとお前にも協力してもらいたくてな…すまんが、分かってくれ。別に煮て焼こうなんざ考えちゃいねぇから安心してくれ。」

柊甫「分かりました…」

そして、柊甫に今得ている情報を全て話した。
彼の顔は青ざめていた…。
しかし、任務遂行のために快く協力してくれることとなった。


    
       続く…
     
        

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