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フランス視察:女性暴力被害者支援センターのFNSF

女性に関する暴力被害者支援センターとして電話相談をされている
FNSF( Fédération Nationale Solidarité Femmes:全国連帯女性連盟)の視察に行きました。

年中無休、24時間体制の電話相談
「3919」の責任者、オーロール・ルシャさんから
お話をお聞きすることができました。
(1月1日、5月1日、12月25日の3日間はお休みとのこと)


左がオーロール・ルシャさん

FNSFについては、HPより以下の情報があります
https://solidaritefemmes.org/

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FNSFは女性に対する暴力、特に家庭内暴力に対しての支援を行うために、1970 年代の終わりに女性運動の団体を集めた組織を設立しました。

1980 年代の終わりに、FNSF は公的機関の支援を受けてコミュニケーション キャンペーンを開始し、1992 年には家庭内暴力の被害者女性のための全国電話相談 (3919) を創設しています。

家庭内暴力は社会的な惨劇と認識され、深刻な公衆衛生問題と捉えています。
女性の 10 人に 1 人は恋愛関係における暴力の被害者で(ENVEFF、2000)
フランスでは、3日ごとに女性がパートナーまたは元配偶者に殺されて亡くなっています(フランス内務省)。

家庭内暴力は子供たちにも影響を与え、常に直接的または間接的な被害者となり、ひいては社会全体にも影響を及ぼします。

FNSFでの私たちの使命は 2 つあります。

①女性の自由、平等、誠実さの権利を守り、女性が暴力から逃れて自立を達成できるよう支援する
②女性に対する暴力は、女性と男性の間の根強い不平等の現れの一つであると認識する

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これをふまえ、女性が電話相談をしてきた際にどのように対応をされているかをインタビューしました。

まず、スタッフは50人いて、
1人の相談者に対して2名のスタッフ体制で相談を受け付けています。
1名が対応をしていて1名は横で聞いている役割とのこと。電話相談が終わった後は、相談に対する対応についてディスカッションをするとのことでした。(潤沢なスタッフ、スタッフが適切な助言をしているかのチェック体制など、システムが十分確立している印象でした)


電話受付

1日の相談件数は平日は350‐400件。休日は550件‐600件。

運営費用は国からが80%支援、企業からが20%の寄付で賄っているとのことで、スタッフの給与はパリ市内で住むには少ししんどい月給なので
予算を増やすように訴えているとのことでした。

また相談時は、
「女性が被害を受けていることに気づいてない人がいるので
状況を認識してもらう」

「アクションはこちらが起こすわけではなく、情報を提供するのみ。
相談者の近くの相談機関を紹介する」

とのことで、
女性が適切な支援を受けられる施設、団体を紹介するとのことでした。

ネットワークが組まれている施設、団体は81団体あり、
また、3000か所以上の緊急、長期宿泊施設もあるとのことです。

女性が暴力の被害を受けても支援機関がこのように潤沢にあるのは
とても羨ましい状況と思うと共に
女性が強いと思っていたフランスでも
こんなに男性からの被害者が生まれるのだと認識し、
日本の女性の状況が気になりました。

FNSFに入るにはインターフォンを押します。
(鍵がかかっている)


インターフォン

インターフォン横には、
そこに住んでる方がいました。
(因みに、FNSFはパリ市内にあります)
危険地域だと聞いていたので、これまで行ったことがない地域でした。


FNSN入口




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