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ドキドキ&しっとりの『半妖のいもうと2』

 木曜はラノベ愛語りです…が、今回もライトノベルとは少し異なります。前回と同じ、蒼真まこ先生の作品紹介です。
 因みに、前回の記事は以下の通りです。

 今回紹介するのは、前回紹介した『半妖のいもうと~あやかしの妹が家族になります~』の続編『半妖のいもうと2~あやかしの妹におともだちができました~』です。
 1巻目で、「家族として頑張ろう」と決めた主人公の杏菜…ですが、妹くり子が保育園に行く様になった事で、思わぬトラブルが発生します。更に、そのトラブルに対応する中で、「母親代わりにならなくちゃ」と杏菜が頑張った事で、家族に思わぬ波風が立ってしまいます。
 今回の物語も1巻目と同じく、人間の世界→あやかしの世界と進んで行きますが、雰囲気は逆です。人間の世界ではトラブル発生でドキドキ展開となり、あやかしの世界ではしっとり関係性を構築していく事になります。
 おそらく、これは意図的な構成でしょう。
 1巻目では人間の世界が落ち着いていて、あやかしの世界が混沌としている感じでした。それが2巻目では逆になる事で、人間の世界が安全で、あやかしの世界は危険…と、単純に受け止められる事を避ける事が出来ます。同時に、人間の世界だって混沌としている部分はあり、あやかしの世界と何ら変わりはない…と言うメッセージを伝える事も出来ます。
 この辺り、蒼真まこ先生はねらって書いのではないか…と思います。そうであるなら、それは見事に成功していると感じました。
 そうそう、ちょっと横道にそれますが、人間の世界でのトラブル…私の仕事にも関係する内容です。どんな風に蒼真まこ先生が取材したかは分かりませんが、非常にリアルな展開でした。そのため、「あ~、こう言う保護者さんっているよね。保育園の先生、そんな対応してちゃダメっしょ」と、ブツブツ言いながら読んでしまいました。 (^o^)
 話を戻します。
 今回は1巻目以上に、主人公杏菜の成長が感じられます。もちろん、1巻目と同じく大きな成長ではありません。「小さな一歩」と言う感じです…が、人間の成長なんてそんなもんです。そうやって、主人公が地に足の付いた感じで成長していく様子が、とてもステキな作品だなぁ…と思います。
 最後に、今回は1巻目以上に表紙イラストが素晴らしいです。くり子がメインなのですが、幼児の前向きさ、ひたむきさ、健気さがメッチャ感じられるイラストとなってます。表紙を見ていると、それはもう、とっても癒やされるのです。
 この表紙だけでも、買う価値があると思いますよ。 (^_-)=☆

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