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構成が複雑な『蜘蛛ですが、なにか?』

 木曜はライトノベル愛を語ります。今回は、『蜘蛛ですが、なにか?』を紹介します。
 異世界に引き込まれる事故で、1学級まるっと異世界に転生させられてしまった、とある女子高生が主人公。事故の際に全員死んでしまい、主人公は蜘蛛のモンスターに転生してしまいます。転生先は地下深いダンジョンで、それはそれは恐ろしい、様々なモンスターと戦って生き延びなければならない、超厳しいサバイバルが描かれます。
 このサバイバル…本当に厳しい。主人公が転生した蜘蛛モンスターは、はっきり言って、ダンジョンの中でも最弱の部類に入ります。だから、ちょっとでも油断すると致命傷を負いかねません。
 実際、主人公は頻繁に「命懸けの対決」をしています。そのため、「うぉ~! このピンチ、どうやって切り抜けるんじゃ~」って感じで、私は作品に入り込んでしまいました。
 ただ、この作品、それだけではないのです。
 先程、「1学級まるっと異世界に転生させられて」と書きました。つまり、主人公の他にも転生させられた人がいる訳です…30人ほど。
 そのため(?)、主人公の話の合間に、同級生たちや教師の話が挟まってきます。普通の人間として転生した人もいれば、凄いスキルをもつ人間に転生した人もいます。中には、能力の高いエルフに転生した人もいます。
 これらの話が挟まると、主人公の悲惨さが際立つのです。大した高くないスキルと、冷静な分析力、ここぞと言う時の判断力や決断力を駆使し、「命懸けの対決」を何とか切り抜ける主人公…とっても応援したくなります。
 ところが、ところが、それだけではありません。
 私は、まだ2巻までしか読んでいないのですが、2巻の途中から「あれっ?」と思う部分が出てきました。主人公の話と、他の同級生たちの話との間に、微妙なズレがあるのです。「もしかして、これは◆◆◆がズレてるんじゃない?」って思いました(ネタバレになるかもしれないので、伏せ字にさせていただきました。ヒント…漢字三文字です)。
 予想通りだとすると、この物語、かなり複雑な構成となっています。これは3巻以降も楽しみです。

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