見出し画像

ある経験の大きな影響

 月・火曜は学校教育の話です。今回は、前回の補足みたいな内容です。
 みんながA級教師になれる訳じゃないのだから、B級教師でもイイじゃないか…というのが、前回のざっくりした内容です。詳しく知りたい方は、下の記事を御覧ください。 

 何で、そう考えるようになったか…それは、ある経験が大きく影響しています。それは、まだ私が若く、子育て真っ只中の頃の話です。
 その頃は教師としての力量アップのため、それはそれは猛烈に努力していました。そして、力量の高い教師でなければ、子供たちをまとめて良い学級にはできない…そんな風にも考えていました。
 ちょっと嫌な感じの教師ですねぇ。 (^_^;)
 その頃、私の子供の担任が新しくなりました。どんな方か興味があったので、もちろん4月の授業参観に参加しました。
 その担任の先生…まぁ、普通の先生でした。穏やかに話をする方で、子供たちへの接し方も柔らかい感じですが、やや指示や発問が曖昧です。ぐいぐい学級を引っ張っていく感じではなく、どちらかと言えば、おたおたしながら何とか学級を動かしているような感じです。
 今から思えば随分と失礼で申し訳ないですが、その時の印象を正直に書くと、「何だか頼りないな。学級が荒れないか心配だ」でした。
 ところが、その後の授業参観に参加しても、学級が荒れている雰囲気はありません。むしろ、とっても、まとまっている学級の雰囲気がします。
 子供の話を聞いても、学級の子供たちは仲が良く、担任の事も大好きで、なかなか良い学級という感じでした。
 それは何故か…妻と話し合い、到った結論は、「むしろ頼りない事が、あの先生の強みなのだろう」という事でした。
 ここからは私の想像です。
 担任の先生は穏やかで柔らかい雰囲気で、子供たちとの関係は良好ですが、学級をまとめる点では頼りない感じです。おそらく子供たちは、「先生は大好きだけど、ちょっと頼りないから、私たち(僕たち)が支えなくちゃ」と考えたのではないでしょうか。もちろん、意識的に考えた子は少数で、大多数は無意識に考えたのだろうと思います。そして、ほとんど全部の子供たちが、そんな風に考えたからこそ、この学級はまとまりのある良い学級になったのではないか…そう、私は考えています。
 つまり、ある学級がイイ学級になるかどうかは、必ずしも教師の実力とは関係ない…と言う事です。凄い実力が無くても、その教師の良さが子供たちに伝われば、イイ学級になる可能性はあるのです。
 この経験が私に、「みんながA級教師になれる訳じゃないのだから、B級教師でもイイじゃないか」と考えさせる、とても大きなきっかけとなったのでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?