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わたしは場面緘黙症でした
私は保育園に通っていた幼少期、場面緘黙症を発症しました。
※場面緘黙症とは不安障害の一つで、家ではよく喋る子どもが学校では喋らなくなるなど、特定の場所で話せなくなる症状を指します。
保育園時代の私は「声が出ない子」と言われ、周りから「なぜ喋らないの?」と聞かれるけど、声が出せないので返事もできませんでした。
次第に奇異な目で見られるようになります。
誰も一緒に遊んでくれません。ひとりぼっち。
『なぜ私は人前で話せないんだろう?』
自分が周りと違う自覚はあったけれど、なぜ話せないのかそんなの分かりません。人前で「話す」勇気が出ないのです。
そんなとき、家の本棚に7冊の本が積まれていました。
「間違えた子どもの育て方」
みたいな名前の本で、漢字が読めない当時の私でもすぐに自分のことだと気付きました。
『私がみんなの前で喋らないから、私のせいでお母さんが悩んでる』
母親はいつも優しかったけど、笑顔の裏ではとても悩んでいることを知りました。
いつか周りの人と話せるようになりたいな、、。
そんな気持ちを抱きながら過ごした幼少期でした。
小学校に上がる頃、周りの環境が変わるこのタイミングで人前で話せるようになるしかない!と幼い私が一大決心したことを強く覚えています。
最初はこそこそ話くらいの小さな声から始まり、徐々に徐々に、6年間かけてひとりひとりと話せるようになっていきました。
「今日はこの子と話す」という目標を決めて。
私は周りの環境に恵まれていました。話さないことでイライラされたり、仲間に入れてもらえなかったり、呆れられることもありましたが、殆どの同級生が優しく話しかけてくれました。
「さわちゃん、今日あそぼ!みんなで遊ぶから〜時集合ね!」と。
話せないので断れなかっただけなんですが(笑)
毎日誘ってもらえるのが凄く嬉しかったです。
それに「今日は○○ちゃんと話した!」と母親に報告すると、凄く嬉しそうに笑ってくれるから。私が話すとこんなに周りは喜んでくれるんだ、と前向きな気持ちになりました。
場面緘黙症は当時知られておらず、母親や周りを不安にさせ、ことばの教室に通わされたりもしました。
しかし言語に障害がある訳ではなく、ただただ本当に繊細で周りの視線に不安になりやすいだけなのです。
周りから誘ってもらえたら嬉しいし、笑ってくれたらすごく嬉しいです。
話せない分本人は心の中で物事をよく考えているしいつも頑張っています。
急かすことなく、その人らしく美しく生きている姿を見守ってほしいと思います。
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