見出し画像

ICL手術を受けて

先日、視力矯正のためICL手術を受けました。
日本ではレーシックに次いで、近年手術を受ける人が増えているようなので、記録として感想や手術の流れなどを残しておきます。


筆者の視力について

筆者は大学入学後から視力の低下が始まり、2024年6月時点では両目で0.1を下回っていました。左右の視力に差はなく、日常生活は7割メガネ、3割コンタクトレンズというような生活でした。

ICL決断のきっかけ

筆者の仕事柄、衛生環境の悪い郊外や森林内での生活が多かったため、コンタクトレンズを装着することに抵抗感がありました。また、熱帯地域での生活が多いため、湿度が多い熱帯環境では、メガネが曇って非常に深いでした。
 そんな時に、友人から視力矯正の話を聞き、興味を持ちました。周りにICLを受けている知り合いはいなかったので、すべてネットで調べた情報から、手術を受けることを決めました。特に、以下の点が決め手でした。

  • 長期的に見れば、コンタクトを使用し続けるコストを回収できる

  • レーシックと比較して筆者に適している(後述)

  • 何といってもメガネやコンタクトを気にしなくて良い!

レーシックとの違い

視力矯正を受けるにあたって、日本ではレーシックとICLのどちらかを選択できます。ネットには両方の治療法についての解説記事が多く存在しますが、筆者目線での分析(ネット+医師)を書いておきます。両方視力の向上は期待できますが、メリット、デメリットがあり、個人個人でどちらが適しているかを、医師との相談のうえ決めた方が良いですが、参考までに。

レーシックが適している人

  • 比較的低予算で視力矯正を受けたい人

  • 角膜に削れるだけの厚みがある人(要診断)、そして削ることに抵抗がない人

  • ドライアイじゃない人

  • 手術後の諸々のリスクを避けたい人

ICLが適している人

  • レーシックより費用が必要でも問題ない人

  • 角膜を削らず、可逆性のある手法を採用したい人

  • ドライアイの人

  • 内眼手術と術後の感染症のリスクを許容できる人

筆者は、眼に対する手術だったので、予算でレーシックとICLを比較することは避けていました。どちらの治療法にしても、コンタクトレンズを購入する費用がなくなるため、いずれ元は取れます。
 そして、ICLには可逆性(レンズを装着するだけなので、必要であれば取り外して元の状態に戻せる)があり、術後の定確率で発生する感染症リスクを踏まえても、長期的に見ればレーシックよりも安全だと判断しました。
 何よりも、筆者はドライアイで、目が乾きやすく充血しやすい体質でした。レーシックは、後遺症としてドライアイの症状が出てきてしまうことがあるそうで、レーシックを受けた友人もドライアイになったそうです。元々ドライアイを持っていない人にとってはさほど気にならないと思いますが、ドライアイ持ちの筆者にとってはこれ以上の乾燥は避けたかったので、ICLにしました。

手術までの流れ

2ヶ月前:診察・検査1回目

  • 電話で問い合わせをして事前予約

  • 病院では視力検査やICLを受けられるか検査と担当医師による簡単な診察を受ける

  • 手術に関する質問や懸念事項には丁寧に答えていただけた

  • 2回目の検査を経て手術とのことで、次回来院の予約を取る

1ヶ月半前:検査2回目

  • 来院前の1週間はコンタクトレンズの着用を控えるように言われる

  • 1回目よりも詳細な視力検査

  • 検査の中でさされた目薬の効き目が強く、その日1日は視界がぼやける(これが地味に辛い)

  • 担当医師による手術についての詳細な説明を受ける

  • 看護師による手術当日までの過ごし方や代金の説明を受ける

手術当日:手術台まで

  • 手術前日から消毒用の目薬をさす

  • 筆者が治療を受けた病院では、手術日は一般診察を休業しており、手術のみを行う様子だった

  • 筆者以外にも、5人ほど患者がいた。看護師の小話からは、この日は少ないようだった

  • 当日は、午後13時に集合し、1時間で4~5回程度目薬による消毒・麻酔を受ける

  • 消毒・麻酔完了後、待機室に移され、手術着(ちゃんちゃんこのような上着)に着替える

  • 手術室へ移動。物々しい手術道具や、映画やドラマで描かれる手術室そのままだった。緊張の面持ちで手術台へ腰掛ける。

手術開始

  • まず、笑気麻酔のために鼻に管を通される(痛みはない)。ガスを吸引することで、意識や感覚はあるがぼーっとした気分になると説明を受ける。最初、全くぼーっとしないので、ちゃんと管が通っているのか不安に思ったが、時間経過とともにたしかにぼーっとしてきた。例えると夢と現実の間の世界。

  • 念入りに眼球の消毒を行うようで、消毒液を浸した大きな綿棒のような道具で、眼球をごしごしと洗浄される。この消毒液がしみる。手術を通して一番痛み(というより滲み)を感じたのはここ。想像以上にごしごしと洗われるので、トイストーリー2のウッディーになった気分だった。

  • 眼を閉じたり眼球を動かしてしまわないだろうかと不安に感じていたが、どうやら固定器具のようなものを使用していた。目で見ていないため感覚ではあるが、鑷子で眼球を挟み込み、角膜の部分だけ円状に穴の空いたテープのようなものを眼球に貼り付け、固定していた。一応、閉じようと思えば瞼は閉じれるが、普通にしているだけでは目は閉じず眼球も動かせない。

  • 角膜を切る様子が見えるのではないかと思っていたが、視界は手術全体を通して非常にぼやけていて、光しか見えない。おそらく、前述の消毒やテープによるものだと思う

  • 医師から、「3秒だけ眼を閉じないでね」という言葉を時折聞く。おそらく、そのタイミングで角膜を切っているのだろうが、感覚はない。ぼーっと光が見えるだけで、痛みはない

  • 医師から「5秒眼を閉じないでね」という言葉とともに、レンズを入れた感覚を感じる。痛みはないが、目が押される感じ。

  • レンズを広げて位置を調整。痛みはないが、眼球内で物体が広がっていく感覚があり、不快感が強い。個人的には結構嫌だった

  • 手術は片目ずつ行われ、筆者は左目はほとんど何も感じなかったが、右目は上述の不快感を感じた。

  • 医師から「成功です」と言われる。涙が止まらず、視界もぼやけているので、つい本当ですか?と言ってしまった。手術開始から終了まで大体30分程度。

手術後〜帰宅

  • 待機室に戻される。待機室にはリクライニングチェアが設置されており、2時間程度休養しておくように指示を受ける。眼に細菌が入らないように保護メガネを装着する。眼に痛みはないが、視界がぼやけ、コンタクトを入れたときのようなごろごろ感を感じる。思ったよりも手術で疲弊したのか、寝不足だったためか、ここで爆睡してしまい、看護師や他の患者の前で醜態を晒してしまった。

  • 休養後、医師による診察を受ける。良好のようで、視力も1.5まで回復したと言われる。喜びたいところだが、まだ視界がぼやけているので実感はない。

  • 看護師から3種類の目薬を渡され、1日4回さすように言われる。この目薬、少し滲みる。

  • 治療費の支払いをし、翌日診察の予約をして帰宅

  • 個人差があるようだが、筆者は公共交通機関を使用して帰宅する分には、特に問題ない程度に眼は見えていた。

  • 帰宅後、指示通り目薬をさして就寝

手術後1週間

  • 術後3日間は、洗髪と洗顔ができない。休日前の手術が良いだろう。

  • 眼を手やタオルで擦るのもNG。目やになどは眼に触れないようにティッシュで拭き取る

  • 手術翌日の診察、1週間後の診察で経過観察

  • 保護メガネは化学系の実験室で使用する実験メガネのようなもので、非常に不恰好である。医師に聞いてみたところ、なんとサングラスでも問題ないとのこと。大切なのは、眼に者がぶつからないようにすることのようで、表面的に覆えてさえいれば良いらしい。

  • 手術後は光を見ると丸い輪が見えるハロー現象が現れるが、時間経過で改善されるようだ。このこともあり、光が眩しく感じるため、筆者は基本的に屋外や出先ではサングラスを、自宅では保護メガネを着用していた。

  • 目の充血や痛みなどはない。コンタクトを入れたような異物感が続くが、これも時間経過で改善されるらしい。

  • 視界はクリア。朝起きて、コンタクトをつけっぱなしで寝てしまったと勘違いする。

  • 筆者は眼にかからない程度の髪の長さだったが、髪が長い人は気を使うべきだろう。感覚的にも、眼に何かが触れるのはよくないことだとわかる。

全体を通して

全体を通して非常にスムーズで、丁寧な対応でした。医師、看護師の手際が非常によく、安心して治療を受けることができました。
 手術自体は、「痛みはないが不快感は強い」という感想です。例えるなら、目の裏側に入り込んだコンタクトレンズを、角まで回して戻すときの感覚でしょうか。
 術後経過としては、目のごろごろ感が少し気になりますが、それ以外は非常に良好です。やはり、いつでも視界が良好なのは良いですね。
 筆者としては、非常に満足な手術でしたが、今後何かあれば追記していこうと思います。この記事が少しでも多くの人のICL手術にとって参考になれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?