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平穏無事

家族で迎えるお正月。お重のお節料理。お屠蘇に酔って、炬燵で寝てしまう父。駅伝の応援に熱の入る母。他愛のない会話に笑いが弾ける。毎年、この季節が巡って来ると繰り広げられる馴染みの光景に、どこか安心感を覚える。

一方で、世界各地では、出口の見えない戦闘が続く。新年早々、立て続けに起こる震災や事故。あまりにも突然に、状況は一変する。生命の危険に瀕し、愛しんできた全てを奪われ、思い描いていた夢や希望を断たれ、言葉を絶する苦しみにある人々に、その一人一人の人生に、思いを馳せる。

平穏無事であることのありがたさが身に沁みる。一見いつまでも続きそうに思える日々の暮らしのなんと儚いことか。当たり前のように享受しているささやかな幸せは、非日常的な事象によって引き立つ。今この時を、謙虚に大切に生きよう、との思いを新たに、近隣の神社にて、ただただ祈りを捧げる。

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