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介護をしている全ての人へ#71 ~ 確定診断

 この日、父に膵がんの確定診断が出た。父のこと、母も同じように考えていたらしい。家族だから言い出せないこともある。

2019年3月12日(火) 母の日記

 焼津のSさんの訃報とどく、88歳。近しい人が逝くと気分が重くなる。
 午前中、夫のMRI画像の説明を受ける
 膵臓に3cm以上の腫瘍、数週間前に撮影した時よりもやや大きくなっているとのこと。進行はかなり速そう。
 幸か不幸か、夫は医師の説明をほとんど理解していない。
 これで、膵臓(膵尾)がんは確定した。この後は、家族と本人がこのがんとどう向き合っていくかが問題になる。
 担当医師は、当然のように手術を勧めるが、私たち家族を取り巻く状況を考えると、先生の方針に100%同意は……
 夜8時過ぎに長男が帰宅。「そう……」と一言。
 市内の温泉施設に出かけていった。帰宅後、話をしたかったが、そのまま部屋にこもってしまった。
 何となく感じてはいたが、夫婦そろってのがん患い。なんという事だろう。自分たちというより、息子を襲っている不幸の波を呪う。
 私たちは放っておいて、自分の幸福を追いかけてほしい。

2019年3月12日(火) 私の日記

 午前中は、仕事の手順書をまとめつつ、ルーティーンワーク。
 午後は、慶応大学の藤沢校舎に出向いてインタビュー。上司からは
帰社するように言われていたが、大学の食堂でインタビューの文字起こしを半分ほど終えた。インタビューの開始が遅れたと報告して、直帰することにした。
 慶応大学の学食で早めの夕食というか遅めの昼食をご馳走になる、ハンバーグの定食。みんな頭がよさそう、ハンバーグを嬉しそうに食べる自分が何となく馬鹿みたいに思えて、ちょと委縮してしまった。
 IBMにで働いていた(る?)大学の友達がここで何かの研究をしていたらしいが、何をやっていたのか忘れてしまった。
 20時ごろ帰宅して、父の様子を聞いた。やはり膵がん。父にも母にも掛ける言葉が見つからなかった。そのまま逃げるようにスーパー銭湯へ。
 がんを患った認知症の父をデイサービスは預かってくれるだろうか?
 病気のこと、治療のことを本人にどう説明するのか?
 考えなければならないこと、やらなければならないことが多すぎる。
重すぎる責任から逃げ出したい。
 
 
 

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