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日本の芸能人はなぜ今になってWeiboに進出したのか?知られざる最新のWeibo事情

微博(Weibo)と言えば、誰もが一度は聞いたことがあるのではないだろうか。2009年にサービス開始したWeiboは、今や最も有名な中国SNSと言われるまでに成長している。

多くの日本の芸能人もWeiboのアカウントを開設し、積極的に中国のファンに向けて中国語でコミュニケーションを行っている。

2018年には山下智久さん、木村拓哉さん、新田真剣佑さん、綾野剛さんが、2019年には菅田将暉さん、錦戸亮さん、アイドルグループの嵐、スノーマンがWeiboのアカウントを開設した。
なぜ、今になって、多くの芸能人がWeiboに進出しているのだろうか?

Weiboの誇る圧倒的なユーザー数

中国のWeibo(微博)は、他国におけるTwitterやFacebookのような存在であり、MAU(月間アクティブユーザー数)は5億人,DAU(平均一日アクティブユーザー数)は2億人に達している。これは、日本でのTwitterのMAU4,500万人と比較しても圧倒的に多い。

山下智久さんや木村拓哉さんがWeiboをスタートした際には、まだ一つもコメントを発信していない段階から10万人のフォロワーがつき、開設1カ月後には100万人を超えた。

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嵐のWeiboアカウント


ファンコミュニティとしてのSNS

Weiboのユーザー層は25歳以下の女性ユーザーが50%以上を占めており、俳優やアイドルのファン層と一致している。

近年では、俳優やアイドルの公式ファンクラブが次々とWeibo上に設立されており、熱狂的なファン達が、推しメンについて日夜活発に議論しているのが確認できる。

Weiboの俳優・アイドル親衛隊の際立った特徴は、「超話」と「データチーム」である。

超話とは、「超級話題(スーパー話題)」のことを指し、TwitterやInstagram上のハッシュタグに相当する。

Weiboでは、芸能人の超話に関して大量の投稿が行われると、芸能人の注目度ランキングが変動する。このため、親衛隊たちは推しメンのランキング向上を目指して、推しメンの超話に関する大量の投稿を行っているのである。

「データチーム」は、Weibo上の芸能人に関する各種データを常時観測し、常に推しメンが高いランキングに君臨するよう工作を行うファン集団である。

Weiboの俳優・アイドル親衛隊の中から自然発生した「データチーム」は、推しメンの注目度ランキングが少しでも上がるよう、投稿内容の傾向や投稿量を分析・コントロールしており、多数のファンを動員してトップの座を奪いにかかるのである。

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注目度No.1の超話になると、閲覧数1,500億回を優に超える

このように、ファンコミュニティとしてのWeiboには、日本人にはあまり理解されていない特性が多々ある。

芸能人や芸能事務所が自力でWeibo運用することももちろん可能だが、中国のファンコミュニティの盛り上がる「勘所」を掴み、親衛隊やデータチームを巻き込んだフィーバーを巻き起こすためには、Weibo運用に長けた専門会社の活用も非常に有意義なものと言えるだろう。


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