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資生堂の中国市場に強敵あらわる?中国発化粧品ブランドのマーケティング戦略

中国の化粧品市場に、いま、大きな変化が生じている。

2019年、これまで欧米や日韓のブランド中心だった中国化粧品市場で、中国ブランドの化粧品を多く目にするようになった。

本記事では、台頭する中国ブランドの圧倒的な勢いと、その巧妙なSNSマーケティング手法について紹介する。

11月11日(独身の日)の化粧品売上高トップ「完美日記(Perfect Diary)」

中国各地で巨大セールが行われる11月11日(独身の日)、中国最大のECショッピングモール「タオバオ」では異変が起こっていた。新興の中国ブランド「完美日記(Perfect Diary)」が、米国のメイベリン、エスティローダー、ランコムといった並みいる強豪ブランドを押さえ、独身の日のコスメ売上金額で首位に輝いたのだ。

中国の化粧品ブランドが、欧米や日韓の巨大ブランドを押さえて爆発的に売れるのは、これまでには考えられないことだった。

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「完美日記」で一番人気のエクスプローラー12色アイシャドー

「完美日記」は、2016年に設立された中国の化粧品ブランドである。2017年にタオバオで販売を開始し、2018年の独身の日セールでは、90分で1億人民元(約16億円)以上を売り上げた。タオバオの行った市場調査によれば、「完美日記」はいま、中国Z世代(1995年~2009年生まれ)が最も愛用する中国ブランドとなっている。

「完美日記」のマーケティング戦略の肝は、SNSの徹底活用に尽きる。
「完美日記」は、Z世代がSNSやショートビデオ投稿アプリを日常的に利用している点に目を付け、Z世代から絶大な支持を受けるインフルエンサー達に、自社商品の魅力を発信してもらうことにしたのである。

「完美日記」のマーケティング担当者で当社の顧問でもある李氏はこう語る。

「アイシャドーについては、RED(小紅書)だけでも3万件のインフルエンサー投稿を実現した。数百万のファンを抱える女優から、数百のフォロワーしか持たない一般人まで、異なるレベルのインフルエンサー達に広く無料サンプルを配布したことで、SNS上には毎日大量の口コミが飛び交った。」

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RED(小紅書)上の「完美日記」アイシャドーに関する投稿


Z世代の心を掴むものが将来市場を制す

Z世代の出現は、欧米・日韓ブランドが割拠する中国化粧品市場を、大きく変えようとしている。

Z世代は、中国の伝統的なスタイルを好む一方で、新しいものに挑戦する意欲にも満ちているのが特徴である。欧米・日韓からの「輸入品」に無条件に価値を感じてしまう前世代と異なり、Z世代は、中国ブランドか「輸入品」かに関わらず、使い心地の良さで商品の良し悪しを判断する。

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中国ブランド「花西子」も、中国の伝統を意識したPRを仕掛けている

中国の新興化粧品ブランドが、Z世代向けのSNSマーケティングで勢力を伸ばしているのを受けて、エスティローダーを始めとする海外勢も次々とSNS活用を強化している。

エスティローダー、ロレアル、キールズ等はRED上で公式アカウントを開設し、自社商品の紹介を行っている。エスティローダーの最新のアニュアルレポートによると、全体の75%のマーケティング予算がインフルエンサー活用に充てられている。

しかし、多数の海外ブランドにとって、中国でのインフルエンサーマーケティングは決して容易なものではない。中国人消費者、特に若い世代の嗜好を正しく理解し、一瞬でその心を掴むようなコンテンツを作成・発信するのは、並大抵のことではない。

TODOROKIはこれまで、化粧品ブランドをはじめ、多数の日本ブランドの中国進出、特にインフルエンサーマーケティングを手掛けてきた。Z世代の嗜好に関して深い知見を有し、RED、Bilibili、Tiktok、Kuaishouなどでのプロモーションを得意としている。化粧品ブランドの中国SNS運用やインフルエンサーキャスティングは、ぜひTODOROKIにお任せ頂きたい。


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