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妊娠糖尿病(GDM)と健診で言われたあなたへ〜妊娠糖尿病とは?〜

こんにちは!
福井県から、助産師のゆっきぃです。
今日は、妊婦健診で妊娠糖尿病と言われて不安な妊婦さんを対象に、そもそも糖尿病ってどんな病気?ということから、助産師が分かりやすくお話していきたいと思います。

1. インスリンは唯一血糖値を下げるホルモン

糖尿病という言葉は多くの方が聞いたことがあると思います。
糖尿病(DM)は、インスリンというホルモンの量が不足したり、働きが悪くなることで、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎた状態(高血糖)が、長く続く病気のことを言います。
高血糖が続いた結果、おしっこの中にも糖が混じって排出されることから「糖尿病」といいます。
糖尿病にならないために働くインスリンは、血糖が正常でいられるように調節する、膵臓から分泌されるホルモンです。
人間は生きていくために、血糖値をあげるためのホルモンはいつくかあります。しかし身体の中で、血糖を下げることができるのは、インスリンただ一つです。インスリンは、血管から細胞へ、糖を運んで、血管の中の糖の値を下げてくれます。
しかし何らかの問題で、インスリンが不足したり、働きが悪くなると、血液中の血糖値は正常に保てなくなります。
つまり、血糖を正常に保つには、このインスリンがとても重要なのです。

2. 妊婦さんが糖尿病になるとどうなるの?

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常のこと言います。
明らかな糖尿病は含めません。
しかし、妊娠糖尿病でも、妊娠中の管理が不十分だと、高血糖によるいろいろな合併症を起こしてしまいます。
ですから、早期に確実に見つけるために妊娠初期と中期にスクリーニングの血糖検査を行い、陽性であれば、75gブドウ糖負荷試験(OGTT)という検査を行い診断します。

3. 妊娠糖尿病はどのようにして診断されるの?

日本産婦人科学会では、全妊婦を対象に妊娠初期と中期に妊娠糖尿病のスクリーニング(全例検査して調べること)をすることを推奨しています。
スクリーニング方法としては、妊娠初期(初診時または妊娠10週前後)は、随時血糖法(食事時間とは無関係に測定した血糖値 )、妊娠中期(24週〜28週)は、随時血糖法か、50gブドウ糖負荷試験(グルコースチャレンジテスト)で行います。
グルコースチャレンジテストとは、お砂糖の入った飲み物を飲む前、飲んだ後の血糖値を採血で調べて、正常にインスリンが働いているかを調べるテストです。

妊娠経過とともに血糖を下げるインスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性の上昇)ため、妊娠初期に糖代謝異常の見つからなかった人も全員、妊娠中期に検査を受ける必要があります。
またスクリーニング陽性であったひとには75g 糖負荷試験を行い、次の診断基準により診断します。

妊娠糖尿病;75g糖負荷試験において次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。

  1. 空腹時血糖値(砂糖水を飲む前の血糖値)≧92mg/dl

  2. 1時間値(砂糖水を飲んで1時間後の血糖値)≧180fm/dl

  3. 2時間値(砂糖水を飲んで2時間後の血糖値) ≧153mg/dl

4. どんな人が妊娠糖尿病になりやすいの?

以下のような人は、妊娠糖尿病になりやすいと言われています。

  • 家族(特に両親・祖父母)に糖尿病患者がいる

  • 肥満である

  • 過度の体重増加がある

  • 高年齢(35歳以上)での妊娠

  • 強度の尿糖陽性

  • 巨大児や、過剰発育児の分娩経験がある

  • 以前または現在、妊娠高血圧症候群・羊水過多症である

特に上記のような人は、妊娠前に血糖検査を受けるようにしましょう。

5. どのようにして妊娠糖尿病になるの?

妊娠すると赤ちゃんが大きくなるにつれてエネルギー消費量が増えます。
赤ちゃんもしっかり発育するためには、さまざまなことをして血糖値をあげようとします。
例えば胎盤からインスリンの働きを抑えるホルモン(プロゲステロン、プロラクチン、コルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモン)を出したり、胎盤でインスリンを壊す酵素をつくり、インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)を強くして、血糖値が上昇しやすくします。

糖代謝が正常な妊婦さんの場合、膵臓からインスリンを多く分泌して血糖値を上げないように調節することができますが、元々インスリン分泌が少ないか、インスリン抵抗性が強い糖代謝異常妊婦の場合は血糖がそのまま上昇してしまいます。それが妊娠糖尿病につながります。


いかがでしたでしょうか?

2010年の診断基準改訂により、75g糖負荷試験のカットオフ値が変更され、また従来は2ポイント以上陽性の場合とされたのが、1ポイント以上陽性になったため、妊娠糖尿病と診断される頻度は増えています。

しかし、妊娠中の軽度の糖代謝異常を早期に見つけて治療していくことは、妊婦さん、赤ちゃんにとってとても有意義なことです。
ですから、過度に恐れず早期発見、早期治療していきたいですね。

次回は、妊娠糖尿病と診断されてからの治療法や、日常生活ではどのようなことに気をつけたら良いの?また妊娠糖尿病になると、お母さんや赤ちゃんにどんな影響が出るの?ということなどについてお話したいと思います。

参考文献
1)糖尿病と妊娠に関するQ &A、日本糖尿病・妊娠学会
2)福井糖尿病療養指導担当者講習会教本第3版、福井糖尿病療養指導研究会編


続編「妊娠中の過ごし方編」はこちらです


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