【Brush-UP Seminar】産業医と考える健全な職場への一歩と企業内助産師活用のヒントとは?
みなさん、こんにちは。
License says運営事務局の坂東です。
みなさんは、License says取得後に受けられるブラッシュアップセミナーについて、ご存じでしょうか?
ブラッシュアップセミナーの詳細はこちらの記事をご覧ください。
2024年3月25日のブラッシュアップセミナーでは、産業医・産婦人科医としてご活躍されている平野翔大先生を講師にお迎えしました。
平野先生は、大企業の本社統括産業医から、ベンチャー企業の産業医まで幅広い企業で活躍される中、一般社団法人 Daddy Support協会 Founder・代表理事としてパパの支援にも従事されている方です。
今回のテーマは「産業医と考える健全な職場への一歩と企業内助産師活用のヒント」です。
アジェンダは、
産業保健の考え方に触れてみる
産業保健制度の基本を知る
の2本立てです。
このコラムでは、実際の講義で学んだことをチラッとお見せします。
講師のご紹介
平野翔大先生
ご所属:
(一社) Daddy Support協会 代表理事
産業医・産婦人科医・医療ジャーナリスト
産業保健法務主任者(メンタルヘルス法務主任者)
健康経営エキスパートアドバイザー
診療情報管理士・医療経営士3級
慶應義塾大学医学部卒業後、産婦人科医として数病院で勤務。現在は産業医として東証プライム上場企業の統括産業医はじめ、ベンチャー企業まで20社近くを幅広く担当。また大企業やベンチャー企業のヘルスケア事業コンサルティングも行い、働き方改革、女性の健康経営やDE&I、不妊治療や健康管理など幅広い講演も行う。特に医師の働き方改革については、ジャーナリストとしても多くの問題点を指摘し、専門誌含め執筆を行う。男性育児を特に専門とし、著書に「ポストイクメンの男性育児」(中公新書ラクレ)がある。
1.意外と知らない産業保健について
まず、平野先生はある事例に対して受講生にどのように対応するかを問いかけました。
事例:ベンチャー企業で中途採用のマネージャー職として働いていたが、残業が多くメンタルヘルス不調で休職。
その後復職を希望しているが、今も不眠の症状が残っている。
必要な情報はもっと知りたいけれど、結局なにが良い選択なのだろうか、と悩みますよね。
ここで大切なポイントは、臨床と産業保健の違いです。
医療現場で働かれている方は、基本的に目の前の患者さんや妊婦さんに対して、いかに健康に過ごせるか、安全にお産を終えるかという利益を追及していますよね。
しかし、産業医が考えなければならないのは、
社員個人の利益を最大限追及する
に加え、
会社の利益を最大限追及する
この2つの利益を最大化することを考え、必要に応じて双方の歩み寄りも促すことが大切です。
そのように考えると、産業保健というのは、「従業員をより健康にすることは大事だが、最たる使命ではない」といえます。
では、産業保健で一番大切なものとは、一体何でしょうか?
産業保健と聞くと、従業員の健康管理というイメージがありますが、もっと幅広い安全配慮義務というのが一番の目的なんですね。
ただし、ここでよくある勘違いがあるとのこと。
個人と組織の双方に目を配りつつ、全体の仕組みや文化へのアプローチも必要なのが産業保健の特徴です。
例えば、今にも経営が破綻しそうな会社では、社員全員の安全や健康は守れませんよね。
社員全員の安全や健康が守れてからこその、社員個人の健康ということなんですね。
2.企業内助産師の可能性とは?
多くの会社には産業医や産業保健師がいるというのはみなさんもご存じかもしれません。
しかし、弊社がサービス提供している「The CARE」のような企業内助産師に求められる役割や今後の可能性は、どのようなものなのでしょうか?
実は、それを紐解く前に、産業医と産業保健師の実情について知る必要がありました。
産業医の要件は、
①医師であること
②産業医講習会を受けること(50時間以上)
です。
しかし、産業医業務を行なっている3万人の医師のうち、産業医業務を主としている医師は約2千人(7%)、専門医を取っている医師はなんと約600人(2%)しかいません。
対して、企業の規模は、従業員1,000人以上の会社だけでも約3,500社なので、少なくとも産業医業務を主にしている医師だけでも足りていないことがわかります。
結果として、産業医の専門性・活動内容にはかなりばらつきがあり、法令(労働安全衛生法)に書いてあることだけを受け身で行う“いるだけ産業医”というのも少なくありません。企業のリスクや健康増進まで総合的に対応できる産業医は、より少ないとすらいえます。
一方で産業保健師などの産業看護職は、設置義務が法律に書かれていない存在のため、法律に縛られることはありません。
そのため、可能性が広く、どの立ち位置も取れる存在です。
しかし逆にいえば、企業はメリットを感じなければ産業保健師を置くことはありません。産業保健師は保健師の約7%しかいないことも考えると、働く場としてはシビアな世界です。
従業員の健康のリスク管理ができるだけでなく、健康増進まで考えられるような、企業側が求める人材になる必要がありますね。
では、その中でも企業内助産師の可能性にはどのようなものがあるのでしょうか?
実は、企業内助産師には産業医や他の産業看護職とは違った強みがあります。
強み①徹底的に「ケア」に寄ることができる
企業内の実務を担うことも多い産業看護職は、健康診断結果の確認・面談、メンタル不調の相談に追われることが多いのも現状。「会社のスタッフ」という一面も持つため、ある程度会社と個人のバランスを見て動かなければなりません。
外部から入る企業内助産師は、個人の相談=ケアに徹することができるというのは大きなメリットかもしれません。ただしその際にはきちんと会社の「リスク」を理解し、社内の産業医や産業看護職と連携をとることも大切です。
強み②女性や産前産後支援は今、アツい分野である
働く女性の健康に対する取り組みは年々進んでいるものの、対応に困っている企業も多くあります。健康経営認定の取得でも女性に対する取り組みは重要であり、ここは助産師の専門性が十分に発揮できる場です。
また産前産後は男性も携わる分野になってきています。昨今、男性の育児支援に注目が集まっており、企業もこれまで以上に産前産後に目を向け始めています。
強み③認知しやすい専門性
企業側から見ても、「お産を専門にする助産師」という様に専門性が認知されやすいです。わかりやすい「産前産後・育児」の分野を足がかりに、支援の幅を広げることができます。
強み④幅広い対応力
みなさんは助産師資格だけではなく、看護師の資格もお持ちですね。中には保健師の資格も持っている方もいらっしゃるかもしれません。
助産師は周産期に特化した専門性を持っていますが、看護の知識もあることで、健康全般の相談対応ができるのも強みです。
また、今まで両親学級などで集団指導の経験もある方も多いのではないでしょうか?
保健師の勉強をされている方は対象者が健康な方の保持増進や集団指導についても学ばれたかと思います。
このことから、産業保健の分野でも今までのご経験を十分活かすことができる環境です!
もし、企業で従業員を支援する助産師に興味を持たれたら、こちらのコラムもチェック✨
3.産業保健分野におけるオススメの資格・教材
最後に、平野先生がオススメする資格や資料をご紹介します。
オススメの資格
衛生管理者(第一種・第二種)
難易度:★★☆☆☆
金額 :★☆☆☆☆
☛人事労務の基本資格。まずはここから。保健師の資格を持っている場合、無試験で資格が取得できます。
メンタルヘルス・マネジメント検定
難易度:★☆☆☆☆(級による)
金額 :★☆☆☆☆
☛メンタルヘルスを知りたいならコレ。自分のケアの役にも立ちます。
健康経営(エキスパート)アドバイザー
難易度:★☆☆☆☆
金額 :★☆☆☆☆
☛衛生管理者と組み合わせると、人事労務の広い範囲を網羅してくれます。
両立支援コーディネーター
難易度:★☆☆☆☆
金額 :★☆☆☆☆
☛厚労省の研修を受けます。実務に近いものもあり、オススメです。
産業カウンセラー
難易度:★★★☆☆
金額 :★★★★★
☛取得費用はかかりますが、単体で仕事にもなる資格です。
キャリアコンサルタント
難易度:★☆☆☆☆
金額 :★★★★★
☛こちらも取得費用はかかりますが、単体で仕事にもなる資格です。
産業保健法務主任者
難易度:★☆☆☆☆
金額 :★★★★★
☛取得は難しくありませんが、学会入会が必要です。e-learningが中心で、本格的な法律話なので臨床では学ばない知識が手に入ります。
個人情報保護士
難易度:★★★☆☆
金額 :★☆☆☆☆
☛少しズレますが、意外と大切な分野です。
社会保険労務士
難易度:★★★★★
☛合格率3~5%で、激レアな存在です。
労働衛生コンサルタント
難易度:★★★★★
☛保健師なら10年の実務、衛生管理者なら15年の実務が必要です。
オススメの教材
もし産業保健について学びたくなったら、これらの教材を使ってみてくださいね。
「職場の健康がみえる」メディックメディア
厚生労働省YouTubeチャンネル
いかがだったでしょうか?
産業分野で働く助産師に興味を持っていただいた方、今目指している最中という方も、企業で必要なスキルがどのように身に付くのか不安に思っている方も多いのかもしれませんね。
そんな方にオススメしたいのが、With Midwifeが提供する助産師向けリスキリングサービス「License says」です。
License saysで学び、ライセンスを取得された方のなかには、企業で従業員を支援する「企業専属助産師」として働かれている方もいます。
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