見出し画像

個性伝えるスパゲッティアイス|高木吏花さん【前編】

突然ですが、スパゲッティみたいな見た目をした『スパゲッティアイス』を、見たことがありますか?

見た目も、すごく溶けやすい性質も含め、ちょっと変わったアイスなんです。

ナポリタンアイス(マンゴーシャーベット)

今回は、沖縄市のコザにて、そんなスパゲッティアイスを販売している『コザアイス』のオーナー・高木吏花さんに、スパゲッティアイスの魅力やたくさんの失敗を乗り越えられる考え方をお聞きしました。

ぜひ、最後までお楽しみください!

【取材を受けていただいた方の経歴】
高木吏花(たかぎ りか)さん
福島県出身、沖縄在住
慶應大学経済学部 通信過程 履修中
スパゲッティアイスを販売する『コザアイス』のオーナー
ドイツの大学に在籍経験あり

↓コザアイスのInstagram


合理的じゃないアイス

ーーーてっきり沖縄出身か、沖縄の大学に在籍されているんだと思っていましたが、違うんですね。沖縄に来たきっかけを教えていただけますか?

きっかけはコロナになったことですかね。

大学でドイツに進学することにしたんですが、私の実力不足とコロナの関係で、卒業ができずに帰国しました。

帰国したのがちょうど2~3月の寒い時期だったので、暖かい地域で気持ちを整えようと、沖縄に来ることを決めました。


ーーー現在、2年くらい沖縄に住んでいるんですよね?もともと、そのくらい滞在するつもりだったんですか?

もともとは3ヶ月間で、沖縄の基地で働いて英語を学びながら、プログラミングの勉強をしたいと思っていました。

だから、沖縄市のコザにある「ギークハウス」というプログラマーの集まるシェアハウスに住みながら、基地内のアルバイトを探していたんです。

ただ、基地での仕事もそんなに多くなかったことと、正直に「3ヶ月経ったらやめる」と話してしまったせいで仕事が決まらなくて。

その話をギークハウスの人に相談したところ、近くにあるStartup Lab LAGOONというコワーキングスペースの受付を短期間でいいからやって欲しいとお願いされました。

LAGOONやコザの街には、いろんなことに挑戦されている方や起業される方がたくさんいて、そこで暮らすうちに、今やっているスパゲッティアイス屋さんをやってみたい、と思う気持ちが強くなっていきました。

実際、LAGOONの方々に背中を押されたこともあり、アイス屋さんを立ち上げ、現在まで沖縄にいます。


ーーースパゲッティアイスって、他では見たことがないんですが、高木さんがスパゲッティアイスに出会った経緯や、お店を自分でやりたいと思えるほどの魅力を教えていただけますか?

スパゲッティアイスに出会ったのは、ドイツに留学している時です。ドイツでは、割とポピュラーなアイスなんですよ。

ただ、これって麺状にしてある分表面積が大きくなるから、すっごく溶けやすいんですよね。

だから、最初に食べた時は「なんでこんな形にしちゃうんだろう。変なアイスだな」ぐらいに思っていたんです。

でも、だんだんスパゲッティアイスに自分が重なるような気がして。

私、高校生の時は機械科にいたんです。溶接に興味があって、勉強してみたかったから。

でもそんな女の子は他にいなくて、学科に女子1人だったので「ちょっと変わった子」みたいに見られていたんです。

でも、ドイツの人はそれを「素敵な個性だね」って笑って受け入れてくれて。

スパゲッティアイスも、見た目も変わっているし、そのせいで溶けやすくなっているし、すごく変なアイスだと思うんですけど、その「枠からハミ出ちゃった感じ」に「人間らしさ」を感じるんです。

合理的なことや生産性はロボットに任せてしまって、人間同士の違いを「それも個性だね」って笑い合うことができれば、もっといい世の中になるのかなと思うし、ロボットにはない人間らしさを発揮していくことに繋がるのかなと思いました。

それを、他の人にもちょっとでも感じて欲しくて、スパゲッティアイス屋さんを始めようと思いました。

ーーーなるほど。あの変わったアイスには、そんな想いが込められていたんですね。

スパゲッティアイスと高木さんとコザの商店街


立ち上げ期の困難

ーーーとはいえ、飲食店の立ち上げってすごく難しそうな感じがしますが、実際大変だったことはありますか?

商品の味に関しての開発と、商品を作る機械を探すのに苦労しました。

味に関しては、例えばナポリタンや焼きそばなど、本当にある麺メニューに見た目を似せつつ、味も美味しいものを作りたいというこだわりはあったんです。でも、商品開発に関する知識は全然なくて。

それから機械に関しても、最初は費用や規模を抑えて始めたかったのですが、実際スパゲッティアイスで使われている機材は、15万円以上するものばかりで高すぎたので、手が出せませんでした。

ーーーどうやって解決していったんですか?

商品開発に関しては、ブルーシールで商品開発をしていた屋嘉さんに、DMを送って相談させていただいたところ、協力していただけることになりました。今でも、お世話になっています。

それから機械は、どうしようかと悩んでいるところに、たまたまAmazonのおすすめで本物のパスタを作る機会やモンブランを作る機会が出てきたので、それを1つずつ試していき、今の機械を見つけることができました。

ーーー諦めずに行動したからこそ、出会いに恵まれた感じがしますね。

ーーー立ち上げ初期はわからないことだらけで心が折れそうですが、どうして頑張れたんですか?

うまくいかなくても「だったら次はどうしよう」と考える癖を、ドイツ留学で培ったからかもしれません。

ドイツに留学していた時は困難の連続で、家に住めなくなってホームレスになりかけたり、語学学校の定員がいっぱいで入学できなくなりそうだったり、言葉がわからないからバスが使えなかったり。

大小いろんな困りごとに遭遇してきたんですが、今となっては全部些細なことだったな、と感じていて。

だから、今どれだけ大きな壁に感じても、将来的に「些細なことだった」と感じるのであれば、今は悩むよりもどう対処するか考えて行動した方がいいなって思えるんです。

それに何より、応援してくれている人に恩返しをしたいなと思う気持ちもあるので、立ち止まって心配をかけるより、前に進んでいきたいと思っています。

↓コザアイスのInstagram

↓コザアイスの場所(Googleマップ)

前編はここまでになります!

後編では、さらに商品に対するこだわりや、直近の失敗を乗り切ったどんな考えをお聞きしました。

何かに挑戦したいけど失敗が不安な方、そして、今回のスパゲッティアイスに込められた想いを聞いて、もっと高木さんとコザアイスのことが知りたくなった方は、ぜひ後編も覗いてみてください!

後編は、コチラ↓


この記事が気に入った方へのおすすめ

キーワード:起業、農業、地方創生

キーワード:LAGOONインターン経験者、コロナによる挫折、学生団体代表


この記事が参加している募集

沖縄の学生が、沖縄をよくしたいという想いだけで活動しています!サポートしていただけると、さらに前向きに活動ができます! もしよろしければ、サポートお願いします!