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Queen Lili‘uokalani - Aloha Oe / アロハ・オエ - 1878

流行歌では無くて、ハワイ民謡の位置づけにある曲です。

とは言うものの、それほど古い時代の伝統歌と言うのではなくて、19世紀末頃に作られた曲。

ハワイの曲と言うと、まずこの歌を誰もが思い浮かべるような、とても有名なスタンダード曲で、ウクレレとかの練習曲としても、夏のBGM集みたいなインスト曲の中にも、必ず入ってる曲ですかね。

とにかくハワイって曲。してスーパーでもよく流れてた曲。

さて、この歌ですが…
作者・・・は、ハワイ王国第8代(最後)の国王であり、
唯一の女王である、リリウオカラニ女王が作詞作曲した歌です。

彼女はその生涯で、165曲以上の曲と聖歌を作りました。

このハワイの国歌も彼女が作りました。

「He Mele Lahui Hawaii / ハワイの国家」1866

リリウオカラニ女王は、ホノルルの首長の家に生まれ、当時の風習で、2歳の時にカメハメハ一世の孫の養子に出され、ホノルルの王族の子たちと共に首長子弟学校に通って、そこで英語や音楽を学びました。

して後に、アメリカ出身の白人で、オアフ島知事となる夫と結婚します。

ハワイ王家は短命の人が多かったそうで、カメハメハ五世が亡くなって直系が途絶えた後、リリウオカラニ女王の兄が即位したことで、彼女が女性初の王位継承者となりました。

そして兄の死後、女王として即位することに…

さて、ハワイ王国は18世紀にカメハメハ一世が、白人たちが持ち込んだ銃器により、全島を統一することになって成立した王国で、後に立憲君主制となって憲法が制定され、近代国家に移行しつつあった国だったりしますが…

この頃はサトウキビのプランテーションが急増したことで、砂糖貴族というアメリカ系白人たちが経営者として発言力を増しており、王政を望む王党派と王政を滅ぼして米国に併合しようという、共和制派の対立が激化しているという渦中にあったのでした。

そんなこんなで共和制派がクーデター起こし、王政廃止と臨時政権を樹立(ハワイ革命)、日本がハワイに味方したりアメリカが口を挟んだり…

すったもんだのあげく、女王リリウオカラは幽閉され、
結果として女王廃位の署名に捺印させられることになり、
事実上、ハワイ王国は滅亡したのでした。

で、ハワイは合衆国に併合されて、
後に50番目の州になることに…

その意味でもハワイ王国最後の女王である、リリウオカラは悲劇の女王とも言われているのでした。

「The Queen's Prayer (Ke Aloha O Ka Haku)」

キリスト教の祈りに音楽を付けたもので、ハワイの教会では礼拝の祈りの祝祷の直後や結婚式によく使われるそうです。

「Kumulipo / クムリポ」1889

これはハワイ王国の王族に代々伝えられてきた創世神話で、日本の古事記に相当する壮大な叙事詩だったりします。

宇宙の起源から歴代の王の業績に至るまでが、16パート2102行にわたる散文で語り継がれたもの。

文字を持たなかったハワイでは、全て口承によって秘密裡に伝えられてきたのですが、ハワイ王国第7代カラカウア王が崩御前年の1889年に公表し、妹のリリウオカラニ女王が退位後の1897年に英訳することにより、世界的に有名となりました。

音楽と言うよりは、チャント(呪歌=祈り)ですね。
ちなみに「クムリポ」とはハワイ語で「起源」と言う意味。

そして、あまりにも有名なこの歌…

「Aloha Oe / アロハ・オエ」1878

別れの唄です。
色々な説がありますが、定説としては…
1878年にまだ若い王女であったリリウオカラニが、オアフ島北部のマウナヴィリという場所で、ある少女と軍人との別れの光景を目にして書いた詞であるとされてます。

その少女とは女王の妹という説もあったりしますが、
本当のところはどうなんでしょうね…

そして、クーデターにより王位を追われ、支持者の多くが投獄され、自らも反逆罪の汚名を着せられイオラニ宮殿に幽閉された女王が、この歌に滅びゆく祖国の悲哀を重ね合わせ、国民への感謝と惜別、あるいは再決起や支持を求める思いを込めていたであろうことは想像に難くないかなあ。

このような経緯もあってか、アロハ・オエのメロディーは後に、イエス・キリストの再臨による平和の回復を待望するという内容の歌詞が新たに付けられ、讃美歌としても使用されている。

…という事が、wikiに書かれていたりします。

いずれにしても、最初はまったりのんびりした、ハワイアンソングとして聞き流していたものの、そのような背景を知ると 何処か物悲しく、切ない気持ちにさせられるのでした。

ハワイかあ…まだ行ったことないんですよね…

でもって、ハワイというと真っ先に思い浮かぶのはこの歌だったりする。why? 

「憧れのハワイ航路」岡晴夫 1948

昔はハワイはそういう憧れの場所でしたねー
今では気軽に行けるところになりましたが・・・

一度くらいは行きたいなあ…
水着にはさすがになれませんが<公序良俗違反になてまう


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「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/08/27 掲載記事より転載


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