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アラモ砦の攻防とウクライナ民謡

1960年のハリウッド映画「アラモ」は
1836年に起こったテキサス独立戦争の13日間に、メキシコ共和国軍とテキサス分離独立派(テクシャン反乱軍)の間で、アラモ伝道所(テキサス州サンアントニオ)において行われた戦闘を描いたもの。
大好きな映画の内のひとつで、悲しい結末だけれど、テキサス義勇軍として散っていった男たちのドラマに心揺さぶられたものだった。いつかアメリカに行くことが出来たなら、ぜひ訪ねてみたい場所の一つでもあり。

アメリカでは、日本の忠臣蔵みたいな扱いでもあり、何度かテレビドラマ化、そして映画化もされているんだけど、私はやはりジョン・ウェインがデイビー・クロケットを演じた1960年のが一番印象深いし、好きかも。

故ジョン・ウェインは右翼で人種差別主義者でもあったから
今では不人気俳優の一人でもあるけど
役者としては存在感ハンパ無かったです

そして、この映画はアメリカはテキサス州の話(メキシコ軍との戦い)であるのだけれども… 映画の主題歌「邦題:はるかなるアラモ 原題:The Green Leaves Of Summer」は、もともとウクライナの民謡なんですね。

というか、主題歌作りに悩んだディミトリ・ティオムキンが、ウクライナ民謡をパクッたというのが真相だけれども(何故か、その事実は隠されていると言うか、無かったことにされてて、彼らのオリジナルって話になっちゃってる)。

The Green Leaves Of Summer

A time to be reaping
A time to be sowing
The green leaves of summer
Are calling me home
Was so good to be young then
In the season of plenty
When the catfish were jumping
As high as the sky

A time just for planting
And the time just for ploughing
A time to be courting
a girl of your own
Was so good to be young then
To be close to the earth
And to stand by your wife
At the moment of birth

A time to be reaping
A time to be sowing
A time just for living
A place for to die
It was so good to be young then
To be close to the earth
Now the green leaves of summer
Are calling me home
It was so good to be young then
To be close to the earth
Now the green leaves of summer
Are calling me home

(意訳)

刈り取りの時
種撒く時
夏の緑の葉が
私を故郷へ誘う
若くあることはとても良かった
豊かな季節の中で
あの時ナマズが跳ねていた
空ほどに高く

ちょうど植えるための時
そしてちょうど耕す時
求愛する時
あなたの女の子に
若くあることはとても良かった
大地に寄り添うようにあって
そして、あなたの妻の傍らに立った
あの誕生の瞬間

刈り取りの時
種撒く時
夏の緑の葉が
私を故郷へ誘う
若くあることはとても良かった
あの松の木でフクロウが
ウインクしていた

刈り取りの時
種撒く時間
ひたすら生きていくための時
死するための場所
若くあることはとても良かった
大地に寄り添うようにあって
今、夏の緑の葉が
私を故郷へ誘う
若くあることはとても良かった
大地に寄り添うようにあって
今、夏の緑の葉が
私を故郷へ誘う

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アメリカの乾いた大地に良く似合っていた、テキサスを舞台とした映画のこの主題歌が、もとは北国での短い夏を惜しむ庶民の歌で、ウクライナ民謡だったこと。そして大軍を相手にして、敗北しかない絶望的な闘いをするテキサス義勇軍を称えるための映画、62年前にパクられたこの歌が今のウクライナと重なる、この不思議。

ちなみにブラザース・フォアのオリジナルより、こちらの男女混成合唱バージョンの方が私は好きです。

ナターシャさん、ウクライナ出身です。


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