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Peter,Paul And Mary - The Cruel War / 悲惨な戦争 - 1962

PPMって省略しちゃうと…
時間ですかい? …ってなってしまふw

いやさPMじゃないです、PPMです。
PMSでもなくてね(しつこい)

ちなみにPPMとは、当然ながらPeter,Paul And Maryの略で、メンバー三人の頭文字を取ってのもの。

Simon & Garfunkelなんかも、略してSGとか呼ばれるし。

でもって…彼らは公民権運動や反戦運動といった、
社会的正義なんかを追求する、プロテスト・ソング・シンガーの代表格で、ボブ・ディランやジョーン・バエズなんかと共に語られることの多いグループ(トリオやね)。

ジョーン・バエズ

して、ディランの曲もたくさん歌ってますね。

ボブ・ディラン

公民権運動と言えばこの…

「If I Had a Hammer / 天使のハンマー」1962

ワシントン大行進でも使われましたね。
ちなみに作曲者は、ウィーバーズのピート・シーガー(プロテスト・ソングの第一人者)です。

この時に、あのキング牧師の伝説的な名言「私には夢がある」の演説が語られました。つまりその時にシンボリックな曲として、歌われた曲なわけです。

キング牧師演説

アメリカ黒人のたたかい:公民権運動


「Where Have All The Flowers Gone / 花はどこへ行った」1955

これもまた、ピート・シーガーの代表曲で、世界中で歌われている反戦歌です。

ピート・シーガー

日本でも翻訳されて、たくさんの人がカバーしたし、音楽の授業でも歌われてますね。昨今じゃ知らんけど。

ベトナム反戦の歌っていったら、ディランの「風に吹かれて」と、まずこれって感じ。いやさ他にもたくさんありますがね。

ちなみにデビュー曲はこの曲です。

「Lemon Tree / レモン・ツリー」1962

可愛らしい歌です。

「PUFF / パフ」1963

パフはアニメーションのテーマソングで、このアニメがまた可愛いお話なんですよ~

子供の頃に見たなあ…音楽の教科書にも載ってましたね、今はどうだろ。もうね、フォークソングというより童謡って感じかも。

映画「Puff The Magic Dragon」1978


「500 Miles /
 500マイル」1962

古き良きアメリカ…って感じの、トラッド的なフォーク・ソングです。この歌もたくさんの人がカバーしていて、今の世にも歌い継がれているエバーグリーンですね。

「Leaving on a Jet Plane / 悲しみのジェット・プレーン」1967

この曲は「カントリー・ロード」でおなじみ、ジョン・デンバーの曲のカバー。

オリジナルはこちら。
John Denver - Leaving on a Jet Plane


「Gone the Rainbow / 虹と共に消えた恋」1963 

シュッ、シュッ、シュアババク~♪ という出だしがとても印象的な悲しい戦争の悲劇の歌です。恋人ジョニーが戦争に行って、帰って来なかった…的な、残された女性の悲しみと二人の思い出を唄った歌。


さてさて。
そんな彼らの曲で、私が一番好きな曲って、これかなあ…

「The Cruel War / 悲惨な戦争」1962

ちなみにトラディショナル・ソングで、アメリカ独立戦争、もしくは南北戦争の頃に作られた歌と言われてますが…イングランド起源説もあり、ちょっとはっきりしていません。

ベトナム戦争時にはベトナム反戦の歌として歌われました。

歌詞の意味が知りたい方はこちらカバーですが、
この方たちの歌と演奏、訳詞が素晴らしいので参考まで。

代表的な反戦歌で、ジョニーという名前が出てくるので…

どうしてもあの名作映画「ジョニーは戦場へ行った」を思い出しちゃうんですよねっっ

「Johnny Got His Gun / ジョニーは戦場へ行った」1971

悲しい映画です。苦しくて辛い映画です。

戦争に対する是非もそうですが、尊厳死についても考えさせられます。生きるとは…死ぬ自由とは…そして戦争とはと、自問自答せざるを得ない映画。

ぜひ見て欲しいけど、覚悟がいるかもな。

ネタバレになるからサクッとの紹介ですが…
主人公ジョニーは第一次世界大戦に出征して負傷し、両手両足を失ったのみならず、視覚、嗅覚、聴覚、そして言葉をも喪失してしまい、触覚のみという状態になってしまいました。そのため、「命」はあるものの、もはや「人」として機能してはいず、意思の疎通の出来ない、生ける物体とて周囲から扱われることになったと‥‥詳細は映画もしくは小説を見てねという話。

ちなみに原作小説は、1939年にダルトン・トランボが発表した「ジョニーは銃をとった」という反戦小説で、71年に制作されたこの映画は、そのダルトン自身が脚本と監督を担当しました。なので、作者の意図、想いが100%表現された映画化になります。

39年の原作なのに映画化が71年になるという月日を費やしてしまったのは、ダルトンが共産党支持者だったがために赤狩りにあい、逮捕・禁固刑の実刑を受けて、追放されていた期間があったからです。

タイトル『ジョニーは銃をとった(Johnny Got His Gun)』は、第一次世界大戦時の志願兵募集の宣伝文句で、軍歌『オヴァー・ゼア』(Over There)でも有名になった「ジョニーよ、銃をとれ(Johnny Get Your Gun)」という呼び掛けへの痛烈な皮肉となっている

wikipedia

アメリカ軍歌「Over There / オーバーゼア」

「虹と共に消えた恋」に出てくる名前もジョニー
「悲惨な戦争」に出てくる名前もジョニー

ジョニーはそうですね…ジョニー・デップもいるけど。

呼んだ? 元祖ジョニデです

ジョン・スミスが、日本で言うところの山田太郎(ジェーン・スミスはさしずめ山田花子)という位置づけの名前なんで、
ジョニーは、ジョンの愛称だけども、ニュアンス的には一郎とかラーメン二郎とかって、そんな名前に置き換えられるかな。そのようなありふれた名前になります。
(ジョンの由来はヨハネだから、ジョニーはヨハンか?)

なので、どこにでもいる、ありふれた人々のことで、明日は我が身な、その他大勢の人へのメッセージ。

「ジョニーよ、銃を取れ!」と言われた人々に訪れる、
あなたも明日はこうなるかも知れないという末路を示唆している歌なのです。

今もこの同じ空の下のどこかで、銃を取ったジョニーがいて、その身を危険へと晒しています。同時に帰ってこない、行ってしまうジョニーのことを想い、その身を案じ、引き裂かれる悲劇に涙している人々がいるのです。
この今の瞬間にも。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/11/07 掲載記事より転載

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