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The Weavers & Lead Belly - Goodnight, Irene / グッド・ナイト・アイリーン - 1934

この曲はいわゆる伝承歌(オールドソングもしくはスタンダード)というもので、20世紀初頭に作られた、作者不明なフォークソングという位置付けです。

一番最初にレコーディンクしたのは、"歌う囚人"の異名を持つレッドベリー。

12弦ギターを普及させたのは彼といっても過言なし。ギターだけでなく、ピアノ、アコーディオン、ハーモニカ、マンドリン、ヴァイオリン、コンサーティーナなども演奏し、マルチプレイヤーでありながら作曲もするし、アカペラや手拍子、足踏みだけで歌うのも得意な凄腕シンガーでした。

leadbelly 「house of the rising sun」

YouTube的なポジションでいうと、懲役太郎さんみたいな人?? ※歌う囚人とか、歌う死刑囚と呼ばれているのは、服役経験ありだから

・・・とはいうものの、殺人はやってないので死刑囚はまったくの誤解っす。

Leadbelly Recorded in Concert, Austin,1949

そして、ありがたいことに、レッドベリーの音源をUPしてくれてる人がいる。

「Goodnight, Irene / おやすみアイリーン」
レッドベリーバージョン 1934

レッドベリー自体は、1908年からこの歌を歌っていたそうです。私がよく聞いていて馴染みのあるのは…

The Weavers バージョン 1950

ウィーバーズだなあ…こっちの方が耳に馴染んでいるので、やっぱ好きかも。

ウィーバーズはフォーク・コーラスグループですが、3年しか活動しませんでした。フォーク・リバイバル活動の中心人物だった、ピート・シーガーが作ったグループ。

Pete Seeger 「A hard rain's a-gonna fall」1963

過去にも彼の名前は、他の歌手のとこで度々出してますが。

でもって、ピート・シーガーはPPMが歌った…「花はどこへ行った」「天使のハンマー」とか、ジョーン・バエズとかで有名な公民権運動を象徴する歌「ウィ・シャル・オーバーカム」なんか作った人です。

ボブ・ディランと同じで、プロテスト・ソングの人。
その先駆者と言ってもいい。世界を変え、歴史を作った歌を作り、歌い続けた人。音楽で人々を繋ぎ、結び、鼓舞して、支え続けた信念の人であります。

We shall overcome 世界を変えた歌 1/3

We shall overcome 世界を変えた歌 2/3

We shall overcome 世界を変えた歌 3/3


おやすみアイリーン」の説明は、まんまwikiから引っ張ってきたりして(まとめるのめんどうだから)。

歌詞は、歌い手が、かつての恋人アイリーンとのトラブルを示唆し、悲しみや苛立ちを表すものである。歌詞の一部は、明らかに自殺願望をほのめかしており、最も有名なのは、「sometimes I take a great notion to jump in the river and drown(ときには、河に飛び込んで溺れてしまおうなんて、大それたことを考えるんだ)」という一句で、これは、ケン・キージーの1964年の小説『わが緑の大地 (Sometimes a Great Notion)』や、ジョン・クーガー・メレンキャンプがアルバム『ビッグ・ダディ (Big Daddy)』に収録した「サムタイムス・ア・グレート・ノーション (Sometimes a Great Notion)」にインスピレーションを与えたが、「おやすみアイリーン」自体も伝統的なアメリカの民謡から引き継いだ要素を多々含んでいる。

John Mellencamp「Sometimes a Great Notion」2005


クラプトンもカバーしてますた

Eric Clapton カバー 2013

かなりスローテンポでワルツっぽい。

Keith Richards バージョン 2015

かなり素朴です。
ストーンズとはえらい違うぢゃねーか、キース。

Willie Nelson&Tom Petty カバー 2002

当たり前だけど、カントリーテイスト。トム・ベティとのコラボです。

Frank Sinatra カバー 1950

シナトラだねぇ・・・(イミフ)

とにかく、たくさんのミュージシャンがカバーしていて、あげきれないので興味ある人は探してみそピー。

そして、この曲はイングランドのサッカー・チーム、ブリストル・ローヴァーズのFC曲だそう。

Bristol Rovers Club Song

自殺をほのめかす、失恋した痛みを歌う絶望歌なのに、いいのか。それとも試合に負けた時に歌う歌なのか謎です。

そういえば、ミル・マスカラスのテーマとなった、「スカイ・ハイ」も失恋ソングなんなんだよなー

んでもって、日本だとビギンもカバーしてます。なんか別の歌になっちゃってる気がするけども…

BEGIN「グッドナイト・アイリーン」2012

さて、ウィーバーズの他の曲。

「So Long」1951

「Amazing Grace」

「Kisses Sweeter than wine」

The Weavers - Folk Alliance International Lifetime Achievement Award 2013

The Weavers - Wasn't That A Time - Documentary - 1982

とにもかくにも、アメリカおよび世界の音楽史(フォークロアやコーラスグループ)を語る上で、絶対に外せないグループで、リーダーであったピート・シーガー自身のことも、プロテストソングの創始者として、そして音楽の力で歴史を変えた人物として忘れてはならず、語り継ぎたい功績者の一人です。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/10/29 掲載記事より転載

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